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木の知恵 適材適所 木の利用曼陀羅〜歴史と現在 |
あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 | は行 | ま行 | や行 | らわ行 |
舁棒 | かきぼう | 語意 | かきぼう。担ぐ棒。 | |
家具材 | かぐざい | 用材 | ヨーロッパ家具を代表する4大木材 ⇒オーク,マホガニー,ウォールナット,アッシュ | |
角塔婆 | かくとうば | 語意 | かくとうば。角柱形の卒塔婆(そとば,そとうば)。石塔ができるまでの代用とする。卒塔婆は通常板(平)塔婆。 | |
角塔婆 | かくとうば | 用材 | 角塔婆にありてはヒノキを用ふ【工藝】 | |
掛矢 | かけや | 語意 | 樫などで造った大きな槌(つち)。杭を打ち込み,また,軍陣で敵の城門の扉を打ち砕くことなどに用いた。かきや。【広辞苑】 | |
掛矢1 | かけや | 用材 | 一般にカシが適材として知られているが,これがない地域ででは,ヤマボウシが最高で,これに次ぐ木としてオオウラジロノキ,コナシ(ズミ),ハナノキ(ヤマモミジ),ケヤキ,イタヤカエデ,ナラなどの堅木の節のあるところを利用している。 【長澤】 | |
掛矢2 | かけや | 用材 | 掛矢,片手掛矢(小型)は,割れ防止のため,頭部は蝋引きして店頭販売される。 片手掛矢の頭部にケヤキを使用したものが販売されていた。【2003九州・ホームワイド】 |
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掛矢3 | かけや | 用材 | 鐵道及土工用にして頭は太鼓形にしてほぞは楕円形をなし頭はアカガシ,柄はシラカシを用ふ【工藝】 | |
傘柄 | かさえ | 用材 | 傘柄竹は苦竹の元口の太さ5分より8分5厘長2尺8寸とす 元来柄竹は根本より取るを要す梢部なれは芽通りに溝ありて外見可ならざるのみならず肉薄くして堅からす【工藝】 黒竹についても掲げている。【工藝】 |
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傘小骨 | かさこぼね | 用材 | 苦竹の末 | |
傘骨 | かさぼね | 用材 | 傘骨として苦竹は節強きを以て賞用せらるるも淡竹は節弱きを以て用ひられず【工藝】 | |
傘轆轤 | かさろくろ | 語意 | かさろくろ。からかさの柄の上端につけて、骨を集めてその一端を支え,かさの開閉に用いる臼形の小さい器具。 | |
傘轆轤1 | かさろくろ | 用材 | エゴ(エゴノキ)及ハクウンボク傘轆轤として唯一材料たり堅からざれども肌理密に加工容易にして亀裂を生ぜず此等は又道具の柄,玩具等に賞用せらる【工藝】 | |
傘轆轤2 | かさろくろ | 用材 | 和傘のろくろとは,傘の頂端のブロックで,傘骨が差し込まれるところ。エゴノキならば樹心部分を取り除かなくても普通は割れないといわれる。【平井】 | |
傘 洋傘柄 |
かさ ようがさえ |
用材 | 洋傘柄として棕櫚竹は細きも折るゝことなきを以て最も賞用せらる【工藝】 | |
傘 洋傘ハンドル |
かさ ようがさはんどる |
用材 | 洋傘のハンドル(手元、持ち手、柄)として、特に上級品では多様な素材が利用されていている。各種の木材も広く利用されていて、アッシュ、エゴノキ、オーク、カエデ、寒竹、チェスナット(クリ)、皮付きチェスナット、チェリー、籐(トウ)、焼籐、ヒッコリー、ブドウ、ヘーゼル(セイヨウハシバミ)、マットウッド(Matt wood)マラッカ(マラッカ産の籐 Malacca-cane)、メープル(カエデ)、ローズウッド、ワンギー(Whangee 竹の種類)等の名を見る。普及品では曲げ木加工した合板や樹脂製が多い。 なお上級品では本革巻きのものがあり、リザード、オストリッチ、クロコダイル、カーフ、モロッコ革(Morocco)、ピッグスキン等を見る。普及品では合皮となる。 |
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傘 洋傘シャフト |
かさ ようがさしゃふと |
用材 | 洋傘のシャフト(芯棒、軸)に木材が使用される場合は高級品に限られ、国内ではカシ(樫)の利用例が見られる。ヨーロッパの高級品ではハンドル材が石突きまで一体となったタイプ(Solid stick umbrella と称している。国内では単に「ソリッド」とも。)の製品が多く見られる。 | |
カスタネット | かすたねっと | 語意 | 小さな打楽器の一種。栗材を直径7〜8cmの貝殻状に形づくった木片を1対打ち合わせて鳴らす体鳴楽器。語源はスペイン語のカスターニャcastaña(栗の実)。スペインの民俗楽器として知られ,踊りの伴奏のほかに管弦楽にも用いられる。通常,両手に1組ずつ持って交互にかなり複雑な音型を奏する。右手にはやや高い調子(雌)の1対を,左手には低目(雄)の1対を持って奏する。奏法は2枚の木片を結び合わせる紐のゆるみの輪の中に親指を入れてカスタネットをぶら下げ,小指,薬指,中指,食指の順に動かして軽く打ち合わせることによって細かなトレモロを作り出すのが特徴。管弦楽では通常1本の柄の先端に1対のカスタネットをゆるくしばりつけたもの(フラッパーカスタネット)を〈がらがら〉のように振って打ち鳴らす。【百科ほか】 | |
カスタネット | かすたねっと | 用材 | カスタネットの販売品の素材(用材)では、ホンジュラスローズウッド、黒檀、パドック、グラナディラ(アフリカン・ブラックウッド)、バーチ(カバノキ類)、ブナ等の名を見る。学童用は一定の硬さがあれば樹種のこだわりは見られない。フラメンコ用としては暗色の硬木が使用されているほか、木製以外の合成樹脂、マイカルタ、グラスファイバー製のものが普通に販売されている。クリ材のカスタネットの存在は確認できない。 | |
鰹節の焙乾 | かつおぶしのばいかん | 用材 | 鰹節の製造に当たっての焙乾(燻乾)工程で使用する薪として、ナラ、クヌギ、カシ、シイ、サクラの名を目にする。サクラ以外はいずれもブナ科の普通の雑木林を構成する樹種である。主眼は腐敗を防止しつつ、水分を抜くことであるため、燻製用のスモークチップのように樹種に対する特別の選好は見られない。 | |
