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木の知恵 適材適所 木の利用曼陀羅〜歴史と現在 |
あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 | は行 | ま行 | や行 | らわ行 |
アーチェリー | あーちぇりー | 用材 | 木製の弓には,ヨーロッパイチイ,太平洋イチイ,ヒッコリー,レモンウッド,アメリカハリグワなどが伝統的に使われているという。現在では競技用のアーチェリーの弓(バウ)のハンドルは金属,上下のリムはカーボンと化し,スキー板と同じ道を歩んで来たようである。なお,楽器の製作で培った優れた木材加工技術を有するヤマハが従前アーチェリーを製作し国内での普及にも貢献してきたが,残念ながら2002年に完全撤退してしまった。 | |
アイスクリームスティック、木さじ | あいすくりーむすてぃっく、きさじ | 用材 | アイスクリーム用スティック 、木さじの材料は、白樺材です。 白樺は、長野県、北海道でよく見られますが、 日本では、少なくなってきていますので、最近は 中国産の白樺が多くなってきています。 白樺は、木材自身の風味がほとんどなく、 色の変色も少なく、価格も比較的安価であることから、白樺が使われています。【2005 社団法人日本アイスクリーム協会の回答】 | |
赤福餅のへら(木べら) 赤福餅のさじ |
あかふくのきべら | 用材 | シラカンバ(白樺)。かつては本店では木製、その他では樹脂製であったとも聞く。そこで、直接聞いたところ、平成16年4月からすべてシラカンバ製のへら(さじ)に変更になったとのことである。したがって、現在では、どこで購入しても、すべて木製(シラカンバ)のへら(さじ)が使用れていて、プラスチック製は使用していないそうである。(2007.6照会・確認) | |
揚板 | あげいた | 語意 | @床下を物入れなどに使うため,自由に取りはずせるようにした床板。上げ蓋(ぶた)。 A風呂場などの,コンクリートの床の上に置く板。すのこ。 B劇場の,舞台と花道とが合う部分の左右の板敷き。【大辞林】 | |
揚板 | あげいた | 語意 | 板庇の板,揚板,橋板等は木裏を上端(うわば)とす【工藝】 | |
浮子 | あば | 語意 | 網端(あば)とも。あんば,うき。漁網の縁辺部につけ,水面に浮せる浮き。木・ガラス・プラスチックで,中空の球・樽形など。 *釣り用の場合は「うき」と読む。 |
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浮子 | あば | 語意 | 浮子には漁網の上縁に着けて網を水中に浮ばしむる為のものと釣糸に附けて釣魚の時用ふるものとあり漁網に着けるものは網端(あば)と称するを普通としあんば,たが,うきこなどともいふ 【工藝】 | |
浮子 | あば | 用材 | ・キリ,サワラ,ヒノキ,マキ,ホオノキ,キハダ皮,コルク,トドマツは小形の浮子に用ひ何れも主として海面に浮泛(ふはん)せる部分に用ひらるキリは全国を通じて用ひらる ・釣魚用の浮子はキリ及ヒノキを用ふるもヒノキを主とす是れキリは製作上ヒノキより手数を要すればなり ・コルクにして廉価に之を使用することを得ば之に勝るものなかるべきなり (注)この時代はコルクが高価であったことを背景とした記述【工藝】 |
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亜鈴 (アレイ) |
あれい | 語意 | ダンベル(dumbell)の訳語。 | |
亜鈴 (アレイ) |
あれい | 用材 | 亜鈴及棍棒にはハザクラ,サクラ,ブナを用ふ【工藝】 | |
按摩笛 | あんまぶえ | 語意 | 按摩笛は江戸の中期頃から使われたという。長い男笛(おぶえ)と短い女笛(めぶえ)があった。 | |
按摩笛 | あんまぶえ | 用材 | 按摩笛,芝居用鈴虫笛,河鹿笛,赤子笛等には篠竹を用ふ【工藝】 | |
筏棹 | いかだざお | 語意 | いかだをあやつるのに用いる棹(さお)。 | |
