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あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 らわ行

バイオリン ばいおりん 用材 表板はヨーロッパトウヒ(Norway Spruc)で、ルーマニア産が最高級とされてきた。(スイスや北部イタリアが最良ともいわれる。)裏板と側板はメイプル、具体的にはセイヨウカジカエデ(シカモアメイプル Sycamore maple)で、ユーゴスラビア産が最適とされる。ネックにもメイプルを使用する。指板は黒檀が普通。駒はメイプルのうち目の詰んだ、地の赤い材料が好まれる。魂柱はヨーロッパトウヒで、年輪幅が1ミリ以下のものが良材。糸巻き、テールピース、あご当ては材料を統一するのが一般的で、黒檀、ローズウッド、ボックスウッド(ツゲ)などの硬い木が用いられる。
【「ヴァイオリンを読む本」 ほか】
バイオリン・裏板,横板  ばいおりん  用材   カエデ(セイヨウカジカエデ、ノルウェイカエデ、サトウカエデ、イタヤカエデ)が使用される。
 カエデ(セイヨウカジカエデ)はバルカン材が最良とされ、高級品用に輸入される。バルカン材とはユーゴスラビアのダルマチア地方やボスニア地方のバルカン山地で産する木材で、質の良さから古くから楽器用だけでなく、多くの高級木製品に使われてきた。
 
バイオリン・弓(ボウ) ばいおりん 用材 弓は主としてペルナンブコ(ペルナンブーコ)材の反りのある棒に,脱色した馬の毛を張ったもの。【百科】
ペルナンブーコ(ブラジル木,パオ・ブラジルとも)が最良とされる。
杯盞 はいさん 語意 はいさん。両字ともさかずきの意。
パイスケ ぱいすけ 語意 竹などの籠を天秤棒に吊した運搬具。
灰筒 はいづづ 語意 刻みタバコの灰を落とし入れる筒。煙草盆に付属している。一服すると、煙管(きせる)の雁首を下向きにして、灰筒の縁を叩いて吸い殻を落とした。【日本民具辞典】
灰筒 はいづつ 用材 ほとんど静岡県の吐月峰(静岡市丸子付近の地。)の竹が使われ、火を消すために紫檀、黒柿などの蓋をした。【日本民具辞典】
灰吹台 はいふきだい 語意 灰吹(はいふき)=タバコ盆に付属した竹筒で,タバコの灰・吸い殻などを落とし込むもの。吐月峰(トゲツポウ)とも。【広辞苑 第四版】
灰吹 はいふき 用材 灰吹には苦竹を用ふ淡竹は火の為に割るる欠点あり【工藝】
灰吹台 はいふきだい 用材 苦竹根又は其他の部分にて作る【工藝】
灰吹台 はいふきふた 用材 苦竹の節又は根を横に使ふ【工藝】
はこ はこ 語意 【箱・函・筥・匣・筐】 材質・形状による使い分け。
箱/函/筥/匣/筐… はこ 語意 はこ(違いの説明例)
@箱:ものを入れるはこ。もっとも意味が広い。
A函:包むようにして入れるはこ。凾は旧字。
B筺:竹製のかご。
C匣:蓋がぴったり閉まるはこ。
D筥:丸い(大きい)竹製のかご。
E笥:蓋と身がぴったりくっつく竹製のはこ。
F箪:竹で編んだ丸い(小さな)容器。米櫃。
G盒:蓋付きの容器。四角い必要はない。
H篋:竹製のはこ。筆ばこのように挟む形のもの。
羽子板 はごいた 用材 キリ製を上等とし下等の安物にはマツ材又は時にモミ材を用ふ【工藝】
