主要樹種 識別のポイント

注1: 葉の形態などに類似性のあるもの,和名の一部に共通性のあるもの等を適宜括って,その識別のポイント等を掲げた。
注2: 区分に用いた名称は,五十音順に掲げたが,種の掲載順は植物分類の体系には沿っていない。また,種を広く網羅するものではない。
注3: 引用・参考文献は別途掲げたとおり。

*3裂葉 リストへ戻る
カエデ科 ウリカエデ 葉は対生,ほとんど分裂しないか,浅く3裂し,ときに5裂する。縁には不ぞろいの重鋸歯がある。樹皮は緑色に黒い縦の縞が入り,なめらか。名前は枝の肌が緑色でウリ類の色に似ていることによる。 カエデ属
マンサク科 フウ 中国南部,台湾原産。葉は互生。掌状に3中裂する。縁には鋭い微鋸歯がある。葉はトウカエデに似るが,カエデ科は対生なので区別できる。樹皮は黒褐色,老木では縦に浅く避ける。 フウ属
カエデ科 トウカエデ 中国・台湾原産。葉は対生,掌状の3脈があって,浅く3裂する。成木では全縁だが,幼木では縁に大きな鋸歯がある。幹は凹凸が著しく,樹皮は褐色で薄片状にはげる。このカエデ科らしくない樹皮が特徴の一つ。じょうぶな木で,最近は街路樹に多く用いられる。園芸品種も多い。 カエデ属
*赤い若葉の例    リストへ戻る
バラ科 カナメモチ アカメモチとも。若葉は紅色を帯び美しい。葉は互生,縁に細かい鋸歯,革質で表面は光沢。実生変異種にベニカナメモチがあり,一層紅色。レッドロビンという品種もある。しばしば材を扇の要としたとの説明があるが誤り。 カナメモチ属
トウダイグサ科 アカメガシワ 葉の伸び始めは鮮やかな赤色で美しい。この色は葉そのものでなく表面の毛の色に由来すると言う。葉は互生,先端は尖り,縁はしばしば浅く3裂し,裏に黄褐色の腺点あり。和名は赤芽ガシワの意で、この木の新芽が紅赤色で,カシワの葉と同じように葉を食物をのせるのに使ったことから付けられた。 アカメガシワ属
クスノキ科 クスノキ 若葉は最初は赤っぽいが,数日のうちに明るい黄緑色となる。 クスノキ属
クスノキ科 タブノキ 若葉は赤みを帯びる。花柄も赤くなる。 タブノキ属
ブナ科 アラカシ 若葉は赤みを帯び,白い毛で覆われている。 コナラ属
ブナ科 シラカシ 春に出る若葉は赤みを帯びる。 コナラ属
ツバキ科 モッコク 若葉は赤味を帯びる。 モッコク属
【参考】これらの若葉は赤い色素のアントシアニンを多く含み,若い細胞を有害な紫外線や寒さから守っているとされる。
*アカシア 3種 リストへ戻る
マメ科 ギンヨウアカシア フサアカシアに似るが,若枝に毛がなく,葉は全面に白粉を帯びて灰緑色を呈し葉長4〜6cmと小さい アカシア属
マメ科 フサアカシア 葉は粉白色を帯びる。全体に軟毛。ギンヨウアカシアに似ているが葉と花序は長い。ヨーロッパではこの花をミモザと呼んで親しんでいる。 アカシア属
マメ科 モリシマアカシア 葉は大きく,表面は暗緑色で艶がある。 アカシア属
*アサガラとオオバアサガラ    リストへ戻る
エゴノキ科 アサガラ 落葉樹林のやや湿ったところに多い。葉は先端が短く尖り,基部はやや円形。縁には内曲する浅い鋸歯があり,鋸歯の先端には腺状の突起がある。両面とも細かい星状毛が散生し,特に脈上に多い。裏面は淡緑色。葉裏の網状脈が隆起しない点がオオバアサガラとの違い。また,複総状花序はオオバアサガラより横幅があるのですぐわかる。名前は麻殻(皮を剥いだ麻の茎で軟らかく折れやすい)から。 アサガラ属
エゴノキ科 オオバアサガラ 山地の谷沿いに多い。名前はアサガラより葉が大きいことによる。葉の先は短く尾状に尖り,縁に腺状の微鋸歯がある。裏面は全体に微細な星状毛に覆われ,白っぽく脈沿いには開出葉がある。主脈や側脈の他,網状脈も隆起するのが特徴 アサガラ属
*イジュとヒメツバキ リストへ戻る
ツバキ科 イジュ 沖縄と奄美諸島,台湾,中国南部,東南アジアに分布。イジュの名は沖縄の方言。葉は互生,小枝の先端に集まる。鋸歯縁又は全縁(縁はつぶれた鋸歯があるか,又は波状)。花は径3cm大の5弁の白花が枝の先端に花束状に集まって咲き,強く香る。 ヒメツバキ属
ツバキ科 ヒメツバキ 小笠原諸島の特産。ムニンヒメツバキとも。小笠原ではロースードと呼ぶ。(欧米系の島民の古くからの呼び名で,英名 Rose Wood の意ともされる。島の代表的な花木。葉はイジュによく似るが,イジュより厚くて硬く,枝頂に集まり革質で光沢があり,全縁で,裏面は有毛で葉脈がやや不明。花は散房に頂生し,花冠は白色で径3.5〜4cm。 ヒメツバキ属
【注】イジュとヒメツバキは同一種とする見方(説)もある。
*イヌ○○の例 リストへ戻る
モチノキ科 イヌウメモドキ ウメモドキ(モチノキ科モチノキ属)の変種で枝葉に毛がない。 モチノキ属
マメ科 イヌエンジュ エンジュは中国原産でマメ科クララ属。イヌエンジュは,マメ科イヌエンジュ属で葉がやや大振りで,葉の裏には細かい灰色の毛が密生し,葉の先は尖っていない。また,樹皮は灰褐色で比較的平滑,網目に似た模様がある。枝を折るとソラマメに似た匂いがするという。 イヌエンジュ属
クスノキ科 イヌガシ カシ類はブナ科コナラ属だが,これは,クスノキ科シロダモ属。カシの名を有するが,クスノキ科の樹木で,材質が劣るのでこの名がついた。 シロダモ属
イチイ科 イヌガヤ カヤはイチイ科カヤ属,イヌガヤはイヌガヤ科イヌガヤ属。イヌガヤの葉は柔らかい。イヌガヤの実は食用にならず,材質もカヤに及ばない。 イヌガヤ属
クスノキ科 イヌグス タブノキの一名。樟脳がとれないことから。クスノキはクスノキ科クスノキ属,タブノキはクスノキ科タブノキ属 タブノキ属
バラ科 イヌザクラ 他のサクラ類と同様,バラ科サクラ属であるが,華やかさではサクラに及ばないと言うことか。花は総状花序。 サクラ属
ミカン科 イヌザンショウ サンショウ,イヌザンショウ,更にカラスザンショウもミカン科サンショウ属。サンショウは棘が対生するのに対してイヌザンショウは棘が1個ずつ互生状につき,葉や果実に香りが少なく,サンショウのような利用はできない。 サンショウ属
カバノキ科 イヌシデ 他のシデ類と同様,カバノキ科クマシデ属。標高の低いところに圧倒的に多い。葉の上面側脈間に絹毛がやや密に残る。葉柄や本年枝に毛が密生するのが特徴。
この場合の「イヌ」は,毛に由来するものとも。
クマシデ属
モチノキ科 イヌツゲ ツゲはツゲ科ツゲ属で葉は対生,イヌツゲはモチノキ科モチノキ属で葉は互生。イヌツゲの名は,ツゲに似ているが役に立たないからという。イヌツゲに対してツゲをホンツゲと呼ぶことがある。 モチノキ属
クワ科 イヌビワ ビワはバラ科ビワ属,イヌビワはクワ科イチジク属。ハマビワはクスノキ科ハマビワ属,ヤマビワはアワブキ科アワブキ属。
イヌビワのイチジクのような小さな実は黒紫色に熟し食べられる。
イチジク属