筏棹 | いかだざお | 用材 | 「船棹」を参照。 | |
筏のネジ木 | イカダノネジキ | 用材 | 紀州新宮に流下する筏を編製するには捩木(ねじき)と称しホウソ(ナラ)カシ其他各種闊葉樹の根芽切り取り生木のまま使用す【工藝】 | |
錨縄 | いかりなわ | 用材 | ヒノキ縄,マツ縄。→ それぞれを参照 | |
衣桁 | いこう | 語意 | 着物などをかけて置く家具。普通,高さ五尺一寸,片面の幅二尺三寸くらい,二面の折りたたみ式。柱は角か丸,時に六角など。元来,長い着物を上段に,袴や小物などは下段にかける昔の名残が今に生きている。【関ほか】 | |
衣桁 | いこう | 用材 | ケヤキ,キハダ,カツラ,クワ,塗り物,鎌倉彫風のものなどがある。呉服の展示に使用される大型の「御殿衣桁」と言われる類は,ヒノキ,カツラ,ホオなど。【関】 | |
椅子の褥(しとね)用 | いすのしとね | 語意 | 褥(しとね)=敷物。座布団・敷き布団の類。針葉樹の木毛。 | |
板子 | いたご | 語意 | @和船の底に敷く揚げ板。 A江戸時代の材種の一。主にヒノキ・スギ・ケヤキなどの,厚く挽(ひ)いた板。挽き割って天井板や建具材料とする。【大辞林】 | |
板庇 | いたびさし | 語意 | 板廂。板日指し。板で葺(ふ)いたひさし。 板庇の板,揚板,橋板等は木裏を上端(うわば)とす【工藝】 |
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板屋根材 | いたやねざい | 用材 | 割りやすく腐りにくいナラ,クリ,サワラなどが一般的だった。標高の高いところでは,腐りにくく,手に入りやすいクロベ(ネズコ),トウヒなどが使われ,これらが入手しがたい里では腐れには弱いが入手しやすいスギ板が主として用いられた。【長澤】 | |
銀杏車 | いちょうぐるま | 用材 | 土工用にして車輪にはケヤキ枠はカシを用ふ安物にはケヤキ,ムク,エノキ,ソロを用ふ【工藝】 | |
井戸側 | いどがわ | 語意 | 井戸の周囲の囲い。井戸の側壁の土石がくずれ落ちるのを防ぎ,また危険を防止するため,その周囲をかこったもの。井筒(いづつ)。 | |
井戸車 | いどぐるま | 語意 | くるまつるべの滑車 | |
井戸車 | いどぐるま | 用材 | 枠及車共ケヤキにて作るカシは水湿に対し弱きを以てケヤキを用ふるなり【工藝】 | |
井戸喞筒 | いどそくとう | 語意 | 喞筒(そくとう,しょくとう)はポンプ | |
井戸喞筒 | いどそくとう | 用材 | 柱,押棒,棚板はケヤキ,シオジ,センノキ,樋はヒノキ,カツラ,矢の棒はマツ,モミ,ヒノキ【工藝】 | |
稻扱台木 | いねこきだいぎ | 語意 | いねこき=稲の籾(もみ)を稲穂からこき落とすこと。また,その器具。いなこき。脱穀。 | |
稻扱台木 | いねこきだいぎ | 用材 | アカマツは廉にして材質堅靱丈夫なる為め最適当なり【工藝】 | |
稻扱台木2 | いねこきだいぎ | 語意 | 稲扱は稲又麦の結実を穂より扱き採る収納用農具の一種にして扱歯,台木及桟(又は押木[オサエギ])よりなる扱歯は鐵製の板又は丸棒の串にして長さ一尺之を適当の間隔に台木に釘止めになす 稲扱は伯耆国蔵吉を本場とす【工藝】 | |
位牌 | いはい | 用材 | 位牌はヒノキ,ヒメコマツ,ホオノキを用ふ,ヒノキを上等品とすヒメコマツは彫刻容易なるも漆塗として所謂痩を生ずホオノキは材質他に比して堅き故ヒノキよりも彫刻に適せり故に緻密なる部分にはホオノキを用ふ【工藝】 | |
疣皮 | いぼかわ | 語意 | いぼかわ。樹木の病変の一。いぼ皮病。 | |
芋洗い棒 | いもあらいぼう | 用材 | 黒松。一カ所から五本の枝が放射状に出るので攪拌効果よし[会津]【諸岡】 | |
イモヅチ | いもづち | 用材 | いもづち。金工用の(先端が細くなった)鎚(槌)。鐵葉屋用にして頭は長き切頂円錐体状にして其の細き方の先端を丸くし之れに断面長方形の柄を挿入したるものなり頭はシラカシ,柄はヒノキを用ひ断面長方形をなす【工藝】 | |
