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木の雑記帳 木造建築用語のお勉強 |
あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 | は行 | ま・や・ら行 |
太鼓落し | たいこおとし | 小屋組に使う丸太は,現在ではほとんどが両側面を削ぎ落としたものが使われている。断面が太鼓の形になるので,太鼓落としと呼ばれる。太鼓に落とした方が仕口の刻みにも具合がいいし,金物も取り付けやすい。 |
タイル | たいる | 土の種類や焼成温度によって大きく3種類に分けられる。 @陶器質タイル⇒ 1000度以上。特に寒冷地の外壁には不適で,内装の壁などに使用する。 Aせっき(b器)質タイル⇒ 1200度前後。外装,床,一部内装にも。 B磁器質タイル⇒ 1250度以上。外装,床,モザイクタイル,一部は内装にも。 |
タイル2 | たいる2 | 裏脚⇒タイルの裏側にある凸凹 |
タイル3 | たいる3 | 欧州では,タイルは内装のみに使い,外装には基本的に使わないのが常識である。その理由の一つは,欧州では凍結融解によるアタックが激しいので,外壁のタイルが割れてしまうからである。【杉本賢司】 |
三和土1 | たたき1 | 本来は「叩き」と書くべきものを,赤土などの叩き土,約倍量の石灰,苦汁(にがり)を練り,叩き固め,三種の材料の和と書いて,たたきと読ませる。古くは桂離宮から,社寺,町家にまで使われており,庶民の家の土間などでは,単に叩き固めたものまで,おしなべて「たたき」と呼んでいた。土間のコンクリートなどは,今でもたたきと呼ぶ。 |
三和土2 | たたき2 | 風化した花コウ岩,安山岩などのケイ酸に富む土に,消石灰と水を加えて練り,硬化させた床仕上げ,およびその材をいう。仕上げのとき木片を使ってたたきしめることからこう呼ばれた。江戸時代に三河(三州たたきといわれる)や西日本で,住宅の土間や軒下の舗装として使用され,一般化した。【百科】 |
畳 | たたみ | 畳の構成:@畳床(たたみどこ),A畳表(たたみおもて),B畳縁(たたみへり) ・畳床の伝統的な素材は稲わら。5層に直交させるのが一般的で,高級品は7層。上級品は框(畳の縦方向)に頭板(かしらいた)又は框板という板を入れる。近年はポリスチレンフォーム,インシュレーションボードなどの多様な素材が利用されている。 ・い草の畳表は中国産が過半を占めているという。 ・畳は床の間に対して長辺を平行させて敷くのが基本。 |
畳寄せ | たたみよせ | ⇒幅木 |
榱・桷・垂木 等々 | たるき | 建築の屋根工事で屋根板,あるいは屋根下地材を直接支えるために,棟から外周の軸組に斜めに架け渡された部材の名。垂木・榱・桷・[木偏+垂]・椽・架 とも書く。 |
樽栓 | たるせん | 建築現場でいう樽栓は,断面が台形になっている円錐台形の埋木(うめぎ)をいう。コンクリート壁に胴縁などを打ち付けたりするときの手がかりになる。樽栓は台形の頂部(直径の狭い方)を型枠の面(つら)に接するように型枠に打ち付けて置いてコンクリを打つ。そうすれば抜けなくなる。 |
チタン | ちたん | 京都の北野天満宮の屋根は緑青色のチタンを使用。 |
千鳥 | ちどり | ずらして等間隔に釘やボルトを打つことを「千鳥に打つ」という。タテヨコ間隔をなるべく空けてしかも密に並べるため。 |
栂普請 | つがぶしん | 特に関西において高級な建築とされてきた。床柱,柱,長押,鴨居,廻縁,束柱,敷居あるいは門にまで広く用いられる。 |
継手三種 | つぎて | @腰掛け蟻継ぎ 簡単な割にはかっちりとかみ合うところから,住宅はこの継ぎ手が主力を占めている。土台,大引き,桁,小屋梁などの継ぎ手に用いられる。 A腰掛け鎌継ぎ 古くから伝わる継ぎ手。引張る力に対しては腰掛け蟻継ぎより強く抵抗する。土台,大引き,桁などの継ぎ手に使われる。 B追掛け大栓継ぎ 大部材の接合に適している。一般的には垂直材(柱,束)の支えを受けない胴差し,桁,梁、棟木の継ぎ手として用いる。 |
つけ鴨居 | つけかもい | 建具の入らない壁面に,鴨居の位置(高さ)に取り付けられる横木。装飾的なものであるが,長押を設ける場合には必ず必要である。長押のない数寄屋建築では省略しなければならない。【内田】 |