学校塗板 | がっこうとばん | 語意 | がっこうとばん。白墨で書くために,黒や緑に塗った板。黒板のこと。 | |
学校塗板 | がっこうとばん | 用材 | 学校塗板に適するもの イチョウ【工藝】 | |
滑車 | かっしゃ | 用材 | (ここでは我国古来の滑車ではなく外来のブロックを指す。)車輪材はポックウード(リグナムバイタ)及カシとし,軸及釜金は鐵にして釜金には上等のものは真鍮を用ふ側にはケヤキ及シオジを用ふ【工藝】 | |
冠木門 | かぶきもん | 語意 | かぶきもん。門の一。門柱に,冠木(かぶき:両方の柱を貫く横木)を渡した門。 | |
鎌倉彫 | かまくらぼり | 用材 | かつてはヒノキ、イチョウ、ホオノキが使われていたが、現在では多くはカツラを使用しているという。 | |
蒲鉾板 | かまぼこいた | 用材 | かつては国産のモミ類が使用されていたが、現在は主として北米産の米モミ(特にホワイトファー)が使用されているという。 | |
紙漉用の粘液(ネリ) | かみずきのねり | 用材 | この粘液はとろろともいい,近年は主として畑に栽培したトロロアオイから採っているが,以前は野生のノリウツギやハルニレ,アキニレなどの内皮から採った。 【長澤】 | |
仮面彫刻用材 | かめんちょうこくざい | 用材 | キリ,ヒノキ,ヒメコマツ | |
髢[カモジ] の根 | かもじのね | 語意 | 「髢」は@日本髪を結うとき,髪に添え加える毛。そえがみ。いれがみ。( A「かも字」の意で,髪の意の女房詞[ことば]。) 「髢の根」は芯材。 |
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髢[カモジ]の根 | かもじのね | 用材 | キリの枝材を用ふ キリの軽量なると中心に孔あるとを利用す【工藝】 | |
貨物包装箱 | かもつほうそうばこ | 用材 | 貨物包装箱としてマツ類は樹脂浸出の為に茶箱,煙草箱,缶詰箱等には用ひられずドロ,モミ,スギ,ツガ,トウヒの用ひらるる所以なり【工藝】 | |
貨物包装箱2 | かもつほうそうばこ | 用材 | 貨物包装箱は釘の利き良きものならざるべからずドロ及マツは釘の利き最も宜しくスギ之に亞ぐ モミ,ツガはスギに比して利き悪るし【工藝】 | |
火薬 | かやく | 用材 | → 黒色火薬を参照。 | |
火薬製造摩擦球 | かやくせいぞうまさつきゅう | 語意 | (黒色)火薬製造用の球長径凡二寸位の楕円球体を作りドラム中に入れ硝石,硫黄,炭粉の粉末 混和を助けしむ【工藝】 | |
火薬製造摩擦球 | かやくせいぞうまさつきゅう | 語意 | 木炭と硫黄の混和(二味混和)は青銅球入りの鉄製ボールミルで行い、これに硝石を加えて混和(三味混和)するには、木球入りの木製ボールミルで行う。【1987火薬ハンドブック】 | |
火薬製造摩擦球 | かやくせいぞうまさつきゅう | 用材 | 火薬製造摩擦球にはポックウード(グワヤック,リグナムバイタ)を用ふ 平等に摩られ決して割るることなく且繊維殺(そ)げることなし【工藝】 | |
蚊遣り木 | かやりぎ | 用材 | 蚊遣火として,カヤ・スギ・マツなどの蚊遣り木,タチバナ(柑橘類)の皮・麻・ヨモギ・ツバキの落花・オガクズなどをいぶした。カヤ(榧)という樹名は蚊遣りが語源だという。【http://www.mcbv.jp/battle1.html】 | |
蚊遣火 | かやりび | 語意 | かやりび。蚊を追い払うためにくすぶらせる煙。蚊火。かやり。 | |
蚊遣火 | かやりび | 用材 | ムロ又ネズの小木の根を掘り取り夏月の蚊遣烟(=煙)に用ふれば香分ありて其効多し又同木工作の際生じたる屑材も蚊遣火に用ひて大に効あり カヤ及レッドシダー(ビャクシン)の木屑も亦蚊遣烟を出すに用ひらる【工藝】 | |
硝子木型 ガラス木型 |
からすきがた | 語意 | がらすきがた。ガラスの型吹き用の木型。木型のほかに粘土,石膏,金型が使われた。大量生産のための機械成型法でも型吹き,型押し,鋳造の手法がある。 | |
硝子木型 ガラス木型 |
がらすきがた | 用材 | ガラス木型は水に浸して使用するものなるも亦赤熱のガラス液に触るるを以て焼損するを免れず故に可成永く保存するものを使用するは経済上必要なり独逸国にありてはビルネ(なし)及ブッヘ(ぶな)を用ひ前者を第一とし後者を第二とせり然るに我邦にてはケヤキ,サクラ,ツバキ等を用ふ就中ケヤキを最も適材なりとせり但ケヤキは吹工合は完全に良好とするを得ざれども其出来高は電球にありては木型一個に付平均三千以上に昇る【工藝】 | |
唐戸 | からど | 語意 | からど。開き戸のこと。 @板唐戸[いたからど]:社寺建築などに,開き戸として使われる扉の一。框(かまち)を使わず一枚または数枚の板を矧(は)いでつくり,多くは上下に端喰(はしば)みなどを取りつけて反りを防ぐ。 A桟唐戸[さんからど]:框(かまち)の中に桟を組み,その間に薄板や連子をはめた扉。鎌倉時代に宋から伝来。 |
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辛櫃 | からびつ | 語意 | からひつ。からびつ。遺体を入れる櫃。棺(ひつぎ)。かろうと。 棺はヒノキを外部にキリを内部に用ひ二重となすを最も上としモミ及マツを之に代用す【工藝】 |
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ガラリ戸 | からりど | 語意 | ブラインド状の羽根板を全体に付けた戸。よろい戸。 | |
皮剥箆 | かわはぎへら | 語意 | 北山丸太の皮剥箆は本白杉の枝の分岐点にあるアテ材を取り辺材を去りて用ふ堅くして刃の巻くるることなし【工藝】 | |
棺1 | かん | 用材 | ヒノキを外部にキリを内部に用ひ二重となすを最も上としモミ及マツを之に代用す【工藝】 | |