鋳物木型 | いものきがた | 用材 | 歯輪(しりん=歯車)其他微細なる處はホオノキを用ふ【工藝】 | |
假歯 (仮歯) |
いれば | 用材 | いれば。假=仮。義歯。古来ツゲを用ふ【工藝】 | |
印判 | いんばん | 用材 | 伊豆三宅島及御蔵島産のツゲを用ひ其木口に彫刻す薩摩産のツゲは木理疎にして材質平等ならず東京にては之を使用せず【工藝】 | |
臼と杵1 | うすときね | 用材 | 臼には長期間乾燥させておいてもひび割れのできない木が要求され,このような条件に合う木としてよく使われるのがミズメ,アズサ(ヨグソミネバリ),ケヤキ,トチノキがなどである。杵は,一般的には重量のある堅木で粘り気のあるケヤキ,ヤマボウシ,イタヤカエデ,ハルニレなどが使われている。岐阜県の高根・朝日村地方では,餅が杵に付かない木として軽いサルナシが使われている。【長澤】(注)一般にヨグソミネバリはミズメを指すと言われているが、文中で両名称を使用しているココロは不明。 | |
臼と杵2 | うすときね | 用材 | 臼は米搗(こめつき)用にはアカマツを用ふ白米に光沢を生せしむ餅搗(もちつき)用にはケヤキを用ふ杵にはシラカシ,ケヤキ,ミズメ等を用ふ【工藝】 | |
臼と杵3 | うすときね | 用材 | 臼にはケヤキ,アカマツ及クロマツを用ふマツ臼は水車及米屋にて用ひケヤキ臼は餅を舂(つ→搗)くに用ひらる手附杵の下等品はマツの心持丸太を用ひ之れにカシの柄を附す上等品はアカガシの心持材にシラカシの柄を附す又カシの代りにケヤキを用ふ【工藝】 | |
臼と杵4 | うすときね | 用材 | マツ臼にて舂きたる白米は光沢ありと称せらる而してクロマツとアカマツとを比するにアカマツを可とす【工藝】 | |
壟歯1 | うすば | 用材 | うすば。壟歯は土づるす又「トウス」と称するものの歯として植立するものにしてカシ及クヌギを割りて作る農具【工藝】 | |
壟歯2 | うすば | 用材 | うすば。アカガシを最上とし或はクヌギを用ふ近来カシの代用としてコナラを用ふるものあり以前淡竹を用ひたりしが質硬きに過ぎ米粒を破砕するを以て今は用ひず【工藝】 | |
打台 | うちだい | 語意 | 飾屋,足袋屋,靴屋,革屋,麻裏屋,針屋,下駄屋,紺屋,形附屋,洗張屋,料理屋,海苔屋,漬物屋,帳面屋,鍛冶屋,ブリキ屋,胴鍋屋,メンコ屋,薬屋,薪屋,封筒屋,弓矢師,面師,籐細工屋,下駄の歯入屋等其用途多し【工藝】 | |
打台 | うちだい | 用材 | ケヤキ,マツ,カシにしてケヤキを用ふるを普通とすマツ及カシは薬種屋にて用ふ材質は割れざるを要す河岸に生長せるケヤキは割るるを以て打台に適せず【工藝】 | |
団扇竹 | うちわたけ | 用材 | 房州竹は材質強靱にして割り易きを以て団扇竹として賞用す【工藝】 | |
ウッドデッキ | うっどでっき | 用材 | ベイスギ(米国)のほか,南方系の耐久性のある硬質の広葉樹であるジャラ(オーストラリア),イペ(中南米),セランガンバツ(東南アジア),グリーンハート(ブラジル),ボンゴシ(アフリカ),ウリン(東南アジア),パープルハート(ブラジル)等が使用されている。(2003) | |
柄01 | え | 語意 | 十能の柄:木材は熱の不導体にして金属の如く甚しく冷却することもなく又熱せらるることもなし故に・・十能(炭火を載せて運んだり,火を掻き熾(おこ)したり灰を掻き出すために使う柄のついた器またはスコップ。【大辞林】)の柄等凡て熱せらるる道具には必ず木材を使用せざる能はず【工藝】 | |
柄02 | え | 用材 | 道具の柄殊に農具及土工具の柄,棹秤等は皆挫折せざるを要するを以てシラカシを賞用すイタヤカエデ,ブナ等をこれに代用する地方あり然れどもブナは挫折し易し【工藝】 | |
柄03 | え | 用材 | @ショベルの柄はムクノキを最も尚ぶ折るることなしエノキ,ブナを之に代用するも折れ易し Aショベル,スコップの木柄としてムクノキは狂ひ多く工作容易ならざるも粘靱にして丈夫なるを以て最も賞用せらる,シラカシは最も可なるも材価及制作費の関係上用ふる能はず,ミズナラは割れを生ずと称し多く用ひられず【工藝】 |
