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木の知恵 適材適所 木の利用曼陀羅〜歴史と現在 |
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羅宇 | らお・らう | 用材 | 羅宇の部品としての竹のほとんどは中国からの輸入品である。【1999】 | |
羅宇1 | らお・らう | 語意 | 〔ラオス産の竹を用いたことから〕キセル(煙管)の雁首(がんくび)と吸い口とをつなぐ竹の管。ラウはラオのなまり。ラウのすげ替えや蒸気を使ったキセルの掃除を職業とする人を羅宇屋(ラオヤ)といった。 ⇒「煙管」を参照 | |
羅宇2 | らお・らう | 語意 | 羅宇には竹製と唐木製とあり。羅宇竹の材料は御殿場より佐野に至るの山中より伐採せる篠竹(スズタケ,シノダケ)所謂箱根竹と称するものなり此もの質硬くして孔大きく正円にして光沢あり最も羅宇に適せり虎斑竹は箱根山及相州吉濱産を用ふ。【工藝】 | |
ラケット1 | らけっと | 用材 | 卓球:木質であることがルールとなっている。(平成14年度ルール;ラケット本体は平坦で堅い木製(85%以上が天然の木)とする。 ) 木製,木材と新素材の複合材など多様。木曽ヒノキの単板,木曽ヒノキの5枚合板等も見られる。 | |
ラケット2 | らけっと | 用材 | テニス,バドミントン:これらラケットもかつては木製であったが,木製ラケットは現在では完全に絶滅して,新素材に置き換わった。かつての木製ラケットの素材はヤチダモ,アオダモ等。 | |
ラケット3 | らけっと | 用材 | バット及ラケットフレームは強靱にして狂はざるフジキ(アオダモの異称)を用ふ【工藝】 | |
ラケット4 | らけっと | 用材 | 庭球用ラケットにはフジキ,ミズナラ,セン,シオジ,カシ,トネリコ,ケヤキ,エノキを用ふフジキ最も適しセン之れに亞ぐ【工藝】 | |
ラケット5 | らけっと | 用材 | ピンポン用ラケット板はホオノキを用ふホオノキは軽くして球の傷み少く又跳躍(バウンド)可なり柄はサクラ,クロガキ,モミジ等の材質堅き光沢あるものを用ふコルクも用ふることあり【工藝】 | |
ラムネ玉抜 | らむねたまぬき | 用材 | ミズキ 近年,ラムネが復活して,お祭りでも見かける。最近は玉抜きとは言わないで栓抜きと称しているようである。「玉抜き」では性転換,去勢を連想してしまうためか? |
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リム 自転車リム |
りむ | 用材 | 自転車リム。シデ,カエデ,ムクノキ等の曲木を用ふと雖も現今金属製「リム」流行の為大に其製作高を減ぜり【工藝】 | |
龍骨 | りゅうこつ | 語意 | りゅうこつ。竜骨。船底の中心部分を縦貫している力材。人間の背骨にあたり,船体構成の基礎となるもの。まぎりがわら。キール。 | |
龍骨 | りゅうこつ | 用材 | ケヤキの利用が知られている。 | |
龍笛 | りゅうてき | 語意 | りゅうてき。竜笛。雅楽の横笛の一。主に唐楽に用いられる。竹管に樺巻(かばまき)を施して作り,七個の指孔がある。太さと長さ(音高も)は神楽笛(かぐらぶえ)と高麗笛(こまぶえ)の中間。横笛(おうてき)((ようじよう))。竜鳴(りゆうめい)。竜吟(りゆうぎん)。【大辞林】 | |
蓮臺 (蓮台) |
れんだい | 語意 | れんだい。旅客を乗せて川をわたるのに用いる台。棒二本に板をわたし,人をその上に乗せ,数人でかつぐものなど。 | |
艪1 | ろ | 用材 | 艪にはイチイガシを用ふ弾力に富み水切れ善く漕手は労力少くして船の進行速なりシオジ及ヒノキは弾力あり水切れ善し近距離に用ふるものは弾力に富むを要せず故にアメリカマツを用ふ【工藝】 | |
艪2 | ろ | 用材 | 艪はイチイガシを以て作る材比較的軽くして海中に落すも必ず浮くによる【工藝】 | |
艪/櫓 | ろ | 語意 | 和船を漕(こ)ぐための道具。木製。全体が櫓腕(ろうで)と櫓脚(ろあし)からなる継ぎ櫓が一般的で,櫓腕先端にある櫓柄(ろづか)とその上部についている突起の櫓杆(ろづく)とを両手で握って漕ぎ,水中に入れた櫓脚で水を切るように練って船を進める。櫓脚にある入れ子という穴部を船にある小突起の櫓杭(ろぐい)(=櫓臍(ろべそ))にはめて支点とし,櫓腕にある櫓杆に櫓綱(ろづな)(=早緒(はやお))をかけて船床につないで漕ぎやすいようにしてある。西洋式の櫂(かい)よりも効率のよいすぐれた推進具。【大辞林】 | |