棺2 | かん | 用材 | 従前からモミが棺や卒塔婆の材料として使用されてきた。現在、商品としての棺は、予算次第で実に多様であり、樹種としてはヒノキ、モミ、キリのほか、合板を使用したフラッシュ構造のものが見られる。また、布張りのものが増えているという。豪華なものは彫刻を施したものや、内装にキルティングが施されたものなどもある。 | |
棺3 | かん | 用材 | 近畿地方の古墳から出土した棺(木棺)の用材は、そのほとんどがコウヤマキで作られていたことが確認されていて、日本書紀の内容と符合していることが知られている。 | |
簪 | かんざし | 語意 | かんざし。女性が髪にさす飾り。前にさすのを前差し,後ろにさすのを後差しという。 | |
簪玉 | かんざしだま | 用材 | [竹の場合]孟宗及苦竹節【工藝】 | |
かんじき |
かんじき | → 輪かんじき | ||
鉋台 | かんなだい | 用材 | 鉋台にはシラカシの皮目に近きものを可とす必らず割材に限られ木表を誘導面に用ふるものとす而して板目取に限る職工は之を柾目取といふ蓋し髄線を年輪と見る故なり【工藝】 | |
甲板 | かんぱん | 用材 | → こうはん | |
木釘3・箪笥 | き | 用材 | 箪笥に用ふる木釘は矧ぎ合わせ竹釘を用ふる外悉くウツギ釘なり竹釘は鉋の刃に障り他の木釘にては折るる故なり【工藝】 | |
柝(き)・拍子木1 | き | 用材 | シラカシ,サクラ,栗,ケヤキ | |
柝(き)・拍子木2 | き | 用材 | 相撲の呼び出しに使う柝の材質は桜。なかでも桜の木の芯の赤みが最高とされる。なお相撲の柝は一方を固定して片方を当てるようにして打つ。【日本相撲協会】 | |
柝(き)・拍子木3 | き | 用材 | 神事や祭礼をはじめ民俗芸能,見世物,相撲,人形浄瑠璃,歌舞伎などの開始,段落,終了の合図として打たれる四角に削った二つの木片。拍子木ともいう。雅楽の笏拍子(しやくびようし)や声明(しようみよう)の割笏(かいしやく)のように,楽器としての性格の強いものから,夜番の拍子木のように合図として伝達する性格までの幅がある。いずれにしても,響きのよさが重要視されるので,堅い樫材を使用し,1本を二つに割って削る。打ち合わせる面をかまぼこ形に削ったものもある。これら柝は狂言作者の担当になっている。狂言作者は柝を宝物とし,各自,油を浸ませて音が冴えるよう手入れし,常に袋に入れて自前で保管する。【百科】 | |
柝(き)・拍子木4 | き | 用材 | ・柝の頭(きのかしら)―幕切れ,道具替りに,せりふ,しぐさの止まりをきっかけに柝をチョンと入れること。〈柝がしら〉ともいう。【百科】 | |
柝(き)・拍子木5 | き | 用材 | 拍子木:合図や拍子を知らせる道具。方柱形に削った短い一対の角棒で,これを叩き合わせて音を出す。打ってよく響くように,音の出しやすい栗,ケヤキ,桜などの堅木をしてつくられることが多い。【日本民具辞典:日本民具学会編集,(株)ぎょうせい】 | |
柝(き)・拍子木6 | き | 用材 | 芝居の柝は天草産のシラカシをもって最良とする。火の用心の拍子木と違って打面が少し反り気味に削ってある。相撲のものはサクラ材という。 【黒木正胤】 | |
柝(き)・拍子木7 | き | 用材 | 柝木。演劇用柝木は古来アカガシ及シラカシを以て作らる殊に天草カシの能く乾燥したるものを賞用せり其他火の番用又は広告用柝木はサクラ,モミヂ等をも用ふ【工藝】 | |
机案 | きあん | 語意 | きあん。つくえ。案とも卓ともいう。 | |
木ウソ | きうそ | 語意 | 天神さまのお使いの鳥といわれている実在の鷽(うそ)を木で彫った神縁品で、開運を授かるといわれている。各地の天満宮(天神様)でウソ替えの神事に使われ、さらには土産物としても販売されている。 | |
木ウソ | きうそ | 用材 | 太宰府天満宮のものはホオノキで作られている。 | |
木貝 | きがい | 語意 | いわば木製のホラ貝。桐の木の芯を刳って,一見メガホン風の筒にしたもの。【前川】 | |
[木偏+利]木 | ききぎ | 語意 | 釘木又は釘木と称するものは清酒樽の側面に錐穴を穿ち其味を試み(利き酒)品質を知りたる後其孔を塞ぐ為に用ふ【工藝】 比較→ 腹星,天星 | |
[木偏+利]木 | ききぎ | 用材 | サワラ。 比較⇒腹星もサワラ,天星はスギ。 | |
地形杭 | ぎぎょうぐい | 用材 | 地形杭其他工事用の杭はアカマツ,クロマツ等の生丸太なることを要す 若(も)し乾燥せるものなるときは保存力を減ず 又護岸用粗朶の如きも生木なることを要す【工藝】 | |
木釘1 | きくぎ | 用材 | 木釘としてウツギは乾固するに従い堅硬となるを以て用ひらる【工藝】 | |
木釘2 | きくぎ | 用材 | ウツギ,ヒバ,ガマズミなどの木を細長い円錐あるいは角錐状に削り,火熱で煎(い)って硬化させたものを木釘,マダケ(真竹),ハチク(淡竹)などで同様にして作ったものを竹釘という。共に桐,杉,ヒノキなど軟材の指物細工などに用いる。木釘を使うときは続飯(そつくい)(米飯を練って作った糊)を併用する。 | |
木釘3 | きくぎ | 用材 | うつぎくぎ:手加工によるものは断面が八角形,六角形削りであるが,機械加工は円形削り。仕上げ品のくぎは陽乾をし十分乾燥させ,さらに使用前にホーロクで炒って硬度を高める。使用法は四つ目錐で予備穿孔をしてくぎに接着剤を付けて打ち込む。ヒノキ,ヒバなども木くぎとして用いる。【工芸事典】 | |
木釘4 | きくぎ | 用材 | 箪笥其他の指物にはウツギ製を用ひ折にはヒバ,ヒノキ等を用ふ【工藝】 | |
木沓・木履 | きぐつ | 語意 | きぐつ。木製のはきものの総称。「木履」は,「ぼくり,ぽくり,ぽっくり」とも | |
木靴・ 浅沓 |
きぐつ あさぐつ |
語意 用材 |
浅沓:浅いこしらえのくつ。古くは革製、のち桐製で、黒漆塗り。足の甲に当る部分に込(こみ)と称する綿入れの白の平絹を差しこみ、底には沓敷(くつしき)を張った。束帯・衣冠・直衣・狩衣着用の際の料。【広辞苑】 | |
煙管 | きせる | 語意 | きせる。雁首(がんくび)〜羅宇(らう)〜吸い口(すいくち)からなる。 | |
煙管 | きせる | 用材 | 箱根竹(篠竹) | |
煙管筒 | きせるづつ | 語意 | @キセルに同じ。A煙草入れの付属具で,キセルを入れるための筒。 | |