土壁 | つちかべ | 一般的な土壁仕上げは下塗りの荒壁に,中塗り,上塗をして仕上げとなる。 |
角又 | つのまた | 漆喰塗り用ののり。コウモ類ツノマタ属のツノマタを干したものを煮てつくる。科学のりが多用されるようになったが,昔から「しっくい塗りの生命は角又にあり」といわれていた。 |
妻 | つま | @切妻屋根の屋根なりの形としての側面を妻と呼ぶ。「端」とも書き,ものの端を意味するという。切妻,妻壁の後があるが,妻を切り刻んだり,妻を壁に塗り込むことではない。 A棟と直角にある側面のことを妻という。妻の字は端や褄(つま)と同義とされる。褄とは着物の裾の左右両端部,または衽(おくみ)の下のヘリの部分でもある。これに対して妻と直角の方向,すなわち棟と平行にある面を平(ひら)という。【矢ヶ崎善太郎】 |
妻入り,平入り | つまいり,ひらいり | 建物の主要な入口がどちらの面に向いているかを屋根の形との関係で表現するもの。妻側に入口があれば妻入りであり,平(ひら)側にあれば平入りである。 |
吊束 | つりづか | 鴨居などを梁から吊ってたわまぬように用いられている束。 |
手蛸 | てだこ | 堅木に1メートル前後の握り手を2本又は4本取り付け,重量も20〜40キロ。軽いものは一人で突き,時には」「向い蛸」といって,二人で向かい合って突く。重たい蛸は四人掛かり。さらに大きい大蛸をロープで引くのは,俗に言う「ヨイトマケ」である。 |
テラゾ | てらぞ | terrazzo デラゾー とも。イタリア語に由来する。英語の発音は「テラゾウ」に近い。細かく砕いた大理石(大理石チップ)等にセメントと着色用顔料を混ぜて固め,表面を磨いてつや出しした人工(大理)石。耐摩耗性に優れ,40cm角のテラゾタイルは公共施設等の床材として,任意の寸法のテラゾブロックはビルトイレの間仕切り板としておなじみ。酸性雨に弱いため,屋外での利用には不適とされる。工程が多いことからコスト高となり,現在では需要が激減しているという。【2001】 |
【樹脂系テラゾ】上記のものを「セメント系テラゾ」として区分する。これは,大理石,蛇紋岩,花崗岩などの天然石を砕石にしたものに,ポリエステル系樹脂を加えて固めたもので,天然石に比べて強度が均一なのが特徴。主に輸入規格品で,ローコスト材として需要が伸びている。 | ||
<参考> 【人研ぎ】じんとぎ。人造石塗り研ぎ出し仕上げの略。セメントに顔料や大理石,蛇紋岩の種石を練り合わせて塗り,硬化後に研磨して表面に光沢を持たせる工法。ステンレス以前の流し台,一昔前の滑り台でおなじみ。種石の大きさが,12〜4.5oのものをテラゾ,4.5〜1.5oのものを人研ぎという(勝榮石材KK)。 |
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天井1 | てんじょう1 | 竿縁天井:和室に用いられる最も一般的な天井。釣木で釣った竿縁の上に厚さ約7ミリの天井板を並べて張るもの。釣天井とも言われる。竿縁と直角に天井板を羽重ねに張るのが普通で,竿縁と平行に張ることもある。竿縁は床の間と平行に渡して取り付けるのが慣習で,床の間に直角に付けたものは「床刺し(とこざし)」(⇒指し床の項参照)といって嫌われている。【小林】 |
天井2 | てんじょう2 | 格(ごう)縁天井:書院造りで完成された天井。太い格縁(ごうぶち)を井の字形に組み合わせたもので,格式の高い手法として用いられる。正方形の格間(ごうま)には,一枚板の鏡板を張るのが原則であるが,布,紙,ボード,テックスなど,いろいろの材が張られている。【小林】 |
天井2−2 | てんじょう2−2 | 寺院の天井などに多く見られる格子状の天井。この格子状の木材を格ぶち(ごうぶち)という。 |
天井3 | てんじょう3 | 目透かし天井:天井板を板の厚みぐらい(6〜9ミリ)透かして張った天井である。最近は合板の長尺で,目透かし用の天井板が出ている。【小林】 |
天井4 | てんじょう4 | 張り天井:壁紙用の紙や布などを合板や石膏ボードの下地に張り上げたもの。 |
天井5 | てんじょう5 | 竿縁:天井板を下から支える細い部材の総称。天井板とは直角に配置される。45センチくらいの間隔に入れる。 |
