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樹の散歩道
  不快虫、薄気味悪い虫、謎の虫、奇妙な虫など


 不快虫は生物学の用語ではなく、多くの人がいやがる虫のことを意味し、したがって人によってその範囲は大きく異なっているのが普通である。若い娘は本能的に演技するから、本当はどれほどいやがっているのかさっぱりわからない。また、しばしば普通の人が嫌う巨大なムカデや蛇をペットとして飼うケースが見られるが、これは明らかに好きと言うより人がいやがるからおもしろがって飼っているもので、適当な頻度で客人が驚愕する表情を見ることができなければさぞ退屈で、空しい趣味となるであろう。あくまで他人の目を意識して成り立つ趣味であり、したがって密かに楽しむようなものではないと思われる。さて、気持ちの悪い虫を日々探し回っているわけでもないから、以下にたまたま見かけた美しくない虫たち≠記録として残すこととしたい。ただ、もどかしいのは素性がすぐに確認できないことである。なお、対象を不快動物にまで拡大すると、不快人間、不快民族、さらには不快国民も間違いなく存在するが、きりがないのでここでは取り上げない。【2010.9】 


 
       アオズムカデ
 やはり不快虫の筆頭である。筋骨たくましい男でも、これが体にとりついたら悲鳴を上げるであろう。(再登場
(捕獲者:垂井厚世さん)
     マダニ その1(正面)
 我が首筋に食らいついていたマダニの1種で、思う存分に吸血した後である。口器の中心がストローか?
     マダニ その2(腹側)
 平常時の数倍ほどに体が膨満しているはずである。少々へこんでいるのは、引き剥がす時につまんだため。 
     
       ワラジムシ
 北海道の住宅、特に隙間が豊かな住宅にぞろぞろ入り込む。丸まることができないダンゴムシといった風情である。ガムテープで捕捉するのが一番であることが知られている。
       コウガイビル
 ヒルとは異なり、プラナリアの仲間という。平たい頭部をひらひら揺らしながら湿ったところを這い回る。ナメクジやミミズを食う肉食怪虫である。
(捕獲者:小野雅子さん) 
      ゲジ(ゲジゲジ)
 形態的に嫌われるために存在するような虫である。親を恨んだところで、両親も全く同じ姿形であるから仕方がない。ゴキブリの天敵といわれるがゴキブリより気持ちが悪い。
     
 セイタカアワダチソウとアブラムシ
 そのものずばりの「セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ」の名がある。セイタカアワダチソウと同様に北米原産とされる。植物にとっては厳しい試練である。
      ゴンズイとアブラムシ
 こちらはゴンズイの枝に寄ってたかって汁を吸っていたアブラムシである。前者と同様に皆規律正しく逆さまになっているのは、何か都合がいいのであろう。
        謎の卵???
 黒光りする謎の小さな楕円体で、ビッシリ寄り集まって樹皮に付着している様は何とも薄気味悪い。調べると、クリオオアブラムシの越冬卵の可能性が高い。
     
   ヨコヅナサシガメの幼虫
いかにも凶悪な形態で、やはり肉食性である。横腹の縞からカメムシの仲間とわかる。樹皮の窪みにぐちゃぐちゃに重なって越冬する姿はぞっとする。
     謎の怪虫 その1
 イシクラゲ(参照)を水に浮かべてHB101をおもしろ半分に垂らして経過観察していたところ、2種類の多数の小さな怪虫と糞だけになってしまった。
     謎の怪虫 その1
 これはもう一つの種類で、前者と形態が少々異なる。この正体不明の怪虫の卵が付着していたのであろうか。
脱皮殻のカスかもしれない。
     
    ザトウムシ その1(全身)
 小豆ほどの体に極端に長い足を持ち、刺激すると体を上下に揺する奇妙な行動が見られた。こんな長い足に何のメリットがあるのであろうか。 
  ザトウムシ その2(拡大写真) 
 長い足を繊細に制御できることに感心するが、狭いところではさぞ行動しにくいであろう。オレンジ色の点はダニである。ダニは虫にも嫌われる!
    アワフキムシの幼虫
 タラノキの芽の芽鱗に泡ぶくが付いていて、その中の住人の正体はアワフキムシシロオビアワフキの幼虫であった。泡は迷惑であるが、自らを護る効果があるとのこと。吸汁性害虫の烙印あり。
     
    ヤスマツコナジラミ
 カゴノキの葉裏で多数見られたもので、さなぎということになるが、成虫がどんな姿か知らない。大きさは1ミリほどの奇妙な生物である。(再登場) 4齢幼虫(蛹)。
       ウシアブ 
 人を刺す種類のアブは昔からの嫌われ者である。写真のアブはハエのような敏捷性はなく、スズメバチのような屈強さもないため、うちわで軽く叩き落とせる。しかし吸血タイプらしい。
     クルミハムシのさなぎ
 姿形はほとんどエイリアンである。小葉を食べ尽くされたオニグルミの葉軸にずらりとぶら下がっていた。
あー薄気味悪い!!
     