煙管筒 | きせるづつ | 用材 | 煤竹,白竹 | |
ギター | ぎたー | 用材 | 表板はスプルース類、裏板・側板はブラジリアンローズウッド(パリサンダーとも。現地名ジャカランダ)がよいとされている。特に裏板と側板については実に多様な木材が使用されていて、希少な美しい木材が好まれている。 | |
几帳 | きちょう | 語意 | 室内に立てて隔てとし、また座側に立ててさえぎるための具。【広辞苑】 「几」は骨組みの部分をいい,土居という台に細い二本の柱を立て,その上に一本の横木をわたしたもの。「帳」は「とばり」といい,横木にかける布をいう。また帳には野筋という結紐を垂らしてアクセントとする。大きさは座敷の広さに応じる。 |
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木槌 | きづち | 用材 | 伝統的な使い方としては,アカガシを頭に,柄にはシラカシを使う。これはアカガシの方が割れにくいからだといわれている。一般的には柄も頭もシラカシを使用する。小さいものは鑿(のみ)叩き用などに使用され、少し大振りのものは鏡割りにも利用されるのを見かける。 | |
木槌(藁打ち・脱豆用) | きづち | 用材 | わら細工に先だって、石の上で藁を打ったり(藁打ち)、収穫・乾燥した豆をサヤからはずす(脱豆)ために叩くのに使った。この場合の木槌は玄翁型ではなく、短く切った丸太の一部を細く削って持ち手としたもの(柄と一体の共柄型となる。)を使う。(したがって小型の木槌のように木口で叩くのではなく、腹で叩くことになる。) | |
木縄 | きなわ | 語意 | きなわ。⇒ 松縄,檜縄 | |
木縄 | きなわ | 用材 | 木縄を製するにはアカマツ,ヒノキ,マキの辺材を最も可とす【工藝】 | |
木箱1 素麺 |
きばこ | 用材 | 素麺は折れやすく,また臭いを吸いやすいことから,古くから木箱(18kg詰の木箱が基本であった。)が使われてきた。材料は,堅くて臭いが少なく色が白いということで,昔から「もみ」材が使われてきた。現在でも贈答品は木箱が一般的であるが,南洋材のファルカタ(6ミリ板)も一般に使われている。 | |
木箱2 和菓子 |
きばこ | 用材 | 高級和菓子には杉の赤柾板を使用。箱材の中でも最高級材。例:杉赤柾二分板 | |
木箱3 陶器 |
きばこ | 用材 | 桐(例:桐6ミリ板),モミ(例:モミ二分板) | |
木鉢1 | きばち | 用材 | トチノキ,センノキ【工藝】 | |
木鉢2 | きばち | 用材 | 木鉢は主にトチノキで作られる。木鉢は捏ね鉢(こね鉢)とも呼ばれ,蕎麦や稗や粟,栃の実を粉にしたものを練るときに使われる。トチノキは木裏(芯に近い方)に赤身が広がっており,木表(樹皮側)に白身(しらた)がある。赤身は割れが入りやすく,狂いやすいため,赤身を避けて木取りをする。また,栃の場合は,板目でとっていくのが一般的。【遠藤ケイ】 | |
木鉢3 | きばち | 用材 | 伝説的な存在となっている信州 秋山郷の木鉢(こね鉢)の用材もトチノキである。 | |
脚類 | きゃくるい | 用材 | 脚類の材としてクルミ,トネリコは最も上等なりクルミは粘靱にして材割合に軽く工作し易く狂ひ少し【工藝】 | |
球竿 | きゅうかん | 語意 | 体操用具で,長さ5尺ばかりの木竿の頭に木球をつけたもの。 | |
球竿 | きゅうかん | 用材 | 球竿の竿はカシ,ナラ,クリ,シオジを用ひカシを上等とす,球はエゴノキを上等となしサクラを用ふることあり【工藝】 | |
経木1 | きょうぎ | 語意 | スギ・ヒノキなどの板を,(紙のように)薄く削ったもの。経木を真田紐(ひも)のように編んだものは経木真田といい,夏,帽子などの材料にする。【大辞林】 | |
経木1 | きょうぎ | 用材 | 経木は白色の良材を用い,多くはエゾマツで,モミ,トウヒ,キリ,アカマツ,クロマツなども用いられる。100枚で21ミリ以下を薄経木,それ以上を厚経木という。【上村】 経木の区分については過去の公定価格表のほか,業界での区分があったが,上記区分は出所未確認。【2003】 |
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経木2 | きょうぎ | 用材 | 古く経文を書くのに,杉,檜などの薄い木片を用いたことから,その名が由来する。現在は木材を紙のように薄く削り,主として包装材に用いられる物をさす,エゾマツ,アカマツ,モミ,シナノキなどが主に使われる。薄経木と厚経木が有り,薄経木は 包経木に用い,厚経木は折箱材に使用します。【牛若餅HP】 | |
経木3 | きょうぎ | 用材 | 折り箱:折櫃(おりびつ。檜の薄板を折り曲げて作った容器)を真似,厚経木を使い 四角形,六角形,円形や楕円形の容器お祝事に使用する為,四角形の容器は角(つの)が無い様に角きりにしてあります。【牛若餅HP】 | |
経木4・真田経木1 | きょうぎ | 語意 | 経木真田とは麦稈(バクカン)真田の代用として,ボンネットと呼ばれる明治時代に流行した婦人帽子の材料として作られたもので,他の材料に比し美麗でしかも軽量のためアメリカ婦人などに非常に好評を博した。これを創案したのは大森の河田谷五郎とされる。【田中】 | |
経木4・真田経木2 | きょうぎ | 語意 | [参考]真田紐:〔天正(1573-1592)の頃,真田昌幸(まさゆき)が初めてこの紐で刀の柄(つか)を巻いたという〕太い木綿糸で平たく厚く編んだ組紐。さなだ。真田打ち。 | |
経木4・経木真田3 | きょうぎ | 用材 | 経木真田の材料としては,ドロヤナギが最高でイモノキ(ゴンゼツ,タカノツメ),ヤマナラシ,ヒバ,エゾマツ,ヒノキ,ホオなどであるが,ドロヤナギの豊富な頃はこれが圧倒的で約80%を占めていた。【田中】 | |
行司の軍配 | ぎょうじのぐんばい | 用材 | @カエデ。A紫檀,黒檀,ケヤキ等 | |
脇息 | きょうそく | 語意 | 座ったときに肘を掛け,体を安楽に支える具のことで,昔は肘掛け,脇突,几(かしづき。記紀ではオシマズキと呼ばれた。)などといわれ,なかんずく奈良時代は挟軾(きょうしょく)といい,大型のもので,体の前面に置いた。終戦後の大型脇息,別名「お化け脇息」は小卓を兼ねたタイプ。【関ほか】 | |