なお,羽根の黒い玉はムクロジの果実を使用し,これに代わるものはないと言われる。
箱宮 はこみや 語意 箱宮。神社の形を小さく作った,神棚に飾るもの。
箱筥 はこみや 用材 ヒノキ【工藝】
箸1・柳箸1 はし 用材 柳箸はミズキ,サワグルミ又はドロにて作る,ミズキは重も目,ドロは中目,サワグルミは軽目といふ【工藝】
箸2・柳箸2 はし 用材 ミズキは古来勝木(かつのき)といひ箸材として由縁あるものなり材質軟にして白く肌濃かにして粘りありスギより折れ難しサワグルミは材軟にして折れ易くキメはミズキに及ばず雑煮箸に限らる,ドロは軟に過ぎ用途はサワグルミと同一なり【工藝】
箸3・杉箸 はし 用材 杉箸はスギ,トウヒ,ツガ,モミ,シラベヒバ,アカマツ,ヒノキを以て作り其他エゾマツ,トドマツを用ふることあり東京にては一般に闊葉樹製を柳箸といひ針葉樹製を杉箸と称す【工藝】
箸4・割り箸 はし 用材 スギ,ヒノキ,エゾマツ,トドマツ,シナノキ,シラカバ,アスペン,メルクシマツ等
割箸としてのアスペン材の利用は,昭和末期より始まったもの。
箸5・祝い箸1 はし 用材 祝いの席では「割り箸」が仲を割くとして敬遠されることから,1本づつの祝い箸が使われる。両端を細くした両細,片方だけの片細がある。材質はミズキが最高とされるが,価格の安いアスペンで代用されることが多くなったという。【2003】
箸5・割り箸2 はし 用材 やなぎプロダクツ株式会社へ照会した結果は以下のとおり。(祝い箸を含む)
@白樺,竹−日常用 Aアスペン(ポプラ,白楊)−日常用,色が白いことから祝箸などにも利用 B本柳(ミズキ)−正月など祝い事用 C杉,桧(ひのき),エゾ松−来客用,高級和食店などで使用 【2003】
箸6 ・ 丸箸 はし 用材 黒,朱,小豆色などの一色塗りの丸箸は,インドネシア産ジェルトン材で,ほとんど丸棒の半製品で輸入され,これに塗りが加工されている。【1993 一色八郎】
箸7 ・ 塗り箸 はし 用材 近年、パプアニューギニア産のイイギリ科のマラスが広く利用されている。【2007】
箸倒 はしこかし 語意 What?
箸倒 はしこかし 用材 苦竹にて作る料理屋,寿司屋にて用ふ【工藝】
柱掛 はしらかけ 語意 はしらかけ。柱にかけて装飾とするもの。板・竹・陶器などでつくり,多くは書画を描いたもの。柱隠し。
鯊竿 はぜさお 語意 はぜざお。鯊は魚の「はぜ」。
パチンコ台盤面1 ぱちんこだい 用材 ブナ合板。パチンコ台用合板にはブナを使用する。ブナ合板の特徴としては,曲げ強さや硬さに優れているほか,釘の保持力が非常に強く,パチンコ台用合板として最適とされる。
パチンコ台盤面  ぱちんこだい  用材  近年、ブナの資源供給の先行き懸念から、ブナの合板に加えて、ブナと南洋材の複合タイプの合板やアクリル板も利用されているという。
なお、パチンコ台用合板は、沿革的に19ミリ厚のものが使用されている(中部特殊合板株式会社)という。 
八足案 はっそくあん 語意 祭祀に用いる机(台)で,幣帛・神饌・玉串等を載せる。普通,桧の素木で作り、脚は合わせて八脚あることからこの名前がある。八足の机(はっそくのつくえ,やつあしのつくえ)