ブナ科 イヌブナ 和名はブナより材質が劣ることから。ブナもイヌブナもブナ科ブナ属。イヌブナはブナより少し標高の低いところに生え,太平洋側のやや乾燥した山地に多い。 ブナ属
マキ科 イヌマキ マキ科マキ属としてイヌマキとナギがある。庭木用としては矮性のラカンマキが一般的。コウヤマキはコウヤマキ科コウヤマキ属。コウヤマキ(高野槙)はホンマキともいう。 マキ属
*ウツギの例(○○ウツギ)    ⇒ 科,属はそれぞれ リストへ戻る
ユキノシタ科 ウツギ ウツギ属。木釘。枝が中空なので,空木(うつぎ)という。5弁花,下向き。(マルバウツギは上向き)。葉の縁には浅い鋸歯。
【参考】木釘:ウツギ,ヒバ,ガマズミなどの木を細長い円錐あるいは角錐状に削り,火熱で煎(い)って硬化させたもの。
ウツギ属
ユキノシタ科 マルバウツギ ウツギ属。花は上向き。花弁が平開するのでオレンジ色の花盤がよく見えるのが特色。 ウツギ属
ユキノシタ科 ノリウツギ アジサイ属。木釘。葉は対生または3輪生する。花序は円錐花序のまわりに装飾花をつける。名前は内皮のぬめりのある粘液を和紙を漉くときの糊料に用いたことによる。 アジサイ属
ユキノシタ科 ガクウツギ アジサイ属。名前は樹形がウツギに似ていて,花序の回りに装飾花をつけることから。 アジサイ属
ユキノシタ科 コガクウツギ アジサイ属。ガクウツギに比べて全体に小さい。 アジサイ属
ユキノシタ科 バイカウツギ バイカウツギ属。4弁花。名前は白い花が梅の花を思わせることによる。 バイカウツギ属
ドクウツギ科 ドクウツギ ドクウツギ属。名前はウツギに似ていて猛毒を持つことによる。 ドクウツギ属
ミツバウツギ科 ミツバウツギ ミツバウツギ属。木釘。枝はかたくて丈夫なので箸の代わりに使える。花は花弁も萼片も白色で,花弁は雄しべ(5個)と雌しべを囲んで直立している。葉は3出複葉。まっすぐで材が粘り強いので切り取った枝を煮て皮を剥ぎ箸や木釘,串を作る。木曾などでは材を削って小正月の削り花もつくる。 ミツバウツギ属
バラ科 コゴメウツギ コゴメウツギ属。ウツギに似て花が小さいので,小米ウツギの意味で,この名がつけられている。 コゴメウツギ属
スイカズラ科 タニウツギ タニウツギ属。花は桃紅色又は紅色で,花冠は漏斗型で先が5裂。 タニウツギ属
スイカズラ科 ハコネウツギ タニウツギ属。初め白色、次で淡紅、後に紅色となり,花冠は漏斗型で先が5裂。特に箱根,伊豆地方に多いので,この名がある。 タニウツギ属
【注】ウツギの名がつくものは6科9属にわたるが,幹が中空でないものも多く,花色も白とは限らない。これらの樹木は多く低木で,樹形が似ており,葉が対生している点が共通している(疋田輝一)。
ウツギ属共通の特徴 ⇒枝に髄があるが,すぐに中空になる。
*ウメ・モモ類(バラ科サクラ属)  リストへ戻る
バラ科 スモモ 中国原産。花弁は5個で,萼片は平開するが,アンズと違って反り返らない。花色は白色。花柄は長さ1.5センチ サクラ属
バラ科 セイヨウスモモ ヨーロッパの原産 サクラ属
バラ科 アンズ 中国北部原産。葉柄はで,アンズの葉柄は2〜3.5cmくらいで,ウメは1cm余りなので区別ができる。花弁は5個。萼片は広楕円形で,反り返る。花柄はごく短い。 サクラ属
バラ科 ウメ 中国中部原産。葉柄は1cm余りで,アンズは2〜3.5cmくらいなので区別ができる。花弁は普通5個。芳香がある。萼筒は広い鐘形。萼片は広楕円形で,アンズと違って反り返らない。花柄はほとんどない。(花梗は短いかほとんど無梗である。) サクラ属
バラ科 ブンゴウメ 園芸品種で,花は薄紅色の八重で大きく,実も大きい。 サクラ属
バラ科 モモ 中国原産。花弁は5個で,芳香がある。花色は白色,淡紅色,紅色。花柄はほとんどない。 サクラ属
*ウルシほか 羽状複葉 リストへ戻る
ウルシ科 ヤマウルシ 雌雄別株。小葉は4〜8対。葉軸は赤褐色で軟毛密生。葉の表面は毛が散生し,裏面脈上には軟毛密生。葉は丸っこくて,基部の小葉が極端に小さくなる。小葉の測脈がまばら。果実に刺し毛がある。成木の葉は全縁または1〜2個の歯牙があり,幼木の葉は鋸歯が大きく目だつ。外見ウルシに似ているが,葉の最下部の1対が他の小葉より小さく,果実は扁歪円形で表に短い刺毛があるので区別できる ウルシ属
ウルシ科 ウルシ 中国・インド原産。古い時代に渡来し,漆をとるために渓谷沿いの比較的湿潤なところに植栽されている。雌雄別株。葉の表面は無毛,裏面の脈上には軟毛が密生。ヤマウルシによく似ているが,小葉の幅が広くて葉がより大きい。果実は平たい球形 ウルシ属
ウルシ科 ヤマハゼ 雌雄別株。葉軸の上面に褐色の軟毛密生。両面とも毛が散生し,脈上にはやや密生。葉脈が明瞭で平行状。葉や枝に毛がある。葉の裏面は紛白にならない。ヤマウルシと違って幼木でも小葉は全縁。 ウルシ属
ウルシ科 ハゼノキ 雌雄別株。ヤマウルシ,ヤマハゼは葉に毛があるが,ハゼノキは両面ともほとんど無毛葉の裏はやや紛白色を帯びる。果皮からロウを採る。葉が細く,先も長く尖る。 ウルシ属
ウルシ科 ヌルデ 葉軸にがある。 ウルシ属
トウダイグサ科 ナンキンハゼ 【参考】中国原産。葉は長い柄があって互生,菱形状の広卵形で鋸歯なし。ウルシ属ではなく,羽状複葉でもない。 シラキ属
センダン科 センダン 2〜3回羽状複葉。小葉は有柄で,へりに不ぞろいな鈍鋸歯がある。 センダン属
ミカン科 ハマセンダン 1回羽状複葉。葉の裏は緑白色を帯びる。 ゴシュユ属
ミカン科 キハダ 葉は対生・1回奇数羽状複葉。小葉はほとんど鋸歯がなく,先は細くなり尖る。 キハダ属
ニガキ科 ニガキ 1回羽状複葉。小葉の基部がやや左右不同。葉をかむと苦い。 ニガキ属
ニガキ科 ニワウルシ 街路樹として植えられている。小葉基部に1〜2対の大型鈍鋸歯 ニワウルシ属
マメ科 ハリエンジュ ニセアカシア。葉は互生し奇数羽状複葉。しばしば托葉の変化した刺がある。とげの生じないものをトゲナシニセアカシア var.inermis DC. という。 ハリエンジュ属
マメ科 エンジュ 中国原産で植栽木のみ。で,葉は互生し奇数羽状複葉で,葉の裏は白色を帯び短毛が生える。樹皮は暗灰褐色で縦に割れ目が入る。 クララ属
マメ科 イヌエンジュ 葉は互生し奇数羽状複葉で,葉の裏に褐色の軟毛が密生する。樹皮は滑らか。枝を折るとソラマメに似た匂いがする。 イヌエンジュ属
モクセイ科 アオダモ 別名コバノトネリコ。葉は奇数羽状複葉。小葉は先が鋭く尖り,縁には明瞭な鋸歯(鋭くのぎ状に尖る)がある。枝を切って水に浸けると蛍光物質が溶け出して、青い蛍光を発する。紫外線を照射すれば見事に青く見えることを確認した。
マルバアオダモは葉の丸みが強く,やや波打ち,鋸歯は少数で鈍い(不明瞭)。
トネリコ属
モクセイ科 ヤマトアオダモ 奇数羽状複葉。若枝には淡褐色の縮れ毛があるがのちに脱落する。 トネリコ属
モクセイ科 ヤチダモ 奇数羽状複葉。小葉の付け根に茶褐色のちじれた毛がびっしり付く。対生する葉柄の基部は枝の4分の1を抱く。樹皮は縦に避ける。 トネリコ属