鏡台 | きょうだい | 用材 | 上等品はクワ,黒檀等にしてクワの代用としてエンジュを用ふること多し【工藝】 | |
鑽火 | きりび | 語意 | きりび。鑽り火,切り火とも。ヒノキなどの堅い板に堅い棒をもみこんで起した火。後世は,火打石と火打金とを打ち合せて出す。 | |
琴瑟 | きんしつ | 語意 | きんしつ。琴(こと)と瑟(おおごと)。 | |
錦帯橋 | きんたいきょう | 語意 | 山口県岩国市の錦川に架けられた木造アーチ橋。江戸時代に架けられて以降、賽の河原のように流出と修復を繰り返している。これにより、技術が継承されているのかも知れない。 | |
錦帯橋 | きんたいきょう | 用材 | 部材により複数の木を使い分けている。 橋杭は水に強いヒバ、桁は強さを求められる根元と中央にケヤキを、それ以外にマツを使用。桁や梁の木組みを支える部材の雨覆いはクリ、橋の敷き板や高欄(欄干部分)などはヒノキ、ダボはカシを使用。【塩野】 |
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地仙縄 | くごなわ | 語意 | くごなわ。南部表の経縄に用いる。地仙は葛西砂村深川辺りの塩水の浸すところに産する。 | |
串 | くし | 用材 | 材料は苦竹(くちく,苦竹→=真竹)に限る(焼串は)孟宗竹は皮目と腹竹堅硬にして中央柔く為に腹を削り去る時は肉の方収縮して曲る欠点あるのみならず火力に依りて曲り易し淡竹(はちく)も同一の性あり然れども苦竹は此の欠点少し 串として必要の性質は腰強く火力によりて曲撓すること少きものを可とす之が要件には苦竹最も適し殊に鯛串の如きものは肉厚き元竹を撰む【工藝】 |
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櫛1 | くし | 用材 | ・《万葉集》に詠まれた〈黄楊(つげ)の小櫛(おぐし)〉はツゲ製の横櫛のことを指している。平城宮址からはイスノキ製の櫛が発見されている。ツゲは鹿児島産の薩摩ツゲが良質で,その次は伊豆諸島の三宅島,御蔵島産の島ツゲがよい。鹿児島産のうちでも開聞岳の近くのものが一番優れている。 ・木曽薮原のお六櫛はオノオレカンバが多い。木曽十一宿の櫛師たちはこの木をミネバリと呼んでいるが,ミネバリはいろいろの木を指し,主なものだけでもマカンバ(サイハダカンバ),ミズメ,ヒメヤシャブシなどがあって非常にややこしい。 |
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櫛2 | くし | 用材 | 櫛はツゲ,イス,ウメ(なし),ナツメ等を好み如何なる木材を使用するも此四種の色合に擬せしむを常とす【工藝】 | |
櫛3 | くし | 用材 | ツゲ櫛は歯先尖ることなく毛髪に柔かく且平かに当たり木櫛中の最良品たり,ツバキ,ビワ,ズミ,カシヲシミ(ネジキ),マユミ,エゴ,イヌツゲ,モチノキ,サルスベリ,ヒイラギ,シャムツゲは皆ツゲの模擬材となる,其他イス櫛,ウメ櫛,ミネバリ櫛,ナツメ櫛あり,ナシの白太はイスの模擬材となりモモ,リンゴはウメ櫛(なし)の模擬材たり,ミネバリ櫛は木曽の名産にしてミズメは之れが模擬材たり,ナツメ櫛,モッコク櫛は関西に行われツバキを以てナツメに模擬す【工藝】 | |
櫛4 | くし | 用材 | 櫛材としてツゲを尊重することは我邦一般の風習なれども関東にては此外ウメ(ナシ)イスノキ,ヒイラギを好み関西にてはナツメを好む【工藝】 | |
櫛5 | くし | 用材 | 櫛材として広く世に賞用せらるるものはツゲ,イス,ウメ(ナシ),ヒイラギの四種にして古来最も上品とせられたり故に如何なる樹木より作るも以上の樹名を冠せざれば顧客の意を迎ふるを得ず ツゲの産地は伊豆御蔵島,三宅島,神津島,新島なるも就中御蔵島及三宅島を主とす其他内地にては薩摩に産し外国産としては暹羅(しゃむろ)ツゲと称するものを用ふ【工藝】 | |
櫛6 | くし | 用材 | ウメ櫛とは真のウメ材にて製したるものにあらず真のウメにて製するも歯綟(はよれ)を生じ工作に手数を要し外観悪しく価格廉ならざるを以て実用に適せず故にウメ櫛には専らナシ材の赤味を用ふ【工藝】 | |
櫛7 | くし | 用材 | イスは仕上げたる後は其色変ぜず昔時ツゲは島の産物なりといふを以て屋敷向にて之を嫌ひイス櫛のみを使用せしが現今に至りては余り行はれず【工藝】 | |
櫛8 | くし | 用材 | ミネバリ(オノオレカンバ)は信州木曽にて御六櫛と称する梳櫛の材料にして硬度重量他樹に優る其心材は紅色を帯び繊維細密なり故に梳櫛の如き細密なる歯立てをなすも欠損することなく又塗櫛としてツゲに擬す【工藝】 | |
櫛9 | くし | 用材 | 塗櫛材としてはミズメ,ブナ,カツラ,シラカバ,ダケカバ,サクラ,コブシ,ハンノキ,ヤシャブシ,ヒトツバ(?),ニレ等を用ふ【工藝】 | |
櫛10 | くし | 参考 | ツゲ櫛は先鮫皮にて磨き張木賊(はりとくさ),ムクの葉,ウヅクリの順序に磨く但し水を用ふることなし速成には鹿角及貝を用ふ【工藝】 | |
櫛11 | くし | 参考 | 東京の上野池之端には元文元年(1736)創業の木櫛製造販売の店「十三や商店」がある。 | |
熊の彫り物 木彫り熊 |
くまのほりもの きぼりぐま |
用材 | 軟らかくて彫刻しやすいシナノキが一般に使用されている。 | |
鞍 | くら | 用材 | ⇒ 和鞍 | |
クラリネット | くらりねっと | 用材 | アフリカ産のグラナディア Grenadilla 。(グレナディア の方が音は近いと思われるが,楽器業界(国内で製造しているヤマハを含む)では慣用的に「グラナディア」と呼んでいる例が多い。)この名称は複数のアフリカ産の黒色の木材を指すが,クラリネット用にはそのうちのマメ科ツルサイカチ属の Dalbergia melanoxylon (ダルベルギア・メラノキシロン)が使用される。ブラジリアン・ローズウッドも本属の樹木である。 | |