バット1 ばっと 用材 アメリカでは昔からバット用材には適度に重くて強く,粘りのあるモクセイ科のホワイトアッシュ(アメリカトネリコ),オレゴントネリコやヒッコリー,サトウカエデなどを使っている。日本では同じモクセイ科のトネリコ,アオダモ,ヤチダモなどが使われた。
バット2 ばっと 用材 ヤチダモの使用に関してスポーツ用品メーカーのミズノに照会したところ以下の回答を得た。
「以前は軟式用バットに(ヤチダモを)使用していました 。 但し、表面が他の素材に比べ弱い<剥がれ易い為、現在、弊社においては 使用いたしておりません。」【2005】
バット3 ばっと 用材 かつてホームラン数の世界新記録を打ち立てた王貞治選手のバットはヤチダモの辺材から採り、これにプラスティックを加圧注入した、いわゆる圧縮バットで、その原材料は72ミリ角の長さ約90センチの製材で、日高地方で生産されていた。特に生長の良い若いヤチダモに辺材の広いものがあり、それから採った72ミリ角の木口の年輪数が16程度のものが出ると、生産者は王選手用として別にし、松戸のバット加工工場に送ったという。辺材が使われたのは心材よりもプラスティックの注入がしやすいからで、またこの年輪数は平均年輪幅にして4.5ミリで、容積蜜度数が最も高いところに相当する。【宮島寛:木材を知る本(北方林業会)】
バット4 ばっと 用材 硬式木製バットの素材としては、アオダモ、ホワイトアッシュ、メープルが使用されている。その他竹及び竹と木材の複合材も見られる。【2005】
バット5 ばっと 用材 イチローは大リーグ初年度の2001年には日本で使っていたアオダモからから米国産のホワイトアッシュ(アメリカトネリコ)に変更したが,翌2002年からは従前のアオダモに戻したという。
一方、松井はメープルを使ったという。
バット6 ばっと 用材 バットとしてはフジキ(アオダモの異称)を最可とす【工藝】
バット及ラケットフレームは強靱にして狂はざるフジキを用ふ【工藝】
バット7   ばっと  用材  ノックバット(ノック用バット)としては、従前からホオノキが使用されてきた。軽くてコントロールしやすいことが理由となっている。 
把柄材 はへいざい 語意 はへいざい。把柄(はへい)= 握り柄。銃床,天秤棒農具,伐木器具,杖,傘柄等幅広に包含する言葉。
羽目 はめ 語意 板をその幅方向につないで張った壁の張り方。実矧(さねは)ぎ,合决(あいじゃく)りなどによって平坦に仕上げられる。床面より1m程度のものを腰羽目,それより高いものを高羽目といい,横に張るものを横羽目,竪に張るものを竪羽目という。【建事典】
早桶 はやおけ 語意 〔手早く作ることから〕粗末な円筒形の棺桶(かんおけ)。
腹星 はらぼし 用材 サワラ
腹星 はらぼし 語意 はらぼし。腹星とは樽に呑口を附けたる跡の孔を塞ぐ為に用ふ 酒樽又は醤油樽の明樽の呑口孔を埋むるに用ひ又酒配達徳利の栓となす【工藝】
はり 用材 長い経験から,アカマツの育つ平野部ではアカマツが主として使われている。
張板1 はりいた 用材 カツラが最高で,これが入手できないときはホオノキやヤナギ,サワグルミなどを使った。
張板2 はりいた 用材 カツラを最上としサワラ之に亞ぐ。ホオノキは狂ひを生ず【工藝】
張板3 はりいた 用材 カツラを上等としサワラを下等とすホオノキは狂うを以て使用せずカツラ製の張板張り物剥し良しサワラは其軽きを長所とす【工藝】