モクセイ科 トネリコ 奇数羽状複葉。葉柄の上面に浅い溝。はっきりした小葉柄(0.5〜1.0センチ)がある。小葉は広卵〜長楕円形で幅が広い。花には花弁がない。 トネリコ属
モクセイ科 シマトネリコ 奇数羽状複葉の常緑又は半常緑で,光沢があって,花の時期に遠くから見るとトウネズミモチに似る。市街地の緑化木として近年増えている。都内でも多い。別府市では国道の街路樹となっている。 トネリコ属
モクセイ科 シオジ 奇数羽状複葉。小葉には細かい鋸歯,基部はゆがんだくさび形で,向かい合うもの同士相接する。葉柄の基部は著しくふくらみ,茎を抱く⇒(対生する葉柄の基部は,枝の2分の1を抱く)。 トネリコ属
クルミ科 オニグルミ 奇数羽状複葉。葉柄と葉軸には軟毛や腺毛が密生。小葉は幅広く,基部はゆがんだ切り形,縁には細かい鈍鋸歯,裏面には星状毛が密生 クルミ属
クルミ科 サワグルミ 奇数羽状複葉。葉柄と葉軸には軟毛が密生。小葉は長楕円形でほとんど無柄,基部は左右不対象,縁には鋭い鋸歯,表面には長い毛が散生 サワグルミ属
クルミ科 シナサワグルミ 偶数羽状複葉。葉軸に普通ヌルデのような翼がある。小葉は狭長楕円形,先は鈍い。果実は両側に羽根がつき長い穂となって垂れ下がる。 サワグルミ属
ウコギ科 タラノキ 2回羽状複葉。幹や葉軸にトゲがあるのが特徴。タラの芽が山菜として好まれるため,毎年芽をトコトン摘まれて消滅することが多く,木の寿命も短いことから,大きい木は見かけなくなったという。
変種に葉の裏が灰白色で,脈上に縮れ毛があり,鋸歯の鈍いトゲの少ないメダラがあるが,この方がタラノキよりも普通に見られる。
タラノキ属
*カシ類 リストへ戻る
ブナ科 アラカシ 葉は光沢が強く,上部に鋭い鋸歯。裏面は白みを帯び脈沿いに絹毛が残る。里山に多い。山麓に生える最も普通のカシ類なので,単にカシと呼ばれることが多い。和名アラカシは「粗ガシ」の意とも言われる。 コナラ属
ブナ科 アカガシ 葉は厚手で光沢が強い。鋸歯は普通ないが,まれに波状の鈍鋸歯。標高の高いところ。葉柄は2〜4センチで,比較的長い。老樹の樹皮は暗色で汚い。和名アカガシは材の色が赤味があることによる。 コナラ属
ブナ科 シラカシ 葉は細長く,鋸歯はウラジロガシより低い。和名は材の色がアカガシより白っぽいから。葉の光沢は少なく,縁はウラジロガシのように波打たない。ぺたっと平らな感じ。葉裏は緑色で淡褐色の軟毛がある。小枝は紫褐色。葉はウラジロガシに似ているが,ウラジロガシの葉は裏面が紛白色なので区別できる。
(参考)関東地方の里山雑木林(クヌギ,コナラ)は,潜在自然植生はシラカシ林。
コナラ属
ブナ科 ウラジロガシ 葉は長楕円形で先はしっぽ状にのびる。縁には葉の先2/3以上に鋭い鋸歯があり,縁が波打つ葉の裏面は目立って白い。主脈は裏面に突出する。小枝は灰緑色〜灰白色を帯びる。 コナラ属
ブナ科 イチイガシ 葉は倒披針形で先は急にとがり上半に鋭鋸歯がある。葉裏に星状毛が密生して褐色。暖帯の内陸部に生え大木になる。樹皮は灰褐色から暗灰褐色で大きくなると大きな片になって剥げケヤキのような雲紋をあらわす。 コナラ属
ブナ科 ツクバネガシ アカガシに似るが全縁の葉先の一部に尖った鋸歯があり葉柄が短いことで見分けることができる。葉は枝先に集まり輪生状 コナラ属
ブナ科 ハナガガシ 主脈は表面に突出する。 コナラ属
*カツラ,シナノキ,ボダイジュ リストへ戻る
カツラ科 カツラ 葉は長枝では対生,広卵形,先端は丸いか少し尖り,基部は浅いハート形または切形。縁には波状の鈍い鋸歯。両面とも無毛。 カツラ属
シナノキ科 シナノキ 葉は互生,ゆがんだ心円形。先は尾状にのびて尖り,基部はややハート形,縁には鋭い鋸歯があり,裏面の脈腋に淡褐色の毛叢がある。中国・朝鮮半島に分布。 シナノキ属
シナノキ科 ボダイジュ 葉は互生し,裏面は灰褐色で星状毛が密生する。 シナノキ属
*ガマズミ属(スイカズラ科) リストへ戻る
スイカズラ科 ガマズミ 対生。縁には浅い鋸歯,両面とも毛,葉の先の尖り方が鈍い。托葉なし。葉柄は1センチ以上 ガマズミ属
スイカズラ科 コバノガマズミ 対生。縁には鋭い鋸歯,両面に星状毛があり,表面は主脈にそって長い絹毛。ふつう基部に針状の托葉。葉柄は短く6ミリ以下 ガマズミ属
スイカズラ科 ミヤマガマズミ 対生。葉の先が鋭く尖り,縁には浅い三角形の鋸歯。表面はほとんど無毛か長い毛を散生。托葉なし。葉柄は9ミリから20ミリで,赤みを帯びることが多い。 ガマズミ属
スイカズラ科 ヘンヨウガマズミ 花のつかない枝の葉が長楕円形になるものヘンヨウガマズミと呼ぶ。 ガマズミ属
スイカズラ科 オオカメノキ ムシカリとも。対生。円形〜広楕円形,先は短く尖り,基部はハート形。縁には小さな不ぞろいの鋸歯,表面は無毛,裏面は脈上に星状毛が多い。葉柄は1.5〜4センチ。この葉に多く見られる丸い食痕はサンゴジュハムシによるもの。 ガマズミ属
マンサク科 マンサク 互生。葉は左右不相称で少し歪み,上半部は三角形。縁に波状の粗い鋸歯。葉柄は5〜15ミリ。 マンサク属
*カヤ的羽状葉っぱ リストへ戻る
いちい科 カヤ 葉や枝は対生。葉の中肋に沿って凹みがない。葉の先端に触ると痛い カヤ属
いぬがや科 イヌガヤ 葉や枝は対生。葉は2列に並び長い。葉の中肋に沿って凹みがある。葉の裏は白色。葉の先端は痛くない。大木にならない。(樹高6m,直径10cm程度のものが多い。) イヌガヤ属
いちい科 イチイ 葉は短く,互生。 イチイ属
*カンバ類 リストへ戻る
カバノキ科 シラカンバ 樹皮は白色で,薄い紙状に横に剥がれる。
葉の側脈は6〜8対。
カバノキ属
カバノキ科 ダケカンバ 樹皮は淡い赤褐色で光沢があり,薄い紙状に横に剥がれる。
葉の側脈は7〜12対。
カバノキ属
カバノキ科 ウダイカンバ 樹皮は灰褐色または橙黄色で,紙のような薄片になって横に剥がれる。
葉は大きく,基部はハート形にくぼむ。マカンバ,マカバとも。高級家具や内装材として広く使用されている。
カバノキ属
*キリの例(○○ギリ) リストへ戻る
ノウゼンカズラ科 キリ 栽培される。中国又は朝鮮原産。葉は対生・広卵形で全縁又は3〜5裂,両面に粘りけのある毛が密生する。刮ハは長さ約3センチ先の尖った卵形で,熟すと2裂し,翼のある小さな種子を多数出す。材は良質で用途が広い。樹皮からは染料が採れ,葉は除虫用。四国,九州などの暖地ではてんぐ巣病のためまとまった植栽がされない。
*琴や箪笥の材にされたり,紫色の花が美しく,その形がいわゆる桐紋となったのはこちら。
葉は浅く3〜5裂して,三角状や五角状になり,基部はハート形。
キリ属
アオギリ科 アオギリ 琉球・台湾・中国・インドシナ。和名は青桐で,葉が桐に似て樹皮が緑色であることから。樹皮は古くなると灰白色となる。果実はやがて裂けてそれぞれが2枚の葉のようになるのが目立つ。葉は3〜5裂。そのへりに豆のような種子がついている。種子は炒って食べられる。材は建築(建具),家具(箪笥),器具(茶器,箱,下駄,端),楽器,パルプなど。並木によく植えられ,鳳凰の棲む架木とされた。材は良くない