燻煙材1 | くんえんざい | 用材 | 燻(薫)煙を発生させるのに用いる木材で,まき状のもの(スモーキングウッド)と,おがくず状のもの(スモーキングチップ)がある。タール分の多いスギやマツは用いられず,カエデ,カシ,ナラなどの堅い材質のものが用いられる。北アメリカではヒッコリー,北ヨーロッパではカシ,ブナが最上品といわれる。製品の色が良くなるといって,仕上時にのみヒバ,サクラなどを用いることもある。【百科ほか】 | |
燻煙材2 | くんえんざい | 用材 | 市販されているもには、サクラ(ヤマザクラ)、ナラ、ブナ、クルミ(オニグルミ)、リンゴ、ヒッコリー、ホワイトオークの名前を目にする。海外では、ヒッコリー(Hickory クルミ類)、アップル(Apple)、メープル(Maple カエデ類)、チェリー(Cherry)、ペカン(Pecan クルミ類)、オールダー(Western Red Alderハンノキ類)、メスキート(Mesquite マメ科)の名前を見かける。【2006】 | |
下駄1 | げた | 用材 | キリ,ホオノキ,サワグルミ,オニグルミ,コシアブラ,ヤナギ類,ハリギリ,スギなど。 | |
下駄2 | げた | 用材 | 下駄材としては軽きを要すキリ,アブラギリ,セン,サワグルミ,ニレ,コシアブラ,ノブノキ(ノグルミ),スギ,クロベスギ,サワラ,キササゲ,チャンチン等を用ふ就中キリは軟材の長たり其質軽軟鬆踈なるも摩滅すること少し【工藝】 | |
下駄3 | げた | 用材 | 下駄材としては表附と直履とを問はず又塗ると塗らざるとを問はずキリを第一とす近年北海道よりセンの下駄棒多量に輸入し来り安価のものは悉く此材にて造らる又塗下駄としてはスギ材を素地としたる塗下駄静岡より輸入せらる其他サワグルミ又はヤマギリ(ここではアブラギリか?)の下駄は東北地方及長野県より産す又スギ材を焼きて庭下駄とせるもあり【工藝】 | |
下駄4 | げた | 用材 | [下駄歯]:カシ,ブナ,ケヤキ,ホオノキを主なるものとなし其他ソネ(注:特定のシデ類を指しているのか、シデ類の総称かは不明),シイ,ムク,ナラ,クヌギ等とす鹿児島地方にてはタブ,イチイガシを用ふカシ材は十中の六七分を占め次でブナとすケヤキ以下は其需要僅少なりといふカシは堅くして摩滅少く粘靱にして割裂し難く下駄歯材として最も上等なり次でケヤキ材は堅さカシ材に及ばざれども滑ることなきを以て魚河岸にてはケヤキ歯のみを用ふといふブナは軟くして摩滅早しホオ歯は甚厚く柾目物,神代スギ,スギ柾等の上等下駄に用ひ茶人,粋人向なり夏期に多く用ひしも今日は売行悪し其他のものは下駄歯として不適当ならざるも稀に出荷せらるるに過ぎず【工藝】 | |
下駄5 | げた | 用材 | 下駄に使用された材料は,ヒノキ,スギ,クリ,マツ,ホオノキ,ネムノキ,コシアブラ,ツガ,ケヤキ,ブナ,モクレン,ハンノキ,トネリコ,ミズキ,オニグルミ,カクレミノ,ヤマナラシ,カエデ,アカガシ,キリ,シイ,カキ,コナラ,カツラ,ヌルデ,コウヤマキ,イヌエンジュなど,針葉樹・広葉樹を問わず多種多様であるが,その中でも下駄材として主に使用されている樹木は,ヒノキ,スギ,クリの3種である。この3種は,古代から近世まで一貫して使用されている。【秋田】 | |
下駄6 | げた | 用材 | 1:刳り下駄(歯を刳り出した下駄で差し歯ではないもの):ヒメコマツ,ネズコ,サワラ,シラベ,スギ,ネズミサシ,キリ,サワグルミ,ホオノキ,イイギリ,ハリギリ,アブラギリ,キハダ,チャンチン,クリ,カツラ,タラノキ,シナモキ,デロ,ヤマナラシ,ヤナギ,オニグルミ,ニガキ,コシアブラ,タカノツメ,カラスザンショウ 2−1:足駄(注:あしだ。特に江戸、関東では雨天時等の差し歯の高下駄を指した。)の甲良(注:こうら。船底型の高下駄の台を指す):キリ,アブラギリ,サワグルミ,ホオノキ,タラノキ,モミ等刳り下駄用材に略ぼ同じ 2−2:足駄の歯:カシ類,ホオノキ,ブナ,シイノキ,ハンノキ,ケヤキ,クリ,サクラ,ヤチダモ 【効用編】 |
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下駄7 | げた | 用材 | 下駄の産地として知られた広島県福山市松永は、雑木を利用して機械化を進めて発展してきたことで知られる。現在生産は見られないが、当時の主たる原料は米国産のコットンウッド(ヤナギ科ハコヤナギ属)とされる。コットンウッドは他の地域で下駄材料として現在でも利用されている。 塗り下駄では塗り下駄ではジェルトンの利用が見られるという。 |
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建水 | けんすい | 語意 | けんすい/みずこぼし。こぼし。茶道具の一。点茶の際,茶碗をすすいだ湯水を捨てる器。 | |
建水 | けんすい | 用材 | 苦竹又は孟宗竹の根にて作る【工藝】 | |
見台 | けんだい | 語意 | けんだい。書見台の略。沿革は室町時代に定着,のちに浄瑠璃,謡曲,長唄本の置き台として使用されるようになり,楽器の推移と軌を一にして今日に至る。 義太夫:最も大型頑健,黒塗り,両袖に房。 常磐津:朱塗り蛸足見台。 清元:黒塗りで金の沃懸(いつかけ),継ぎ一本脚に金属の風鈴。 歌沢(うたざわ):芝派と寅派で違い,後者は黒塗り八脚。 新内:黒塗りで,すかし入りの二本脚。 謡曲:紐結びで組み立てられる桐材白木で,側板に透かしが入る。 長唄・宮薗節:一般に桐か桑材の平凡な一本脚,時に継ぎ柱や天板折り畳み式のものが見られる。【関】 |
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衡器 | こうき | 語意 | こうき。秤(はかり)。 | |
鑛山支柱 | こうざんしちゅう | 用材 | 鑛=鉱。特殊の木材を要せざるを以て将来欠乏を来すことなかるべし【工藝】 | |
甲板 | こうはん | 語意 | かんぱん、デッキとも。 | |
甲板 | こうはん | 用材 | 甲板(こうはん)はチークを最も可とす【工藝】 | |
坑木 | こうぼく | 語意 | 鉱山において、坑道の土砂や岩石が崩れるのを防ぐために坑道内に枠、支柱又は矢板として用いられる丸太。 | |