天井6 | てんじょう6 | 指し床:天上の竿縁が,床の間の正面に向かって直角に設けられているのを指し床という。古典的な建物にその例が残ると言われるが,竿縁が床の間に突き刺さるような形から,「切腹床」といって武家社会では避けられていたといわれ,このあり方は現在でも伝わっているようである。竿縁を必要としない目透し張りの天井でも,天井板は床の間に平行に張られ手,目透しの目地が潜在意識的に指し床の形にならないようにされているのが一般的のようである。 |
とい(樋) | とい | 軒先に付けられた水平方向のものは軒どい,壁に付けられた垂直方向のものが竪どい。軒どいから竪どいへの接合部をアンコウという。軒どいからの受け口がアンコウのように開いていることによる。 |
胴差し | どうさし | @ 木構造の軸組において,通し柱では2階以上の床の位置で柱を相互につなぎ,管柱では下階柱の上端を相互につないでいる構架材。 A 二階建ての建物の場合に,一階の柱の上部に横架材を設ける。建物の外周部のこの横架材を胴差しという。つまり,一階と二階の境目に胴を差し通すように配置した横架材である。なお,建物の内部の横架材は「床梁」という。【内田】 |
胴貫 | どうぬき | 土塗り壁や乾式工法で真壁造の壁仕上げをする場合,柱・間柱を横につなぐために,板材(貫)を柱・間柱の穴に通したもの。小幅板が柱・間柱をを貫くことから「胴貫」といい,小幅板を「ぬき」というようになった。【内田】 |
胴縁 | どうぶち | @ 壁において,羽目板やボードなどを取り付けるための水平材。木造や鉄骨造では柱,間柱に取り付け,コンクリート壁や煉瓦壁ではあらかじめ木煉瓦を埋め込んでおいてこれに取り付ける。 A 壁の仕上げ材を取り付けるための下地材で,柱や間柱に打ち付けた小割り材の横木。30センチ,45センチなどの間隔が多い。 |
通し柱 | とおしばしら | 建築基準法施行令第43条の第5項では「階数が二以上の建築物におけるすみ柱又はこれに準ずる柱は、通し柱としなければならない。ただし、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合においては、この限りでない。 」としている。 |
床 | とこ | 日本古代の住宅で,周囲の平らな床(ゆか)より一段高くなった人の座る場所。畳や衾(ふすま)を敷いたものらしい。寝場所も同じ形式であったところから,寝所の意味にも使われ,〈ねどこ〉〈とこを敷く〉など,一般的な用法として広く使われている。また人の座を下で支える部分という意味から,田の床,畳床などのように,下地にあって表装を支えるものも床と呼ばれることが多い。室町時代以降の上層住宅においては,貴人の座として床(ゆか)を柱幅ほど高くした上段や,帳台を意味したようであり,上段の押板が床の間に変化するのに伴って,床の間の略語としても使われている。【百科】 |
床板 | とこいた・ゆかいた | 床の間にはる板又は床にはってある板。 |
床柱 | とこばしら | 間違っても「ゆかばしら」などと読んではいけない。「とこ」と「ゆか」は状況・文脈で判断。 |
栩板 | とちいた | 屋根葺(ふ)き板の一。こけら板やとくさ板より厚く、1〜3センチメートル、幅9〜15センチメートル、長さ約30センチメートル。社殿・能舞台などの屋根に用いる。 |
ドーマー | どーまー | 主となる屋根から突き出た小屋根。 |
土蔵 | どぞう | 現在見られる土蔵の様式は江戸時代に完成した。壁の上部に鉢巻、下部に腰巻という突起部を付ける。(関東では腰巻があって軒の鉢巻が幅広いが、関西では腰巻がなく鉢巻も狭い。土蔵造りの町並みとしては埼玉県川越市のものがよく知られている。 |
土蔵・折れ釘 | どぞう・おれくぎ | @土蔵の壁(や瓦)を補修する時に足場を作る用を果たす。A板囲いの板を押さえるものだが,桟木を外すと火災から守れるという。 <参考>「縄掛けて 足場を組んで つぶと折れ釘」 【川越蔵の会 蔵の街かるた】 |
土蔵・目塗台 | どぞう・めぬりだい | 火事の時に,観音扉を閉め火の進入を防ぐ為に扉のすきまに用心土を塗りこめる作業の為の台。看板を載せる台ではない。 |
トラバーチン | とらばーちん | @虫食い模様をした大理石。事務所の天井材として,トラバーチン模様を型押しした化粧石膏ボードが多く使われている。どこで接合しても目立たないメリットがある。 A平行な縞状の細孔を持つ無機質石灰岩。広義の大理石の一種として扱われ,古来建築用,装飾用に広く使われてきた。【百科】 |