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柄04 | え | 用材 | 金象印のショベル・スコップ柄はカシ,ナラ,ヒッコリーの3種を使用しているという。(浅香工業梶j【2003】 | |
柄05 | え | 用材 | 石工玄翁の柄にはウシコロシ(カマツカ)を用ふ弾力強く折るることなし,ウシコロシは折るるも玄翁の頭飛ぶことなし故に石工其他は怪我をなすことなく且付近の石材に衝突して之を損することなし,ウシコロシは弾性強きを以て手に響かず力強く加はるを以て其効果大なり【工藝】 | |
柄06 | え | 用材 | 鎌の柄1:草刈り鎌の柄には,ヤナギ,ホオノキ,ヒノキ,ウワミズザクラなどの幼木や枝が主として用いられた。また力のかかる鉈鎌の柄にはナラ類,クリ,ウシコロシ(カマツカ),アオダモ,カシの仲間などの堅木の,小節のないすんなりした反りのある枝を主として用いた。【長澤】 | |
柄07 | え | 用材 | 鎌の柄2:草刈り釜の柄にはホオノキがよく使われるのは,汗を吸う性質があり,手が滑りにくいためである。【山根幹司(元園芸用品会社経営)】 | |
柄08 | え | 用材 | 鎌の柄3:材の手当たりが柔らかいことから,ネムノキを女性用の鎌の柄として使用するとの記述がある。【工藝より】 | |
柄09 | え | 用材 | 山林用鎌柄:横の部分が長い下刈り鎌はシイ材が適しており,重量ある鎌はカシ材が適している。除伐鎌及び地拵鎌はすべてカシ材が適している。【西山商会カタログより】 | |
柄10 | え | 用材 | 鍬の柄: @一般的にはシラカシが利用される。 A軽作業に使う鍬にはホオノキ,キハダ,ブナなどを,力を入れて使う鍬にはイタヤカエデ,ウリカエデなどのカエデ類やナラ,クリなどの堅木を用いた。〔長野〕【長澤】 |
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柄11 | え | 用材 | 玄翁の柄:アキグミ,これに次ぎカマツカ,イボタノキ,ガマズミ,オオカメノキ,アオダモ,リョウブ,ズミ,ヤマボウシ,ノリウツギなど。〔長野〕【長澤】(注)一般的にはシラカシを使用する。 | |
柄12 | え | 用材 | 手斧柄:ちょうなえ @エンジュの皮付丸棒を蒸曲して用ふるを普通とす又焼き曲げとなすことありエンジュは手斧の柄となして大工の手に豆を生ぜざるの長所あり【工藝】 A槐(えんじゅ)の柄は粘りが強く、木をはつる時の衝撃が少なく、使い手にひびかない。そして柳の木のように、しなりと粘りがあり、使い手の汗を槐(えんじゅ)の木が吸収するため、手が滑りません。【香川量平】 (管理者注:ここで言う「エンジュ」、「槐」は、もちろん標準和名で言うところの「イヌエンジュ」を指している。) B会津でのサルナシの使用例を聞いた。【廣野】 |
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柄12-2 | え | 用材 | 手斧柄2:ちょうなえ2 弾力性を有する木を用ひる。樹種は、槐(エンジュ。注:ここではイヌエンジュを指す。)の枝(直部)又はゆすら(注:ユスラウメのことか?)の幹で、丸みの直径が29ミリ(1寸弱)が適当。曲げる部分を弱火であぶるか熱湯で加熱して曲げる。約6ヶ月後に刃の仕込み部分へ挿入して使う。【大竹市三】 |
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柄13 | え | 用材 | 手鈎(鉤)の柄:手当たり柔かにして豆を生せざるを以て主としてホオノキを使用す【工藝】 | |
柄14 | え | 用材 | 道具の柄:手鈎の柄,包丁の柄にホオノキを用ふるは手に痘を生ぜざるを以てなり【工藝】 | |
柄15 | え | 用材 | 鋸の柄:力がかからないため,軽くて手触りのよい材としてキリが多く使われている。 ゼットソーの籐巻の柄は,かつては下駄材にもされた比較的軽軟なサワグルミであるという。(製造元 株式会社岡田金属工業所,発売元 ゼット販売株式会社)【2003】 |