葉は掌状に3〜5裂する。
葉裏有毛のアオギリ(狭義のアオギリ)は中国原産で,日本に本来自生するのはケナシアオギリで葉裏無毛。
アオギリ属
イイギリ科 イイギリ 葉は互生・卵円形で裏面は白っぽい。果実は8〜10ミリの球形で赤く熟す。太い枝が輪生する特徴がある。幹は白っぽい。材は器具(箱,下駄,小細工),薪炭などに用いられる。和名イイギリは飯桐の意でこの葉で飯を包んだことによる。
葉は卵心形,基部は浅いハート形または切形。
イイギリ属
とうだいぐさ科 アブラギリ 中国原産。ドクエとも。葉は心形で先は尖り,しばしば2〜3裂する。円錐状の穂を出して白い花を付ける。果実は直径2〜2.5センチの扁球形。種子から油を採る目的で栽培され,本種から得られる桐油は乾性油の筆頭であることはもちろんであるが,材も器具(箱,下駄),薪炭(木炭は漆器研磨に好適)になり,樹皮からは鞣し皮用タンニンや染料を採る。シナアブラギリも中国原産。
★アブラギリの葉はハート形,浅く3裂するものが多い。果実は溝が3個あり,先端が尖らない。白色の花は次第に基部が紅色を帯びてくる。
★シナアブラギリの葉はハート形,上部が浅く3裂するものもある。果実はアブラギリより大きく,溝はなく先端が急に尖る。白色の花の基部には褐紫色の筋がある。
アブラギリ属
うこぎ科 ハリギリ 葉身は長さ幅とも10〜30センチのほぼ円形で,浅く又は中ほどまで裳状に5〜9裂する。基部は浅いハート形。センノキとも。木材の業界ではセンと呼ぶ。 ハリギリ属
【注】アブラギリやサワグルミのことを「ヤマギリ」ということがある。(キリの代用品として下駄材に利用したことを背景)
ノウゼンカズラ科 タイワンギリ 栽培される。花が白くて小さい。成長が極めて早く,病害虫にも強いが,寒さに弱いのが欠点。キリに比べると材質が劣る。 キリ属
ノウゼンカズラ科 ココノエギリ 栽培される。シナギリ・ミカドギリとも。花が淡黄色で大きい。タイワンギリ同様成長が早く病害虫に強い。キリに比べると材質が劣る。 キリ属
ノウゼンカズラ科 ラクダギリ 大正のはじめに中国から輸入,栽培された。成長が極めて早く,主として関東地方に分布している。材は黄色を帯び,つやがなくて材質はやや劣る。 キリ属
*クスノキ類等(クスノキ科等) リストへ戻る
クスノキ科 クスノキ 葉の縁は波打ち,3主脈の分かれ目にダニ部屋あり。葉をもむと樟脳の匂い。自生は(ほとんど)ない。大木になる。 クスノキ属
クスノキ科 ヤブニッケイ 葉の下面はやや白味。大木にならない。ちぎるとかすかにショウノウの匂い。葉柄は短く8〜18ミリ。 クスノキ属
クスノキ科 シロダモ 葉はヤブニッケイより大きく,裏面は目立って白い。縁は波打つ。葉柄は長さ2〜3センチ。若葉は垂れ下がり,両面とも黄褐色の絹毛におおわれる。 シロダモ属
クスノキ科 タブノキ 葉は3主脈はなく先は急に短く突き出るが尖らない。新葉と花柄が鮮やかに赤い。 タブノキ属
クスノキ科 ホソバタブ 葉は細長く,縁はゆるやかに波打つ。バリバリノキとの区別点は葉の裏面の葉脈がわずかに隆起しほとんど無毛。 タブノキ属
クスノキ科 バリバリノキ 葉は特に細長い。ホソバタブとの区別点は葉がより細く,裏面の葉脈が明らかに隆起し毛が多い点。 カゴノキ属
ハイノキ科 ミミズバイ 葉は互生,葉身は長さ8〜16センチ,幅2〜4センチの狭長楕円形,先端は短く尖り,基部はくさび形,縁は裏側に少し巻き込み全縁又は先の方にだけ不明瞭な浅い鋸歯がある。葉裏は灰白色を帯びる。随が階段状。Cf.カンザブロウノキ ハイノキ属
ヤブコウジ科 タイミンタチバナ 葉は互生,葉身は長さ5〜12センチ,幅1〜3センチの倒披針形又は線状長楕円形,縁は全縁。裏面は淡緑色で,主脈が隆起し,側脈ははっきりしない。キョウチクトウの葉に似ている タイミンタチバナ属
ハイノキ科 ハイノキ 葉は互生,葉身は長さ3〜8センチ,幅1〜2.5センチの倒卵形又は広披針形,先端は尾状に長く尖る,縁には鈍頭の鋸歯があり両面とも無毛。 ハイノキ属
ハイノキ科 カンザブロウノキ 葉は互生,葉身は長さ10〜16センチ,幅3〜6センチの長楕円形,先端は次第に尖り,基部はくさび形,縁には浅い鋸歯がある。随が階段状に見える。 ハイノキ属
クスノキ科 イヌガシ カシの名が付いているが,クスノキ科。葉は枝先に輪生状につき葉は小形で3主脈がある。先端は少し突出して鈍く,基部はくさび形。裏面は紛白色。葉はシロダモに似ているが,シロダモの葉先は長くのびるので区別できる シロダモ属
クスノキ科 ニッケイ ヤブニッケイによく似て3主脈であるが左右の脈がより長く葉先も細長くのびる。中国原産の栽培植物と考えられていたが,沖縄の山中に野生のものがあることがわかった。ちぎるとニッケイの匂い。 クスノキ属
クスノキ科 カゴノキ 葉は倒卵状披針形,葉の先は急に狭まって少し突き出す感じ。葉裏は粉白色。樹皮はまだら模様があり,一目でそれとわかる。 カゴノキ属
【注】果実の基部が杯状の花被筒に包まれるのがクスノキ属の特徴。
*グミ類(グミ科グミ属) リストへ戻
グミ科 アキグミ 葉の表面は銀色の鱗状毛,花は4〜6月,果実は球形で表面には赤褐色や白色の鱗状毛があり果柄が短い。名前は果実が秋に熟すことによる。渋みが強く生食より果実酒にするとよい。海岸や道路の飛砂防止や土止め用に植えられる。海岸から高い山まで生育し,個体数もグミ類のなかで一番多い。 グミ属
グミ科 ナツグミ 葉の表面は銀色の鱗状毛,花は4〜5月,果実は広楕円形で5〜7月に熟す。果実を食用にするため,庭などに栽培される。名前は果実が夏に熟すことによる。 グミ属
グミ科 トウグミ 葉は若いうちは表面に星状毛があり,花は4〜6月で子房の上部にくびれがある。果実は長楕円形。ナツグミに似るが本種の葉は星状毛であるのが特徴。名前は外来種と考えられていたことによる。よく庭に植えられる。 グミ属
グミ科 クマヤマグミ グミ類では最も花が小さい。名前は愛媛県の久万山で最初に採集されたことによる。 グミ属
グミ科 ナワシログミ 常緑。葉は革質で硬く,縁は強く波打つ。葉裏は銀色の鱗状毛が密生し,その上に褐色の鱗状毛が混じる。小枝は刺に変化しやすい。花は10〜11月,4個の稜がある。果実は長楕円形で5〜6月に赤く熟し,先端に萼筒の上部が残る。名前は稲作の苗代を作る頃に果実が熟すことによる。 グミ属
グミ科 マルバグミ 常緑。葉は広卵形,花の萼筒が短い。花は10〜11月,果実は長楕円形で3〜4月に熟す。 グミ属
グミ科 オオバグミ 葉は広卵形。海岸に生える団体の低木で,小枝がトゲになることはない。 グミ属
【参考】グミ属 ⇒マメ科と同じように根粒菌によって空気中の窒素を固定できるので,荒れ地でも生育できる。