張板 はりいた 語意 洗った布や漉(す)いた紙などを張って乾かすための板。よごれた着物や布団はほどいて布に戻し,洗って水に溶いたふのりをつけ、布の表を外にして,張り板に刷毛で押さえながら布の目をそろえて張っていく。夏の間に洗い張りをして,秋になってから仕立て直した。
貼木練心 はりきねりじん 語意 練心はフラッシュ構造の芯となる桟。
半襟箱 はんえりばこ 語意 和装小物収納用の小引出。幅二尺,高さ八寸二分,奥行き六寸六分ほどで,横割り二杯引出,天板隅丸が典型。昨今は箪笥,小箪笥類の中に組み込まれてしまった。【関】
半襟とは掛け襟の一種で,襦袢の襟の上に掛けて装飾とするもの。現今は特に女子用のものをいう。そぎえり。【広辞苑】
盤覆 ばんおおい 語意 盤被とも。碁盤,将棋盤の表面を保護する蓋。盤被より盤覆の語の方が一般的。
盤覆 ばんおおい 用材 桐を使用。なお,碁笥を保護する桐製の碁笥箱も市販されている。
版木1 はんぎ1 用材 古来サクラ材を最良とした。浮世絵版画では髪の毛等の精密な彫りをする部分にはツゲを使用したという。
版木2 はんぎ2 用材 ヨーロッパで最古とされる版木はウォルナット材(クルミ科)であるが、多く用いられたのはシカモア(セイヨウカジカエデ)やメイプル(注:カエデ属のうち何を指しているのか不明)、あるいはライム材(シナノキ科)であった。最高に優れているのはボックス(セイヨウツゲ)であるが、大径材が得られないため、数枚を継ぎ足して使用された。【世界の木工文化図鑑】
盤木 ばんぎ 語意 ばんぎ。@船を建造する際,船底の諸所に入れて船体を支え,進水時に取り外す太い材。A木馬(きうま)のすべりを良くするため搬出路に枕木状に敷き並べる小丸太。B舞台道具で厚い木の板を下げて撞木(しゅもく)で打つもの。
盤木 ばんぎ 用材 ケヤキ板を用ひ之を打ちて休憩時又は食事を報ずるの用に供す【工藝】
判子の木 はんこのき 用材 マユミ,ニシキギは木目がなくて軟らかい木なので,昔から判子を作るのに用いた。
語意 ひ。機織りの道具の一つ。緯糸(よこいと)を巻いた管を中に入れ、緯糸を出しながら、そろえて張ってある経糸(たていと)の間をくぐらせる小さい舟形のもの。シャットル。
杼/梭 語意 ひ。梭は「かび」とも。織機の部品の一。緯(よこ)糸を通す用具。かい。シャトル。
杼・梭 語意 織機の付属具の一。製織の際,緯(よこ)糸を通す操作に用いるもの。木または金属製で舟形に造ったものの両端に,金属・皮革などをかぶせ,胴部に緯管(よこくだ)を保持する空所があり,一側にうがった目から糸が引き出され,経(たて)糸の中をくぐらせる。さす。さい。シャットル。
ピアノ響板 ぴあの 用材 ヨーロッパトウヒ。日本では,主にアカエヅマツ,スプルース(シトカトウヒ)を使う。ルーマニア産のヨーロッパトウヒに対する伝説的評価がある。
引出し・抽出し・抽斗 ひきだし 語意 ひきだし
引出し・抽出し・抽斗 ひきだし 用材 カツラは引き出しの側板として定評があったが現在ではあまり見られなくなった。アガチス,ハンノキ,ジェルトンも利用される。
抽出・撮み ひきだしつまみ 語意 抽出(ひきだし):引出,抽斗とも書く。撮み:ツマミ。
ひご 語意 ひご。竹を細く割って,削ったもの。ちょうちん・模型飛行機などを作るのに用いる。竹ひご。【参考】「くじ」も同字。なお,「くじ」は,籤又は籖。