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柄16 | え | 用材 | 鑿柄(のみづか): @シラカシ、アカガシ、イチイガシが一般的であるが、その他イスノキ、黒檀、ツゲ、グミの利用も見られる。 A最も適した木はカシ。これがない長野県では大工の鑿の柄には昔からムラサキシキブがよいといわれ,ノミヅカという名前で呼ばれている。 【長澤】 |
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柄17 | え | 用材 | 包丁の柄:包丁の柄はホオ材を以てす【工藝】 | |
柄18 | え | 用材 | 槍柄:古来槍柄はイチイガシ(俗にさつまがし)を以て製作せりシラカシは殆んど用ふるものなし イチイガシは日向,薩摩,天草等に産し天草を最良とすイチイガシは軽くして木理通直曲撓すること少なしシラカシはへなへなして曲がり易きを以て用ひられず【工藝】 |
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柄19 | え | 用材 | 槍柄2:イチイガシを用ふ普通のカシより軽くして弾力あればなり【工藝】 | |
柄20 | え | 用材 | 焼鏝の柄:カツラ,サクラ,ケヤキ【工藝】 | |
柄21 | え | 用材 | 錐の柄:ヒノキ【工藝】 | |
柄22 | え | 用材 | 雪平鍋の柄:激安品を除き,ブナが使用されているのを見る。丈夫で水濡れに強い上に旋作に適することによるものと思われる。 | |
絵馬 | えま | 用材 | 輸入材のスプルースが幅を利かせているようである。(2006) | |
鉛筆1 | えんぴつ | 用材 | 軸材は,その99%がインセンス・シダー(ペンシル・シダーともいう)というアメリカからの輸入材であるが,インドネシアのジェルトン(キョウチクトウ科の1種)が増えつつある。また,環境に配慮して再生材を利用したエコマーク付きの製品も見られる。(2003) | |
鉛筆2 | えんぴつ | 用材 | ビャクシンを最上としアララギを之に代用すホオノキ,カツラは劣等品たり【工藝】 | |
鉛筆3 | えんぴつ | 用材 | [明治末期]日本ビャクシン,米国ビャクシン,アララギ,オンコ,ホオノキ,カツラの六種を用ふ 北米ビャクシンは木理真直にして且細く材質軟にして疵なく鉛筆用として一定の寸法に木取りあり 日本ビャクシンの良材は北米ビャクシンに劣ることなし然れども本邦産は多くは小木にして節多く大木は甚だ稀なり アララギ(北海道オンコ)は木理荒くビャクシンより材質硬く乾燥不十分なれば反張多し膠附をしたる後剥離することあり【工藝】 | |
鉛筆4 | えんぴつ | 用材 | ホオノキ及カツラの如きは極めて劣等にして本来鉛筆となすべき性質を有するものにあらず而かも我邦にて之を用ふるものあるは鉛筆用材の欠乏と鉛筆工業の幼稚なると需用者の要求低度にあるが為めなり(南洋行きのものは北海道産ホオノキ及カツラを用ふ)要するに鉛筆用材としては材質柔軟なること,木理平等に且つ真直なること,瑕疵其他の欠点なきことの性質を有せざるべからず 【工藝】 | |
鉛筆5 | えんぴつ | 用材 | 時代の変遷【かくまつとむ著「天然素材の生活道具」(小学館発行)】 @明治期は国産のビャクシン(米国のビャクシン[工藝より])やイチイ→量の減少) Aアメリカのレッド・シーダーを輸入→大東亜戦争で輸入中絶 B南洋材に活路を求めたものの,これもアウト C戦後は,岐阜の御料林のヒノキの間伐材 *中部のヒノキ産地にエンピツの関連会社が多いのはその名残という。 D低コストの材料を求めてシナノキ,ハンノキを利用。高級品はレッド・シーダー。 →合板業界がシナノキ,ハンノキに手を伸ばしてきたため,更なる模索。 Eレッド・シーダーよりも安い北米産のインセンス・シーダーにたどりつく。 |