*クリ,クヌギ,アベマキ リストへ戻る
ブナ科 クリ 葉の基部は円形又はハート形。のぎ状の突起はクヌギに比べて短く先端まで葉肉組織がつき緑色を帯びる クリ属
ブナ科 クヌギ 葉の基部は枝先の葉はくさび形,枝の付け根のものほどまるみを帯びる。鋸歯の先端はのぎ状に長く突き出て葉肉組織がないので緑色を帯びない コナラ属
ブナ科 アベマキ コクル層がよく発達。鋸歯の先端は長さ2〜3ミリの針になり,クヌギに似るが葉裏は灰白色で,星状毛がびっしりと密生している。落ち葉になっても葉裏の星状毛が残る。 コナラ属
*クロモジとケクロモジ(クスノキ科クロモジ属) リストへ戻る
クスノキ科 クロモジ 北海道と本州(東北地方以南の日本海側)にはクロモジより葉が大きいオオバクロモジがある。 クロモジ属
クスノキ科 ケクロモジ クロモジより葉が大きく,表面に短毛が密生すること,葉脈が裏面に著しく隆起することことで見分けられる。 クロモジ属
*サクラ類 リストへ戻る
バラ科 ヤマザクラ 葉と花は同時につける。新葉は一般には赤色。葉は一カ所から一枚出す。密腺は赤く葉柄の上部にある。ソメイヨシノより開花は遅いといわれるが,逆順もある。古くはサクラというとヤマザクラを指した。サクラ名所の吉野山で全山に咲くサクラもヤマザクラ。寿命が長く,巨木も多い。秋の紅葉も美しい。
◎葉柄は赤く,上部に2個の腺体。
●萼筒は細長い筒形で無毛,萼片は長く鋸歯はない
サクラ属
バラ科 オオヤマザクラ 葉と花は同時につける。ヤマザクラより大きく,やや厚い。花序にほとんど柄がないのが特徴。葉の基部はハート形。 サクラ属
バラ科 オオシマザクラ 伊豆七島,伊豆半島,三浦半島,房総半島に分布していて,3月から4月ごろ開葉とともに開花する。タキギザクラ(薪桜)ともいわれ,薪炭用にするので,伊豆,三浦,房総の各半島では植林され,それが野生化したものもある。葉は大きくて毛がなく,縁には先がのぎ状の鋸歯があって,裏面は白みがない。オオシマザクラの葉は塩漬にして,桜餅を包むのに使われている。
●萼筒は無毛で萼片に鋸歯がある
サクラ属
バラ科 エドヒガン 花は葉より先。新葉は赤くならない。葉の基部は広いくさび型。葉の両面とも有毛。葉柄には毛が密生。密腺は葉身の基部にある。樹皮は浅く”縦”に裂ける。寿命の長いサクラで,天然記念物に指定されている名木や巨木が多い。
●萼筒はくびれた壺型で有毛,萼片は短く鋸歯がある。
サクラ属
バラ科 ソメイヨシノ 花は葉より先。密腺は葉柄の上部又は葉身の基部につく。オオシマザクラとエドヒガンの雑種。山地に自生しない。寿命は短く,樹齢30〜40年が最盛期。
オオシマザクラとエドヒガンの中間的で,有毛のややくびれた萼筒と鋸歯があるのが特徴
サクラ属
バラ科 マメザクラ 別名フジザクラ。名前はほかのサクラに比べて,葉も花も小さいことによる。 サクラ属
カバノキ科 ミズメ 葉は一カ所から2枚出す互生(桜類は1枚)。サクラ類にみられる密腺なし。 カバノキ属
バラ科 ウワミズザクラ 細長い果穂の下に葉がある。葉の鋸歯が細かい。樹皮は紫褐色で横に長い皮目がある。蜜腺は葉身の基部にある。樹皮を傷つけるとクマリンの強い香りがする。 サクラ属
バラ科 イヌザクラ ウワミズザクラに似ているが,果穂の下に葉がつかないのが特徴(前年枝に開花するため)。葉の縁は波打ち,やや浅い鋸歯がある。樹皮は灰褐色で光沢があり,淡褐色の横長の皮目がある。 サクラ属
*サザンカとヒサカキ リストへ戻る
ツバキ科 ヒサカキ 葉表の主脈はややへこむ。葉裏の脈がサザンカより目立つ ヒサカキ属
ツバキ科 サザンカ 葉表の主脈はややふくらむ。ヒサカキよりてりがある。ヒサカキより葉は厚い。 ツバキ属
*サルナシとマタタビ リストへ戻る
サルナシのつるは灰褐色で髄は茶褐色,マタタビのつるは黒紫色で髄は白色。
【参考】徳島県の「祖谷のかずら橋」はサルナシのつるでつくられているという。
*シデ類 リストへ戻る
カバノキ科 イヌシデ 葉の上面側脈間に絹毛がやや密に残る。葉柄や本年枝に毛が密生するのが特徴。イヌシデの名がなぜ「イヌ」なのかについては不明。 クマシデ属
カバノキ科 アカシデ 葉はやや小さく,新葉は赤褐色。葉柄は無毛。葉柄・小枝は赤色を帯び,はじめ毛がある。垂れ下がる花は赤みを帯びる。(折れ下がるのは雄花で,雌花は雄花の根元に付く。) 和名は葉の赤いシデの意味で,新芽(と若枝)が赤みを帯びることによる。 クマシデ属
カバノキ科 クマシデ 葉の基部は浅くハート形にくぼむことが多く,左右やや不同。側脈の上面がくぼみ下面に隆起する。シデ類では最も花穂が太く,中指くらいある。樹皮にミミズバレのような模様があるのが特徴。名前は葉や花序が大きくことからとする説がある。 クマシデ属
*シャクナゲ類 リストへ戻る
ツツジ科 ツクシシャクナゲ 九州の筑紫地方に多いのでこの名が付いた。本州(近畿以西),四国にも分布。花冠は7裂し,花後に新芽を出すのが特徴。 ツツジ属
ツツジ科 アズマシャクナゲ 岩手,山形,福島,関東・甲信越地方の深山に自生。花冠は5裂。 ツツジ属
ツツジ科 ホソバシャクナゲ 愛知県と静岡県の山地にだけ自生する。シャクナゲで,葉が特に細いのが特徴。花冠は5裂。 ツツジ属
ツツジ科 ハクサンシャクナゲ 北海道から本州の亜高山帯〜高山帯に群生。花冠は5裂。 ツツジ属
ツツジ科 キバナシャクナゲ 北海道と東北屋中部地方の高山帯に自生。花は黄色で7〜8月に開花。 ツツジ属
ツツジ科 セイヨウシャクナゲ これ自体が種名ではなく,特に欧米で改良されたツツジ属の常緑で大輪の品種群のことを一般にセイヨウシャクナゲという名で総称して流通しているもの。アジアの多数の種が原産となっているという。国内でも栽培しやすいものがあるため,山間部の公園にまで植栽されている。 ツツジ属
*樹皮つるつる〜なめらか リストへ戻る
ツバキ科 ヒメシャラ 落葉。葉は卵形で小さい。葉の裏の脈上のみに毛がある。花は5月,白色で1.5〜2センチと小形。樹皮は赤みを帯び,滑らかで光沢があり,表皮が薄く剥がれて,ややまだら模様をつくる。(程度もので,まだらにならないとの記述もあり。)名前はナツツバキ(誤用でシャラノキ)に比べ,葉,花が小型であることによる。英彦山にあるヒメシャラは英彦山ヒメシャラといい,花糸(雄しべの軸)が離れている。(ヒメシャラは花糸が基部で合成している。) ナツツバキ属
ツバキ科 ナツツバキ 落葉。葉は楕円形。葉の裏全体に毛がある。花は6〜7月,白色で,6〜7センチで,葉も花もヒメシャラより大きい。樹皮は赤みを帯び,光沢はなく,表皮が薄く剥げまだらとなる。幹は皮付きの床柱に使われる。別名シャラノキ(沙羅の木)は誤用。これはインド産のサラソウジュと誤認したことによる。 ナツツバキ属