坑木 | こうぼく | 用材 | 坑道内は温湿度が高く、木材が普及しやすい環境なので、使用期間の長い「坑道坑木」としては耐朽性の高い樹種又は防腐処理材の太くて長い材が使用され、一方「切羽坑木」(きりはこうぼく)は、切羽を掘り尽くすと埋め戻して捨て去られるので耐朽性はあまり重視されず、低質のものが用いられる。 適用樹種は、北海道ではカラマツ、エゾマツ、トドマツ、ナラ、カバなど、本州ではアカマツ、カラマツなどで、価格動向等から価格の安い広葉樹のシェアが次第に高まってきた経過がある。【上村武】 (注)国内の炭坑は2008年現在、北海道に小規模な露天掘りが見られるのみで、炭坑の坑木需要は全く見られない。 |
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荒神箱 | こうじんばこ | 語意 | 荒神こうじん:民俗信仰の神の一。竈神(かまどがみ)として祀(まつ)られる三宝(さんぽう)荒神,屋外に屋敷神・同族神・部落神として祀る地荒神,牛馬の守護神としての荒神に大別される。 荒神箱:? 荒神棚:台所のかまどの上方に設けて,荒神を祀(まつ)る棚。 |
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荒神箱 | こうじんばこ | 用材 | ヒノキ【工藝】 | |
倒 | こかし | 語意 | こかし。箸倒(はしこかし) 楊子(楊枝)倒(ようじこかし) 団扇倒(うちわこかし) | |
黒色火薬 | こくしょくかやく | 語意 | 硝酸カリウム(硝石),木炭および硫黄からなる三成分混合火薬。木炭のために黒色を呈することによる名称である。用途は縮小傾向で推移してるが、石材採取、花火、点火・伝火薬に利用される。 | |
黒色火薬1 | こくしょくかやく | 用材 | 黒色火薬の原料としての炭は,ハンノキ,キリ,ヤナギなどを炭材にした木炭が使用されてきた。特にハンノキの炭は炭質が火薬に適していることが知られている。 | |
黒色火薬2 | こくしょくかやく | 用材 | 黒色火薬用の木炭はアカマツ炭を主に使っているが、松煙、キリ炭、クロウメモドキ炭、ハンノキ炭なども使用している。硫黄、硝石は充分に精製できるのに対して、木炭は精製ができないため、黒色火薬が一定状態で燃焼するためには、木炭の品質が極めて重要であるとされる。【岸本】 | |
黒色火薬3 | こくしょくかやく | 用材 | 大東亜戦争中に、特に高い性能を求められた高射砲弾の導火薬の研究が行われて、当時研究の進んでいたフランスがセイヨウクロウメモドキの木炭を使っていたのを参考とし、この代用としてヤマハンノキ材を320〜350度で焼くことによって目指す品質に到達したが、これは終戦の直前であったという。【岸本】 | |
碁笥 | ごけ | 語意 | ごけ。碁石を入れる円形の器で,ふたがついている。 | |
碁笥1 | ごけ | 用材 | 材質はクワが最上とされ,ほかにサクラ,ケヤキ,カリン,クリなども用いられる。 | |
碁笥2 | ごけ | 用材 | 碁笥にはクワ,イヌエンジュ,ケヤキ,クリ,紫檀,黒檀,鐵刀木,カリンを用ひ,盤被,碁笥箱にはキリ又はモミを使用す【工藝】 | |
こけし(木形子) | こけし | 語意 | [1992頃]全国生産の80%が群馬県前橋市総社で,また15%が神奈川県小田原市で作られ,各地に出荷されている。【市川】 | |
こけし(小芥子) | こけし | 用材 | ・山形県,秋田県などではイタヤカエデが主な材料となっている。 ・宮城県の鳴子のこけしの材料はミズキを多く使っている。山形県産のこけしの一部にも使われている。 |
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こけし | こけし | 用材 | こけしの用材は地方によって多少異なるが、一般には材質は木理のつんだ均一のもので、ほどよい堅さをもち、墨や染料がにじまず、さらに木の肌が美しく、まっすぐで節のないものである。主な樹種は、ミズキ、ウリハダカエデ、アオハダ、ホオノキなどである。このほかに、エゴノキ、ハクウンボク、ヒトツバカエデ、マンサク、ハリギリ、イチョウ、キリ、ブナなどを用いたり、また、新型こけしや特殊な効果を出す目的で、サクラ、ツバキ、クワ、クリやケヤキなどの有色材を用いている。【杉浦高蔵】 | |
こけら板1 | こけらいた | 語意 | こけらいた。屋根を葺(ふ)くのに用いる杉・椹(さわら)・檜(ひのき)などの薄い削り板。木瓦(こがわら)。木羽(こば)。木羽板。こけら。【大辞林】 | |
こけら板2 | こけらいた | 語意 | <参考> 薄い←こけら板← 木賊板(とくさいた) →栩板(とちいた)→厚い |
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轂 | こしき | 語意 | こしき。牛車などの車輪の中央にあって,輻(や)が差し込んであるもの。中を車軸が貫いている。筒(どう)。こく | |
轂 | こしき | 用材 | 轂としてはケヤキを用ひナツメ,ニレ,シヲヂをも持ちふ。【工藝】 | |
腰嵌 | こしはめ | 語意 | こしはめ。腰羽目。 | |
腰嵌 | こしはめ | 用材 | ナラ又カラマツを賞用す 普通のスギ材にても根際より取りたるものは根杢と称し腰嵌又開戸板に用ひらる ヒノキ及スギ殊にヒノキの大節板は板塀,天井板,欄間,腰嵌に賞用せらる【工藝】 | |
炬燵櫓 | こたつやぐら | 語意 | こたつやぐら。火燵櫓とも。炬燵の熱源の上に置くやぐら。 | |
炬燵櫓 | こたつやぐら | 用材 | ホオノキは昔から炬燵櫓の用材として用いられてきたが、その適材性が災いして戦後、各家電メーカーの電機炬燵用材として大量に使われ、現在は日本の山野にほとんど払底の状態である。【成田】 | |
琴の柏葉 | ことのかしわば | 語意 | 琴の各部の名称を挙ぐれば頭部を口前(龍唇)といひ其中を龍舌といひ他端を龍尾といふ糸枕を龍角といひ上下に一つ宛あり飾りある処を柏葉といひ龍角の縁にあるものを四分六といひ糸の通る所を眞座といふ表面を甲と称し其両長辺を磯といひ磯の一方を弾き手前といひ他方を弾き向といふ脚は大なる方を猫足といひ短き方を百足足といふ【工藝】 | |