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扇の骨 | おうぎのほね | 用材 | 苦竹,淡竹,煤竹,カナメモチ | |
オール材1 | おーるざい | 用材 | 軍艦及漁船に用ふるものはシオジ材にして短艇用はヒノキ,メリケンマツを用ふシオジは最も廉にしてヒノキ最も高し ヒノキ材は軽くして粘靱性に富み折るることなしオール材として最も可なれども材価高く短艇用としては水に浸して撓(しな)ひ易き為め今日は之を用ひずシオジは水切れ宜しく狂ひ少なき点ヒノキ材に似たり旧時押送り船(おしおくりぶね=魚運搬用の櫓を何丁もつけた高速船)の水押し(みよし=船首,舳先のこと)には必らず此木を用ひたるものなりヒノキより重く強さも劣る唯々此木は割れ易き欠点あり |
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オール材2 | おーるざい | 用材 | シオジは水分を吸収し易からざるを以てオールに用ひらる【工藝】 | |
おおわ (車偏+罔) |
おおわ | 語意 | おおわ。車輪の外部を構成する曲形の木。 | |
おおわ (車偏+罔) |
おおわ | 用材 | おおわとしてはシラカシ,アカガシ,ケヤキ,ナラを用ふ。 | |
桶1 | おけ | 用材 | スギ,ヒノキ,サワラなどが使われる。 | |
桶2 | おけ | 用材 | 一般にはスギ,サワラ,ヒノキなどが用いられたが,高山に育つ天然のネズコは水に強いことこの上なしで,この材で桶を作ると孫もの(孫の代までもつ)といわれた。 | |
桶 肥担桶 |
おけ こえたご |
語意 用材 |
肥料にする糞尿を運ぶ桶。肥桶(こえおけ)と同じ。糞桶。材はスギ赤味,箍は真竹。細長い手桶の形をし,中味を満たしてから嵌蓋(はめぶた)をする。単独で持つこともできるし天秤棒で二個を担ぐこともできる。 | |
桶 肥桶 |
おけ こえおけ |
語意 | 糞尿(ふんによう)を運ぶおけ。こえたご。スギ。汲み取り用の柄の長い柄杓を肥柄杓(こえびしゃく)と呼ぶ。 | |
桶 寿司桶 |
おけ すしおけ |
語意用材 | 1 寿司飯(鮨飯)を作る時に用いる浅い白木の桶。飯台。飯切(はんぎり)。 2 寿司(鮨)を並べる平たい器。盤台。 水分を適度に吸う特性のあるサワラ(木曽サワラ)が好まれる。 |
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桶 手桶 |
おけ ておけ |
語意用材 | 取っ手のついている桶。水をくみ置いたり運んだりする時に用いる。サワラ材が定番。 | |
桶 荷桶 |
おけ におけ |
用材 | 水荷桶,肥料桶其他豆腐屋,魚屋等に使用せる荷桶なり普通サワラ,スギ等の柾目取割材を用ふ【工藝】 | |
桶 風呂桶 |
おけ ふろおけ |
用材 | 従前使用せるものはスギ,ヒノキ,サワラ,アスナロ,コウヤマキ,カヤ,ムロノキ(ネズミサシ),マツ等の如き水湿に強きものを用ひヒノキ,コウヤマキを上等とし之に次ぐはサワラなりカヤの風呂は水湿に非常に耐ゆるも香気深きことと材料の少き為め用ふること稀なりヒノキ,サワラは木曽産のものを可としコウヤマキは木曽及高野山に産しアスナロは青森産多し【工藝】 | |
桶 湯桶 |
おけ ゆおけ |
語意用材 | 入浴の際に用いる湯を入れる桶。サワラ材が定番。 | |
桶箍 | おけたが | 語意 | おけたが → 箍[たが]を参照。 | |
筬 | おさ | 語意 | おさ。織機の付属用具の一。竹の薄片を櫛の歯のように並べ,枠をつけたもの。織物の幅とたて糸を整え,杼(ひ)で打ち込まれたよこ糸を押さえて織り目の密度を決める道具。金属製のものもある。 | |
筬 | おさ | 用材 | 苦竹 | |
筬羽 | おさばね | 語意 | 筬の枠内に取り付けられた羽根状の部分。 | |
緒締 | おじめ | 語意 | おじめ。袋物の緒を束ねて通し,口を締めるための穴のあいた玉。緒止め。 | |
緒締 | おじめ | 用材 | 苦竹の根 | |
帯戸 | おびと | 用材 | 帯桟つきの板戸。帯桟戸。ネズコの板を使うと隣室に声が漏れにくいといわれる。 |