柄杓 ひしゃく 語意 (ヒサコ(瓠)の転。のち,シャクは「杓」の音から出たもののように誤られた)湯・水などを汲みとる具。竹・木・金属などでつくり柄をつけたもの。しゃく。ひさく。【広辞苑】
柄杓 ひしゃく 用材 曲げ物と竹製がある。アルミが主流となった。
篳篥 ひちりき 語意 ひちりき。雅楽の管楽器。複簧(ふくこう)を用い,長さ六寸(約18センチメートル)の竹管に,樺(かば)の皮を巻いてある。前面に七つ,後面に二つの指孔があり,縦にして吹く。音量は豊かで,音色は哀調を帯びる。奈良初期に中国より伝来。
篳篥 ひちりき 用材 煤竹にて作り櫨(ハゼ)にて作りたる舌を挿入す【工藝】
火縄1 ひなわ 用材 ヒノキやスギの内皮をよく叩き,縄にしたものが火縄で,火縄銃にはなくてはならないものだったほか,山仕事で火をちょくちょく必要とするときにも用いた。【長澤】
火縄2 ひなわ 用材 ヤマブドウの皮,サルナシの靱皮の繊維,シラカバの樹皮等の例が見られた。【深津】
火縄3 ひなわ 用材 鉄砲用の火縄としては,普通竹(ジャワ原産のホウライチク)の肉をたたいて繊維をほぐし,縄のようにない,硝石を浸み込ませてこれを作ったが,竹の代わりに木綿糸を用いたものもあり,中にはヒノキやアスナロの皮を材料にした上等の火縄もあったようである。竹火縄が足軽用であったのに対し,ヒノキの火縄は出来量が少ないため身分の上のものがこれを使用したという。また,木綿火縄が消えやすいのに対して,ヒノキの火縄は消えないのを特徴としたとも言う。【深津】
火縄4 ひなわ 素材 火縄の最上の材料はイチビ(インド原産の帰化植物。アオイ科草本。)の皮の繊維から作られたものとわれている。【井波】
檜縄1 ひのきなわ 語意 ヒノキを細かく割きて綯(よ)りたるものの細きものは鵜飼の縄に用い,又数条合して綱となし桴筏及船舶を繋ぐに用いこれを檜縄と云ふ。【効用編】
檜縄2 ひのきなわ 語意 ヒノキ縄は水を弾き永く水中に入りて柔軟とならざるを以て錨縄となす又は鵜縄となすに綱捌(さば)き容易なりといふ【工藝】
檜縄3 ひのきなわ 語意 [和歌山県内地場消費の例]概ね筏,船舶を繋ぐに用ひ又倉壁のえつりにも用ふしくり綱は大藁縄に比し約四倍の耐久力ありといふ【工藝】
桧紐1(ひのきひも) ひのきひも 語意 桧紐は元来シゴキといって奈良県桜井市で生産され,帽子の材料などに輸出されていたが,大正の末年から昭和の初期にかけて輸出が不振になってきたので,組合幹部の永田量一,宮本定親等が奔走した結果,新たに食品包装用の経木の「ゆわえひも」として新販路が開けたものである。【田中】
桧紐2 ひのきひも 語意 桧紐を丈夫に削るためには,長さ三尺六寸(1.09メートル)の背板を斜めに立て,年輪を直角にならないように角度をかえながら削る。これは直角になると「マン柾」といって切れやすいので斜めにして「追柾」に削る。0.06ミリくらいの厚味で1.09メートルを片薄にならないように一気に引くので,熟練を要する。【田中】
桧紐3 ひのきひも 語意 和歌山県伊都郡高野町富貴では現在でも多少生産は続けられている。(注:2000年時点でも生産量あり。)大正時代の桧シゴキの製造に始まり,桧紐は桜井町の技術を学び,桜井町が生産をやめてからは材料の背板を桜井町から買い入れて使用した。【田中】