こね鉢 | こねばち | 用材 | 趣味のそば打ち人口の増加で、道具に対するこだわりから伝統的な木製のこね鉢に対する関心が高まった。素材はトチノキ、ハリギリ(センノキ)、ケヤキ等がみられる。普及品はフェノール樹脂製もあり、ステンレスボールも代用品となっている。木製のこね鉢の仕上げは素木、拭き漆、漆の内朱、ウレタン塗装と様々である。長野県栄村・秋山郷のトチノキのこね鉢はマスコミ、雑誌等でも取り上げられて、あまりにも有名になってしまった。 | |
碁盤 将棋盤1 |
ごばん・しょうぎばん | 用材 | 碁盤にカヤを用ふときは其音ピチピチとして一種の快き響を発す【工藝】 | |
碁盤 将棋盤2 |
ごばん・しょうぎばん | 用材 | 盤にはカヤ,イチョウ,カツラを用ふ其他ヤナギ,トチ,ヒノキ,モミジを用ふるところあり カヤは日向産を可とし尾州地方よりも産すカツラは北海道産イチョウは東京附近のものを可とす【工藝】 | |
碁盤 将棋盤3 |
ごばん・しょうぎばん | 用材 | カヤ製の盤は一種の香気あり色沢を生じ汚れ目附かず盤上に碁石の音ピチピチとして快く且つ夜間にも盤面の罫線分明なるの長所あり日向産のカヤ材は木理細かくして材色最も宜しく何等の塗料を施すを要せず且つ節少く「うつろ」なく亀裂を生ぜず使用後早く光沢を生ず日向産以外のものは材色白くして塗料を要す其他の木材は何れも皆着色してカヤ材に擬すなり【工藝】 | |
碁盤 将棋盤4 |
ごばん・しょうぎばん | 用材 | カヤに亞ぐはイチョウにして材色カヤに似ると雖も材質軟くして投石の音は到底カヤ材に及ばず然れども使用に従て材色美となる東京附近に生ずるものは材質軟かにして工作し易きも地方に産するものは堅質なり此木は近時その産額を減少せり【工藝】 注:スプルースが「新カヤ」の名で流通するようになって以来、イチョウがシェアを落としたという。 |
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碁盤 将棋盤5 |
ごばん・しょうぎばん | 用材 | カツラは普通品にして稽古用として多く製造せられ其木理の粗ならざる以上は使用に耐ゆ近時に至りては殆んどイチョウ製と同格なり然れども使用に従て材色黒くなるの欠点ありサクラも亦同じ【工藝】 | |
碁盤 将棋盤6 |
ごばん・しょうぎばん | 用材 | 日向産の@カヤが石を打ったときの触感覚,音響感覚が最高であるといわれている。Aイチョウ,Bカツラがこれに次ぎ,イチイやヤマグワも使われる。イチョウはカヤに比べると音がよくないということで,低い評価を受けている。 商品としての呼称として,スプルースは「新カヤ」,アガチスは「新桂」などと,あまり誠実でない名称が平然と使われている。 |
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碁盤 将棋盤7 |
ごばん・しょうぎばん | 用材 | 十分乾燥せるものは適当の寸法に木取り鉋削して本場のカヤは直に罫線を施し地カヤ,イチョウ,カツラは塗料にて色を付す。 [塗料]:藤黄(しおう)(樹皮に由来する植物系染料)と上透の膠と(一面に付き膠一本と盃に藤黄一杯)を混じ熱を与え溶かして之を練り合はす其中にカツラ材には少し赤味を付す為め砥粉又は弁柄を地カヤ,イチョウにはクチナシを夫々藤黄の四分の一くらい混じて盤に塗布す次で塵を落す為木賊(トクサ)にて少し磨くなり【工藝】 |
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碁盤 将棋盤8 |
ごばん・しょうぎばん | 用材 | 次ぎに基盤師の秘密に付し独特の技術たる目盛りを施す目盛の準備としては角粉を掛け其上を胡麻油にて拭き取り次に規定の寸法に従って縦横の線各十九本を引く瀬締と花漆とを三と一の割合に混合し之に少量の油煙墨を混じ練り合はせて漉紙三四枚重ねて漉して目盛の料とす目盛法には古は筆盛一方なり,筆盛は目盛として最も堅牢なる方法なり,されど近来は手数を省く為箆盛になす【工藝】 | |
駒 | こま | 語意 | 天童町字田鶴町は旧織田の城趾にして士族戸数百五十戸あり内製造業者は十三戸あり元足軽役の如き生活困難の為め内職として藩主より許可せられたるものにして今日に至り天童の特産物となれり【工藝】 | |
駒 | こま | 用材 | 駒の材料は材質堅く色澤美なるを好み又使用するに従て益々材色を発揮するものを尚ぶツゲは最も此目的に適するものの如く就中三宅島産は木理鮮明なるを以て御蔵島産に優る【工藝】 ⇒ 「将棋の駒」を参照。 |
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護摩木 | ごまぎ | 語意 | 密教の儀礼として、護摩壇で炊く小割した木材。 | |
護摩木 | ごまぎ | 用材 | 護摩木は火勢が強く,パチパチはぜる木がよく,ヌルデやゴマギが用いられた。 (注)ゴマギの「ゴマ」は葉が胡麻(ゴマ)に似た匂いがあることに由来するもので、護摩木の名称とは関係がない。したがって、ゴマギが用いられたとする内容には疑問がある。 |
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米搗臼 | こめつきうす | 語意 | こめつきうす。⇒ 臼と杵 | |
ゴルフクラブ1 | ごるふくらぶ | 用材 | ゴルフ発祥の地イギリスの初期のクラブ・ヘッドには,セイヨウサンザシ,シャフトにはカシが用いられた。 欧米ではその後クラブ・ヘッドにサトウカエデやハナミズキ,ナッタルミズキなどが用いられ,後に各国とも北米産のアメリカガキ(パーシモン)を最適とした。日本の食用ガキ類はパーシモンより材質が劣るのでだめであるが,通称ヤマガキはパーシモンにまさるとも劣らぬといわれている。 |
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ゴルフクラブ2 | ごるふくらぶ | 用材 | 【コメント】かつて、国産高級ゴルフ用品メーカーがヤマガキの材を求めて、九州の山村を徘徊し、大径材を買い漁ったという話を聞いた。 | |
棍棒 | こんぼう | 語意 | 徳利状木製の体操用具。一対で一組とする。新体操で使用。 |