ツバキ科 ヤブツバキ 常緑。紅色で春咲き。葉の裏に黒点が散在する。葉を光に透かしても,ほとんど光を通さない。花は2〜4月,赤色で平開しない(盃状に開く)。花弁は5個。花弁の基部は一体になっていて,このまま散る。雄しべは下部がくっついて筒状。樹皮は褐灰色〜黄褐色でなめらか,ちりめん状のしわがある。 ツバキ属
ツバキ科 ユキツバキ 常緑。日本海側の秋田県から滋賀県北部までの山地に野生し,冬期枝葉がすっかり雪の下に埋もれる多雪地に限られている。花は4〜6月,赤色で平開して花びらはパラパラ散り,雄しべがまとまらないのが特徴。樹皮は灰白色で滑らか,ちりめん状のしわが多い。葉の質はヤブツバキより薄く,縁の鋸歯はヤブツバキより鋭い。葉を日に透かしてみると葉脈が見える。 ツバキ属
ツバキ科 サザンカ 常緑。原種は白色で一般に秋咲き。葉を光に透かしても側脈が見えない。葉の両面とも主脈に短い粗毛があるほか,葉柄の上面にも毛がある。花は10〜12月,野生の花は白色。花は平開し,落下したときは花弁がバラバラになる。雄しべは1本1本分離する。樹皮は灰褐色で平滑。 ツバキ属
ツバキ科 カンツバキ @ サザンカの交雑種ともいわれ,広く植栽されている。
A 古くはサザンカの品種と見なされたこともあったが,独立種として分類される。しかしその起源ははっきりしていない。サザンカを祖先とする種間雑種と考えられている。【妻鹿】
常緑低木。花は12月〜3月,桃紅色の八重咲き(花弁は多数)。鋸歯あり。
ツバキ属
ミソハギ科 サルスベリ 中国原産の栽培植物。落葉。葉はほとんど無柄で花は紅色,桃色,白色。 サルスベリ属
リョウブ科 リョウブ 落葉。樹皮は滑らかで茶褐色と灰褐色とのまだらとなり,サルスベリに似ているので,サルスベリという地方もある。白色総状花序。 リョウブ属
バラ科 カリン 中国原産。落葉。樹皮は帯緑褐色でつやがある。まだら。 ボケ属
*スズカケノキ 3種 切れ込みの違い:
 大 > スズカケノキ > モミジバスズカケノキ > アメリカスズカケノキ >
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スズカケノキ科 スズカケノキ バルカン半島からヒマラヤまでの温帯に分布。街路樹または庭園樹として広く植えられている。高さ30mに達し,幹には樹皮が広い薄片としてはげたあとの不規則な模様ができる。葉身は幅10〜20cm,手のひら状に5〜7の深い切れ込みができ,裂片の縁に少数の歯牙がある。集合果が,山伏の着る篠懸の衣に付いている房の形に似ているところから,その和名を得たという。集合果は3〜5個垂れ下がる。別名プラタナス。 スズカケノキ属
スズカケノキ科 アメリカスズカケノキ アメリカスズカケノキ (英名 buttonwood)は高さ30m,とくに大きなものでは50mになり,樹皮は暗褐色で縦に割れ目が入るが,大きくはがれ落ちることはほとんどない。葉は浅く切れ込み,集合果は1個が柄で垂れる。北アメリカ東部に分布し,日本には1900年に入ったが,あまり広められていない。集合果は果柄に1個ずつつく。別名ボタンノキ,プラタナス。 スズカケノキ属
スズアケノキ科 モミジバスズカケノキ 東洋種のスズカケノキと北米種のアメリカスズカケノキの中間雑種とされる。日本で最も多く植栽されるのはモミジバスズカケノキ(英名Londonplane)で,樹皮は灰緑色で鹿の子まだらにはげ,葉の切れ込みは両種の中間で全形がカエデの葉に似る。集合果は果軸に2〜3個,まれに1個か4個つき,基部のほうの1〜2個には柄がある。(集合果は普通2個つくが,まれに1個又は3個のこともある。)別名カエデバスズカケノキ,プラタナス スズカケノキ属
【参考】プラタナスはスズカケノキ属の学名
*スダジイとツブラジイ リストへ戻る
ブナ科 ツブラジイ コジイ。関東以西〜九州,台湾,中国に分布し,スダイジイより暖地性が強い。西日本に多く,どちらかといえば内陸に多い。葉は卵状長楕円形でスダジイより多少薄く小形。葉の上中部に鈍鋸歯。赤みを帯びた新芽は遠くからでもわかりやすい。小枝は細い。樹皮は割れ目は浅い。果実は小さくて丸い。幹は通直性がある。
*「材はスダジイの材に比ぶれば,やや劣るといわれる。」【牧野】
シイ属
ブナ科 スダジイ イタジイ。福島県以南〜九州,済州島に分布し,海岸近くに多い。葉は広楕円形で上半部に波状の数個の鋸歯がでる。老木は樹皮に縦の割れ目が多い。果実はやや大きく楕円形で先は尖り黒褐色。幹はよく曲がる。 シイ属
*センナ類 リストへ戻る
マメ科 センナ Cassia senna アフリカのエジプトやスーダン地方原産の薬用とされるマメ科の低木。アレクサンドリア港から輸出されたことから,英名を Alexandriansenna という。葉は偶数羽状複葉で,4〜8対の小葉から成る。小葉は披針形で,先はとがる。総状の花序を頂生あるいは腋生(えきせい)し,数個から十数個の黄色の花をつける。花弁は5枚,おしべは10本。豆果は扁平で,両端は丸みを帯びる長方形で,幅2〜2.5cm。 カッシア属
マメ科 ホソバセンナ ホソバセンナ C.angustifolia Vahl. はセンナに似ているが葉がより狭長で,豆果の幅は2cm以下であり,英名をインドに多産するためIndian senna,または地方名から Tinnevellysenna という。センナ及び本種のどちらも葉をセンナ葉(よう)と称して,緩下剤や便秘に用いる。 カッシア属
マメ科 ハネセンナ C. alata L. 大きな羽根のような若葉は夜になると閉じて垂れ下がる。 カッシア属
マメ科 ハナセンナ C.corymbosa Lam. 園芸店ではアンデスの乙女とも。 カッシア属
マメ科 モクセンナ C. glanca Lam. イリタマゴノキ,スクランブルエッグとも。 カッシア属
マメ科 コバノセンナ Cassia coluteoides つる性木本。 カッシア属
*センリョウ,マンリョウ… リストへ戻る
センリョウ科 センリョウ 果実が葉の上に付くのが特徴。葉の縁には鋭い鋸歯。変種に果実が黄色のキミノセンリョウがある。 センリョウ属
ヤブコウジ科 マンリョウ 果実は葉の下に付く。葉の鋸歯は波状。園芸品種にシロミノマンリョウキノミマンリョウがある。 ヤブコウジ属
ヤブコウジ科 ヤブコウジ 葉の縁には細かい鋸歯。千両,万両に及ばないため,ジュウリョウ(十両)という別名がある。高さ10〜20センチ。 ヤブコウジ属
ヤブコウジ科 カラタチバナ 葉は互生,葉身は長さ8〜20センチ,狭卵形〜披針形。先は尖り縁には不明瞭な波状の鋸歯がある。果実は赤熟。果実が白く熟すシロミタチバナ,黄色に熟すキミタチバナなど園芸品種も多い。百両とも。園芸店ではいきなり百両との表示を目にした。 ヤブコウジ属
【注1】新年の鉢物として,センリョウ,マンリョウ,それにアリドオシをくわえて,「千両,万両有り通し」にかけて,商売繁盛の縁起物として飾ることがある。
【注2】カラタチバナ ⇒百両,ヤブコウジ ⇒十両 と植木屋がいうことがあるが正式和名ではない。
*早春の黄色花 リストへ戻る