火鉢・角火鉢 ひばち 用材 角火鉢の最上はクワ,エンジュ,紫檀,黒檀,鐵刀木,クロガキ,キリ,サクラ,下等品はセン,シオジ,クリを用ひシオジはセンより狂ひ少し【工藝】
火鉢・胴丸火鉢 ひばち 語意 桐胴丸火鉢は火鉢中の最も上品なるものなり【工藝】
桐胴丸火鉢日本式客間に使用せらるる高尚なる家具にして多くは上流社会に行はれ価格低廉ならず其製作数多からず【工藝】
火鉢・胴丸火鉢2 ひばち 用材 奥州産のキリを上等品とす材に脂気ありて樹液(あく)少なし奥州に次ぎ越後産を可とす質硬くして木理細く現る東京近傍にては秩父のキリを可とす 桐胴丸火鉢の特等とする所は火に焼けざるとささくれを生じざることなり【工藝】
火鉢・胴丸火鉢3 ひばち 用材 桐の火鉢と称するものにサワグルミを用いたものが多い。【昭和50 成田】
火鉢・長火鉢 ひばち 用材 ケヤキ如輪杢を一等とすシオジ,センノキ,クリ,キリを用ふ縁はクロガキ,紫檀,黒檀を用ふ染めはホオノキを用ふ引出はキリを上とし次はサワラ次はスギ下等はモミなり【工藝】
表札 ひょうさつ 用材 木製の表札としてはヒノキ(特に木曽ヒノキが好まれる)とケヤキが一般的で、そのほかイチイや各種広葉樹材もしばしば見かける。ヒノキの素地に墨書したものは、古くなると地が痩せるのに対して文字部分は痩せないため、結果として文字が相対的に浮き上がって風格を増す。
平塔婆 ひらとうば 用材 平塔婆にありてはモミを用ふ【工藝】
ビリヤード
キュースティック
 
びりやーど
きゅーすてぃっく
用材  一般にハードメープルが使用されている。 
琵琶1 びわ 用材 琵琶胴及頭(鳳尾)にはホオノキ,カツラ,サクラ,クワ,カエデ,カリン,紫檀。表板にはキリ柾。糸掛には紫檀,カリン,竹。親律には牛骨,象牙。糸巻にはツゲ,黒檀,ツバキを用ふ。【工藝】
琵琶2 びわ 用材 薩摩琵琶胴にはクワ,ケヤキ,サクラ,ホオノキ,シオジ,カツラ,ハザクラ,シウリ。腹板にはクワ,ケヤキ,サクラ,ヤチダモ,シオジ。副柱,糸巻,天神にはクワを用ひ柱はホオノキに限る。【工藝】
琵琶3 びわ 用材 筑前琵琶胴及頭にはクワ,カリン,エンジュ,センダン,サクラ,ケヤキを用ふ就中クワを上等とすセンダンは軽くして木素直なるを以て筑前にては多く之を用ふ,腹板はキリの柾目板に限る,副柱には紫檀,紅木,鐵刀木,クワ用ひ,糸巻にはクワ,ツバキ,ツゲ,黒檀を用ふ【工藝】
拍板 びんささら 語意 びんささら。編木とも。田楽(でんがく)などに用いる楽器。数十枚の札状の小さな板をつづり合わせたもの。両端の取っ手を握って動かすと,板同士が打ち合って音が鳴る。ささら。ささらぎ
「はくはん」と読む場合は,中国の打楽器の一。【大辞林】
吹子1 ふいご 用材 箱⇒スギ糸柾,押棒,撞木(しゅもく・しもく)⇒シラカシ,羽口⇒キリ,皮吹子の腹⇒ケヤキ
吹子2 ふいご 用材 吹子はスギ柾の薄板を以て作るヒノキよりも強しといふ【工藝】
房芯 ふさしん 用材 エゴノキ【工藝】
房芯1
[装飾品]
ふさしん 語意 房心とも。房の芯。房にはその房頭のタイプから,芯なし,木芯,紙芯等があり,木芯は木製の芯を素材の糸で被せた房。