艪腕 | ろうで | 用材 | シイを用ふ軽くして強く手触り宜しき以て賞用せらる【工藝】 | |
轆轤 | ろくろ | 語意 | ろくろ。傘の柄の上部にとりつけて親骨の端をはめこむ小さな臼状の部品を「頭ろくろ」といい,手元側の子骨をはめ込む部品を「手元ろくろ」という。 | |
轆轤 | ろくろ | 用材 | 割れにくいエゴノキが使われた。現在でも岐阜特産の和傘では轆轤にはエゴノキ(地域名としては古名の「チシャノキ」の名称を使っている。標準和名でチシャノキは別種であるので紛らわしい。)を使っている。 | |
炉縁材 | ろぶちざい | 用材 | ろぶちざい。いろりの炉縁にはよくナシの木を使うが,これは「災い無し」という縁起からと,ナシの木が乾燥に強く,木目が美しいからである。【長澤】 | |
艪臍・艪頸 | ろべそ・ろくび | 用材 | ウバメガシは割れ難きを以て艪臍(ろべそ),艪頸(ろけい)に作らる【工藝】 | |
輪かんじき1 | わかんじき | 用材 | 各地で様々な材が使用されてきた。マンサク,マユミ、グミ、クロモジ、オオバクロモジ、リョウブ,ヤマボウシ、クマヤナギ、アブラチャン、オオカメノキ、ミズキ、エゴノキ、タケのほか、北海道ではヤマグワ、イタヤ、コクワ(サルナシ)、イチイ、タモが使用されたという。総じて、強靱で粘りのある材が利用されていることがわかる。 | |
輪かんじき2 | わかんじき | 用材 | 北海道では、(カンジキの材料は)コクワ、イタヤが多い。【北の生活文庫】 | |
輪かんじき3 | わかんじき | 用材 | アイヌは冬の狩猟の際は輪かんじきを使った。かんじきの材料はクワの木かコクワ(サルナシ)の蔓であった。【アイヌ民族誌】 | |
輪かんじき4 | わかんじき | 用材 | クネニ(イチイ)の細工のうまい人は、テシマ(かんじき)をこしらえて履いた。(織田ステノ)【アイヌと植物 樹木編:アイヌ民族博物館】 | |
輪かんじき5 | わかんじき | 用材 | 北海道ではヤマグワのカンジキ(輪カンジキ)は現在でも利用されている。かつてはカンジキの製作者として、渋谷吉尾氏、宮武良雄氏などの名前が知られていた。先住民族であるアイヌの木の知恵を継承しているとも解され、興味深い。(2012) | |
輪かんじき6 | わかんじき | 用材 | 登山用品としてのカンジキは、アルミパイプのほか、雪が付きにくい素材としてプラスティック、ナイロン樹脂の製品も見られる。 | |
和鞍 | わくら | 用材 | 鞍の材料はいろいろあるが,ミズナラやブナは折れやすく,その上腐りやすい。またエンジュは馬が鞍負けするので使われない。そこでイタヤカエデ,ヤマザクラ,桑,ヤナギなどが使われている。ヤマザクラや桑は長年使っていると艶が出てくる。またヤナギは弾力があるので,ヤナギの鞍をかけ,サンショウの腹帯をしめるのが馬にとって一番良いといわれてきた。なお,革製の洋鞍を日本で最初に入れたのは七代将軍吉宗だと言われている。【市川】 | |
和紙 | わし | 材料 | 主にガンピ(雁皮),コウゾ(楮),ミツマタ(三椏)を原料とする。 | |
綿打道具 | わたうちどうぐ | 語意 | 道具の組み立ては,弓,槌,口目引(くちめひき,へら),弦よりなる。弓の材料は飛州ヒノキに限られる。【工藝】→ 綿打ち弓 綿打ち弓:綿花を採った後に実と繊維を分けてその繊維をやわらかくほぐすために使っていた道具。弓の弦を槌で弾きながら,弦にからんだ綿を飛ばして綿打ちをする。 |
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割り箸 | わりばし | → 「箸(はし)」の項を参照 | ||
椀木地 | わんきじ | 用材 | ケヤキ,トチ,ミズメ,ブナなど。素地の見える拭き漆の椀には,とりわけケヤキが多用される。なお,近年中国産の漆塗り(多くは国内で丁寧に塗り直しているともいう。)の汁碗がシェアをのばしており,スーパーでは既に定位置を占めている。ケヤキのような木地が使われているが,樹種は未確認。価格は数百円で,純国産では不可能な価格である。(2003) |