クスノキ科 アブラチャン 早春,葉の開く前に黄色い花が3〜5個ずつ集まってつく。花の印象はダンコウバイに似るが,アブラチャンの花には柄がある。若い実をつぶすと,柑橘系の匂いがするという。 シロモジ属
クスノキ科 ダンコウバイ 早春,葉の開く前に小さな黄色い花を密集して付ける(散形状にまとまってつく)。葉はふつう先が3つに浅裂する。 クロモジ属
ミズキ科 サンシュユ 中国・朝鮮半島原産。早春,葉の開く前に開花する。短枝の先に直径2〜3センチの散形花序を出し淡黄色の小さな花を多数つける。果実の果肉は漢方の八味地黄丸(はちみじおうがん)などの強壮薬に用いられる。褐色の樹皮は薄片になって剥がれる特徴がある。 ミズキ属
*対生の例 リストへ戻る
  対生の木   参考
○○ウツギ  
カエデ類  
カツラ シナノキは互生
クマノミズキ ミズキは互生
センリョウ  
ツゲ イヌツゲは互生
ネズミモチ,トウネズミモチ  
ヒイラギ,ヒイラギモクセイ  
メタセコイア ラクウショウは互生  メタ〜タイ(対)セイ
レンギョウ  
*竹類   ⇒ 節が1環節なのは孟宗竹のみ! リストへ戻る
イネ科 モウソウチク 中国原産(中国名は毛竹,江南竹)。孟宗竹節の環は1個。江戸時代中期に薩摩藩に渡来したといわれる。枝は節から2個ずつでる。葉は枝先に2〜8個つく。竹の皮は,ものを包むのに利用される。タケノコは食用。孟宗竹の名は日本に来て名付けられたもの。キッコウチク(亀甲竹)はモウソウチクの変種
枝の第一節間を切ると空洞がなく,中実になっている
マダケ属
イネ科 マダケ 中国名は剛竹,光竹。マダケは真竹の意で,竹の正品を賞する名称。中国原産とも日本及び中国が原産ともいわれる。かぐや姫が生まれた竹。節の環は2個。別名を苦竹(クチク,ニガタケ)とも。節環の片側にはっきりした溝がある。竹材の用途は広く,皮はものを包むのに使う。タケノコは苦みがあるが食べられる。ホテイチク(布袋竹),シボチク(皺竹)はマダケの変種
枝の第一節間を切ると空洞になっている。
マダケ属
イネ科 ハチク 淡竹。中国名も淡竹。クレタケ(呉竹),カラダケ・カラタケ(幹竹)とも。節の環は2個。一般に中国から古く渡来したという説があるが,野生が日本にあったともいわれる。古い名称の呉竹は中国の古い国名の呉から渡来したものとして,ハチクを指すといわれるが,真竹(またけ)の異称とも言われる。節の隆起は少なく平滑で,竹類中では最も棹がきれいで光沢がある。タケノコは美味で,昔これを甘竹といった。葉は枝先に3個ずつつく。
枝の第一節間を切ると空洞がなく,中実になっている
マダケ属
イネ科 ホテイチク 布袋竹。イネ科の中型のタケ。ゴサンチク(五三竹),コサンチク(虎赫竹)の名もある。九州,とりわけ鹿児島県や熊本県の山野に広く自生する。稈(かん)の下方がつまってふくれ,布袋腹に似ている。 マダケ属
イネ科 ナリヒラダケ 業平竹。暖地の川岸に野生する。特に東京に多い。在原業平のように美しいということからこの名がある。 ナリヒラダケ属
イネ科 トウチク 唐竹。中国原産とされるが,日本原産説がある。生け垣や観賞用として暖地に植えられている。 トウチク属
イネ科 オカメザサ 阿亀笹。日本特産種。和名は浅草の酉の市でこのタケに阿亀(おかめ)の面などをつけて売ったことによる。 オカメザサ属
イネ科 クマザサ 隈笹。京都の鞍馬山や大原などに自生している。冬になると葉の縁が白く枯れて隈取られることからこの名がある。 ササ属
イネ科 チシマザサ 千島笹。山地に群生。稈の基部が曲がっているのでネマガリダケともいう。タケノコはおいしい。 ササ属
イネ科 チマキザサ 粽笹。深山に生え大群落を作る。葉は大きいので粽(ちまき)を包むのに使われる。 ササ属
イネ科 ミヤコザサ 都笹。主に太平洋側の山地に生える。比叡山で発見されたのでこの名がある。 ササ属
イネ科 ヒメシノ 姫篠。コガシアズマザサの変種で,,小隅笹(コクマザサ)の名で関東地方に多く植えられている。 アズマザサ属
イネ科 スズタケ 篠竹。深山に大群生。生け垣,釣り竿,行李。 スズタケ属
イネ科 ヤダケ 矢竹。山野に自生し,庭などにもよく植えられている。庭木,釣り竿,矢柄。 ヤダケ属
イネ科 メダケ 女竹。川岸や海辺の丘陵などに群生。庭木,うちわ,笛,細工物。 メダケ属
イネ科 カンザンチク 寒山竹。関東地方以西の暖地に植栽されている。庭木,鉢植え,釣り竿,ほうき。 メダケ属
イネ科 タイミンチク 大明竹。暖地の庭や公園などに植えられている。タケノコは5月頃でて食べられる。中国の竹と思われていたのでこの名がある。 メダケ属
イネ科 カンチク タケノコが晩秋から冬にでるので寒竹の名がある。 カンチク属
【参考】メンマ:メンマはマチク(麻竹)のたけのこをゆでて発酵させた後に天日乾燥したもの。これをもどして味付けしておなじみのメンマとなる
*タブノキとマテバシイ    ⇒ 時に葉の小さいマテバシイがあり,タブノキに似た印象がある。 リストへ戻る
クスノキ科 タブノキ 若葉には赤味があり,マテバシイより葉は小型で,葉裏は灰白色。冬芽は枝先に一つで次第に赤くなる。樹皮には皮目が見られ,古木では割れ目が入る。 タブノキ属
ブナ科 マテバシイ 葉はタブノキより大きく,葉裏の主脈・側脈ともタブノキより隆起する。冬芽は枝先に複数付き小さい。樹皮は滑らかで縦に白い筋が入る。 マテバシイ属
*玉串等 リストへ戻る
ツバキ科 サカキ 枝に木綿(ゆう)または紙を切ってつくる紙垂(しで)をつけて玉串とする。神社には多く植えられている。 サカキ属
ツバキ科 ヒサカキ 関東地方ではサカキの代用品として,枝葉を神事に使う。このため,葉の細かい品種が伊豆諸島で生産されているという。
九州でも普通に使用している。
ヒサカキ属
シキミ科 シキミ 昔から寺院,墓地に植えられたり,墓前,仏前に供えたりと,仏教と縁が深い。和名は「悪しき実」がなまったものといわれる。身は有毒。創価学会でも特に本種を使用する習慣がある。 シキミ属
モチノキ科 ソヨゴ 長野県,その他各地のサカキ,ヒサカキが入手しにくい地域ではサカキの代用にする。 モチノキ属
【参考】北海道では常緑のサカキに類似する広葉樹の手当ができないため,イチイが使われる。
*ツゲとイヌツゲ リストへ戻
ツゲ科 ツゲ 葉は対生,全縁で先がわずかに凹む。材は器具(唐木細工・寄せ木細工・木象嵌・櫛・将棋の駒・ブラシ背板・算盤玉・ステッキ・柄),機械(定規・測量具・おさ・尺度・紡績用木管),楽器(木管楽器・笛・三味線や琵琶の撥),彫刻(字母・版木・印判)などに重用される。 ツゲ属
ツゲ科 セイヨウツゲ アメリカツゲ,ボックスウッドとも。「スドウツゲ」の俗名もある。日本の「ツゲ」よりやや葉が大型で光沢が強い。若葉や葉柄などに毛があるので区別できる。 ツゲ属