房芯2 ふさしん 語意 [例]:窓掛括り房心,簪の房心,翠簾の房心,袈裟房心,連隊旗及優勝旗の房心,佐官飾帯の房心,電気飾房心,被布房心,軍刀房心,肩章房心,洋傘房心,寝台房心,レース房心,馬車房心,汽車房心【工藝】 
*カーテンタッセルの房芯
にも木製の旋作した芯が利用されている。
襖の引手 ふすまのききて 用材 ハゼの心材は美なる黄色をなすが故に之を黄金木と評し定規,紙切,筆立,筆軸,襖引手,掛物軸,引出撮み,土瓶敷,小皿等となす【工藝】
襖の縁 ふすまのふち 用材 襖の縁として白木としてはスギの赤身を用ひ塗りとしてはヒノキを用ふ【工藝】
襖の骨 ふすまのほね 用材 屏風又は襖の骨はキリを最上としサワラ,スギ,モミを普通とす【工藝】
仏像 ぶつぞう 用材 大なる仏像はヒノキ及ヒメコマツを用ひちぎり?を以て各部を結合し木表を表面にして彫刻し布を被せ漆塗となす小なる仏像はセンダン,白檀,沈香の如き唐木及和白檀と称してネズミサシを用ふ何れも白木のままにて塗飾を加えず又小仏像にして塗り下となすものはヒノキ,ホオノキ,カヤ,ヒメコマツを用ひ特に彫刻緻密のものにはホオノキを用ふ【工藝】
船棹 ふなざお 語意 ふなざお。船を動かす(あやつる)のに用いるさお。
船棹 ふなざお 用材 船棹筏棹にはスギ及びアテ(能登)の12,3年生の間伐材を用ふ【工藝】
ブラシ木地1 ぶらしきじ 用材 ブラシ木地としてサクラは賞用せらるるも水に逢へば狂ふが故に紡績用ブラシの如き又は紺屋洗刷毛(あらいばけ)の如き断えず水に触るるところに使用せらるるものには用ひられず斯る場合にはブナを用ふ【工藝】
ブラシ木地2 ぶらしきじ 用材 ブラシ木地は蓋と身とに分たれ蓋身同材なるあり蓋には装飾的用材を用ふるあり又蓋なくして身のみなるものあり蓋はアララギ,カツラ,セン,ケヤキ,シオジ,サクラ,トチ,モミジ,クロガキ,紫檀,黒檀,鐵刀木,タマグス,ホオノキ,クワ,アカガシ,花櫚,モンテン,ツバキ等 身はカツラ,サクラ,タマグス,ホオノキ,シウリ,ブナ,ミズキ,エゴ,ハンノキ等 蓋なし木地はシラカシ,ブナ,シウリ,ホオノキ,タケ等 棒状木地はシラカシ 以上サクラと称するは主にハザクラ(オノオレカンバ)を用ふ【工藝】
ブラシ木地3
ボディブラシの木地
 
ぶらしきじ  用材  たえず水濡れにさらされる浴用のボディブラシの木地(柄部も一体)にはブナが一般に使用されていて、輸入品にあっても同様である。一部にヒノキを使用している例も見る。 
風呂桶 ふろおけ 用材 ヒノキ,ヒバ,サワラ,コウヤマキが一般的。
風呂桶 ふろおけ 用材 風呂桶はスギ,ヒノキ,サワラ,ヒバ,マキ(イヌマキ,クサマキ),コウヤマキ,カヤ,ネズミサシ,マツ等を用ふ就中ヒノキ,コウヤマキを上等とし関東にてはヒノキ,関西にてはコウヤマキを用ふるが如しカヤ及ネズミサシは上等品にして稀に用ひらるるのみ【工藝】
文匣 ぶんこう 語意 ぶんこう。草紙箱と同じように文書を入れる箱の一つ。
幣案 へいあん 語意 神前の机  cf.「机案」の「机」,「案」ともにつくえの意。
平行棒 へいこうぼう 用材 シラカシ。なお,アカガシについては報告がない。これはたぶん色が好まれないためだろう。【須藤彰司】
扮板 へぎいた 語意 へぎいた。かつては手で割った薄くて長い柾目の板。
扮板 へぎいた 用材 サワラのほか、スギ、ヒノキ、キリも使用される。数寄屋建築や茶室の網代天井として利用される。