      ズミとオビカレハ
 この幼虫は枝を利用して糸で分厚い帆を張るようにして、これにたむろしていた。ぞっとする風景である。
アズキナシとウンモンチュウレンジ
 この幼虫は、アズキナシの葉を規則正しく整列して取り囲み、側脈も残さず食べ尽くす。恐ろしい食欲である。
     フクラスズメ
 つついたら体をブルンブルン振り出して驚いた。毒はないとさる。この気味の悪い行動から、かえって突いてみたくなる。 
     
 幼虫たちは体がブヨブヨして軟らかく、食感を損ねるかさかさした羽や粉っぽい鱗粉を持たないから非常に食べやすい上に栄養満点であるから、これを補食するものにとっては格好のごちそうであることは間違いない。そこで、幼虫が生きる道としては、色でカムフラージュするか、いかにもおいしくなさそうな外観を装うか、鳥のくちばしが届かないところへ穿孔して潜行するかのいずれかと思われる。したがって、原色を使った派手な装いの芋虫君が多いのは理解しにくい点で、毒を持つなど警戒色として解釈されているものがあるが、必ずしも原色イコール有毒ということでもないようである。 
     
  この穿孔虫は線香虫???
 原木市場の丸太の木口から線香の燃えかすのような食いカスが伸びていた。土場のおっちゃんは線香虫といっていたが、この穿孔虫の正体は?       
      穿孔虫 その2
 木材に穿孔する幼虫は体がぶよぶよでも頭は硬く、まるで削岩機を具えているかのようである。  
      穿孔虫 その3
 こちらの削岩機はさらにパワーを秘めているような印象である。 
 サツキツツジとルリチュウレンジ
 サツキツツジの新葉を食い尽くす憎き幼虫である。捕食者にとっては美味な印象である。
       毛虫君A 
 タンポポの花をむさぼり食っていた奇妙な毛虫。
         毛虫君B
 なぜか平らなところを忙しそうに移動中であった。全くおいしそうに見えない毛虫で、モコモコとした動きはユーモラスでさえある。
     
       毛虫君C
 醜さでは右に出るものがないほどで、私は見た目のとおり、まずいですよーとアピ−ルしているようである。 
        醜悪な虫
 軟らかい土の中で薄気味の悪い無数のこの虫が蠢いていた。ぞっとする風景であった。
      ヤモリの驚異の足
 壁・天井を自由に歩く驚異の足裏の秘密は、このひだを構成する微細な繊維状のスパチュラ構造によるファンデルワールス力(分子間力)によるという。
     
        チャドクガ
 恐怖の毒針毛を持つ毒蛾で、ヤブツバキの葉裏にびっしり取り付いていた。思わずのけぞる風景である。
       オカモノアラガイ
 奇妙な形に驚く。まるで、カタツムリの殻から出た体をちょん切ったように見えるが、これで薄い殻を持っている。
  オオトビモンシャチホコの幼虫
 コナラの枝先の葉を食べ尽くして、なぜか団子状に固まっている風景である。なぜさっさと新しい葉を食べるために移動しないのかは不明である。
     
 
         ヤマトシミ
 特に紙が大好きな不快虫、生活害虫として住居環境に古くから定着している。写真の個体は捕獲時に3本の尾の一部が切れてしまった。
      ヤマトシミの頭部 
 なかなか素早い動きを示し、しなやかにくねくねと動くことから紙魚の名をもらったという。小さな2個の複眼が確認できる。
     ツツジクロコナジラミ
 ツツジの葉裏で見られたもので、体長は約1ミリほどである。体周のロウ物質が美しい。
     
 チャトゲコナジラミの幼虫と成虫
 ヒサカキの葉裏で見られたもの。卵、幼虫、成虫がセットで見られた。茶などのツバキ科植物に寄生する害虫として知られる。
   チャトゲコナジラミの幼虫
 体長は約1ミリほどである。刺の先端にしずくが見られるのは、吸汁した残余の水分あるいは甘露であろうか?
   チャトゲコナジラミの成虫
 ミカントゲコナジラミに似る。
     
    アオバハゴロモの幼虫 1
 全身が自ら生成する綿状のロウ物質に覆われていて、脚しか見えない。昔は子供たちが成虫を指でつついて遊んだ。
   アオバハゴロモの幼虫 2 
 ロウ物質を取り去ると、黄緑色の全身が確認できる。案外ずんぐりしている。
   アオバハゴロモの幼虫 3 
 カメムシ目共通の細長い吸汁のための口器(長い口吻)が確認できる。
     
      アオキコナジラミ
 トベラの葉裏で見られたもの。先のツツジコナジラミとデザインを競っているようにみえる。周囲には同様の丁寧なつくりの縁取り構造がある。4齢幼虫(蛹)。
   アオキコナジラミ(腹側) 
 同左の腹側で、針のように見えるのは吸汁のための口吻(口針)であろう。名前はアオキに寄生した個体により記載されたものというが、アオキでは見たことがない。
  イヌツゲシロコナジラミか?
 アセビの葉裏で見られたもの。 
     
    クストガリキジラミか?
 クスノキの葉裏で見られたもの。 
 クストガリキジラミの幼虫と思われ、写真の上側に1対の眼がある。
 マルカイガラムシの仲間の雌成虫 
 クスノキの葉裏で見られたもの。
脚は退化している。右上に見える針状のものは腹側にある口吻(口針)である。この虫のレポートはこちらを参照
 カメノコロウムシの雄の殻か?
 ゲッケイジュの葉裏で見られたもの。きれいなデザインである。