へぎそばのへぎ  へぎそばのへぎ  語意  「へぎ」(剥ぎ板に由来する盛箱)に盛りつけて供されるそばがへぎそばであるが、新潟県魚沼地方発祥の布海苔をつなぎとしたそば自体もへぎそばと呼んでいる。複数の人数分を大型のへぎに盛るのが一般的。山形県では同様の盛箱に盛りつけたそばは、板そばと呼んでいる。いすれも杉材は盛箱の典型的な用材と思われる。 
へら 用材 箆には苦竹及孟宗竹を用ふ【工藝】
箆台 へらだい 語意 へらだい。裁縫で,へらつけをする時,布をのせる台。
箒(ほうき) ほうき 用材 以下は「箒木」又は「箒の木」の地方名が見られる。
コマユミ,マユミ,リョウブ,コウヤボウキ,コゴメウツギ,ツクバネウツギ,ホツツジ  【長澤】
鳳笙 ほうしょう 語意 ほうしょう。笙の美称。鳳管。
鳳笙 ほうしょう 用材 煤竹,焼竹,煮竹(色附)白竹等十七本をキリにて作りたる椀に植立す【工藝】
紡績用木管 ぼうせきようもっかん 用材 ブナは紡績用木管として重量の具合宜し【工藝】
紡績用木管2 ぼうせきようもっかん 用材 精紡木管は回転数多くして木材の狂ひにより其中心を失ふを恐るを以てサクラ,ミズメの如き狂ひの少き木材を用ふ其他一般の木管にはブナを用ふ中空となす為に狂ひ少し【工藝】
紡績用木管 ぼうせきようもっかん 語意 紡績機械で,糸を巻き取るのに用いる管。
方杖 ほうづえ 語意 ほうづえ。建築で,垂直材と水平材が交わる角に補強のために入れる短い斜材。頬杖
鳳尾琴 ほうびきん 用材 鳳尾琴はキリ,其糸枕及龍角はサクラ,カリン,紫檀。糸巻には紫檀,鹿角,象牙。駒には紫檀,ツゲを用ふ【工藝】
鬼灯白 ほおづきじろ 語意 ほおづきじろ。北山スギの種類の一。外に本白(ホンジロ),峯山白(ミネヤマジロ),柴原(しばはら)の四種に分類。【工藝より】
木刀 ぼくとう 用材 普及品はアカガシ,シラカシ,ビワなどがある。ヒイラギ製は重く硬堅で,しかも肌目が緻密なので高級品に入る。極上品はイスノキのスヌケ。
木履 ぼくり 語意 ぼくり,ぽくり,ぽっくり,きぐつ。
ホダ木 ほだぎ 用材 ◎ナラ,◎クヌギ,シデ類,クリ,シイ,カシ
ぼたん 用材 一定の硬さを持つ緻密な材が使用される。唐木はもとより色合いの多様な輸入材の製品を見かける。
木剣 ぼっけん 用材 木剣は加持祈祷用にしてヒイラギを用ふ【工藝】
拂子 ほっす 語意 拂=払。〔「ほっ」「す」共に唐音〕もとインドで,虫や塵(ちり)を払うための具。獣毛や麻などを束ねて柄をつけたもの。後世,中国・日本で僧が説法などで威儀を正すために用いる法具。真宗以外の各派で用いる。【大辞林】
拂子 ほっす 用材 払子は柄は紫檀又はクワにして塗下にはカシ又は竹を用ふ毛は馬の鬢(びん)又は「ハグマ」(支那に産する犂牛といふ牛に似たる獣の尾,馬の尾よりも細く白し)の毛を用ふ【工藝】
ほばしら 語意 ほばしら(帆柱)。音は「しょう」。帆を張るために船に立てる柱。マスト。
檣棹(ショウカン):ほばしら・マスト
ほばしら 用材 スギ【工藝】
盆 ・丸盆 ぼん ・まるぼん 用材  挽物としての丸盆の用材はケヤキとトチノキが最も広く利用されている。地域的な素材として屋久杉、イチイ等を見る。いずれも美しい杢が見られるものは評価が高く、価格もそれに応じたものとなっている。