モチノキ科 イヌツゲ 葉は互生,縁に微鋸歯。用途はモチノキと同様,材は旋作(ろくろ細工)、彫刻(印判,版木),器具(櫛・算盤玉・柄・下駄・木釘・小細工)などに供し,内樹皮からは鳥もちが採れる。
*マメツゲ(マメイヌツゲ,タマツゲ),キンメツゲはイヌツゲの変(品)種。
モチノキ属
*つる巻き方向(上から見た場合の基準に従った場合)  リストへ戻る
マメ科 フジ 栽培種で「ノダフジ」とも。ノダフジの名称は,大阪府の大阪府の野田が発祥地であることによる。落葉つる性木本。木質のツルは右巻き。花は元から順に咲く。本州,四国,九州に分布。野田は大阪市の南部にあり,昔からフジで有名で,「吉野の桜,野田の藤」とさえ呼ばれた。 フジ属
マメ科 ヤマフジ 野生種。落葉つる性木本。つるはフジとは反対に左巻き。葉の質はフジよりやや厚く,花はフジと異なり花序は短く,全花はほとんど一斉に咲く。近畿地方以西に分布。 フジ属
【参考】スイカズラは右巻き。インゲン,アサガオは左巻き。
*デイゴ類 リストへ戻る
マメ科 デイゴ デイコとも。中国名の梯枯の音読み。沖縄県の県花として有名。葉は3出複葉で,三角状広卵形。花は朱紅色の蝶形花。総状花序は下向き。原産地は東南アジア又はインドとされていて,インドには野生のものが多いという。材は琉球漆器に使われる。 デイゴ属
マメ科 アメリカデイゴ ブラジル原産。鹿児島の県木。デイゴより花穂が長い。総状花序は上向きか下向き。小葉はやや小さく厚みがある。花期に葉が茂っている。葉は卵状楕円形で,裏面は白ぽい。葉の裏や葉柄にトゲがある。カイコウズ(海紅豆)は誤称。 デイゴ属
マメ科 サンゴシトウ Erythrina herbacea とアメリカデイゴの交配種。珊瑚刺桐。シドニー植物園で作出された。挿し木で増やせるので,暖地の庭木として各地に植えられている。旗弁が完全に開かないため,花は筒状になる。総状花序は直立する。葉は広卵状菱形。葉柄や裏面脈上にトゲがある。 デイゴ属
*テツカエデとウリハダカエデ   リストへ戻る
カエデ科 テツカエデ 葉柄が長く,また葉柄には溝がない。 カエデ属
カエデ科 ウリハダカエデ 葉柄がテツカエデよりずっと短く,また葉柄には溝がある。葉の表面はテツカエデのようなしわ状にならない。葉は3(〜5)裂,中央裂片が幅広い。樹皮はマクワウリの果皮に似ていて暗緑色。 カエデ属
カエデ科 ウリカエデ 葉は分裂しないか3(5)裂。樹皮はウリハダカエデと同様に暗緑色。 カエデ属
【参考】ウリノキ⇒ウリノキ科,葉が瓜に似る。      
*デマリの例(○○デマリ) リストへ戻る
バラ科 コデマリ 中国原産。葉は互生で,菱形状披針形または菱形状長楕円形。先端は尖り,基部はくさび形。ふちの上半部には欠刻状の鋸歯がある。花期は新枝が伸びてから開花するのでユキヤナギより遅く,4〜5月。八重咲きの園芸品種はヤエコデマリと呼ばれている。 シモツケ属
スイカズラ科 ヤブデマリ 山地の谷間に普通にみられるスイカズラ科の落葉低木。葉は対生。花は両性花のまわりを白い装飾花が取り囲む。花が美しいため,庭木とされる。花序全体が装飾花となったものをオオデマリ(別名テマリバナ) f.plicatum(英名 Japanese snowball)とよび,栽培される。本州中北部の日本海側のものは葉が大きく,毛が少ないためケナシヤブデマリ var.glabrum (koidz.) Hara として区別する。【百科】 コヤブデマリは葉が長さ2〜5センチと小さく,はじめはまばらに星状毛生えるがのちに無毛。 ガマズミ属
スイカズラ科 オオデマリ 園芸品種。ヤブデマリの花がすべて装飾花になり,球状に集まったもののように見えるが,ヤブデマリよりも葉に丸みがあり,側脈が多い。ケナシヤブデマリに由来する園芸品種であろうと考えられる。【山渓】 ガマズミ属
*トチノキ 4種 リストへ戻る
トチノキ科 トチノキ 花は白色の円錐花序。果実は熟すと3裂する。 トチノキ属
トチノキ科 セイヨウトチノキ ギリシャ北部〜小アジア原産。マロニエはフランス名で,英語では hourse chestnut という。花は白に少し赤味がのさした色の円錐花序。葉はトチノキより小振りで,果実にはトゲがある。 トチノキ属
トチノキ科 アカバナトチノキ アカバナアメリカトチノキ,アメリカアカバナトチノキとも。米国南部原産。花は紅色の円錐花序で,花弁は完全には開かない。 トチノキ属
トチノキ科 ベニバナトチノキ セイヨウトチノキとアカバナトチノキとの交配種。国内でも多く植えられている。大木にはならない。花は紅色〜朱紅色の円錐花序。 トチノキ属
*トドマツ,エゾマツ,アカエゾマツ リストへ戻る
マツ科 トドマツ 樹皮はなめらかな灰褐色,やや褐色を帯びる。根は深根,葉は先が分かれ裏が白い。特に被圧に耐えるが,晩霜害の恐れのあるところは不適。材にぬれ(水食い,水あて)がしばしば見られる。 モミ属
マツ科 エゾマツ 樹皮はやや褐色,表面粗く縦長の亀甲状の割れ。葉の断面は平らで裏に2本の気孔線。浅根・水平根で風に弱い。皆伐一斉造林は避けるべしとされる。 トウヒ属
マツ科 アカエゾマツ 樹皮は薄い褐色,鱗片状に剥げる。葉の断面は菱形。浅根で風に弱い。霜害の恐れのある箇所,比較的標高の高いところトウを対象として植栽。 トウヒ属
*どんぐり リストへ戻る
ブナ科 アカガシ 堅果は翌年の秋に成熟し,長さ2センチの楕円形で,下部が殻斗に包まれる。殻斗は椀型で,6〜7個の総苞片の環があり,褐色の軟毛がある。実は食べられる。殻斗に輪があるタイプ コナラ属
ブナ科 アベマキ 堅果は翌年の秋に成熟し,長さ1.5から2.5センチの球形で,線形の総苞片が密生する殻斗がある。イガ座布団タイプ
かつては,砕いてデンプンを採ることもあった。
コナラ属
ブナ科 アラカシ 堅果は秋に成熟し,長さ1.5〜2センチの楕円形。殻斗には6〜7個の環がある。殻斗に輪があるタイプ
タンニンが多いため渋いが,アク抜きして食べた。
コナラ属
ブナ科 イチイガシ 堅果は長さ約2センチで秋に成熟する。殻斗は椀形で総苞片6〜7個の環をつくる。殻斗に輪があるタイプ
生食可能。
コナラ属
ブナ科 ウバメガシ 堅果は年内はごく小さく,越冬して翌年の秋に成熟し,長さ1〜2.2センチの卵形で,下部は殻斗に包まれている。殻斗は椀型で,総苞片に瓦状におおわれている。実は食べられる。殻斗が屋根瓦風のタイプ コナラ属
ブナ科 ウラジロガシ 堅果は翌年の秋に成熟し,長さ1.5〜2センチの卵形又は楕円形。殻斗には毛が密生し,6〜7個の環がある。殻斗に輪があるタイプ
タンニンを含むため渋いが,アク抜きして食べた。 
コナラ属
ブナ科 カシワ 堅果は長さ1.5〜2センチの卵球形で,その年の秋に成熟し、下部は総苞片が密生する殻斗に包まれている。イガ座布団タイプ
タンニンを含むため渋いが,渋抜きすれば食べられ,下痢止めの薬にもなる。
コナラ属
ブナ科 クヌギ 堅果は翌年の秋に成熟し,直径約2センチと大形で,下半部は椀型の殻斗に包まれる。イガ座布団タイプ
豚の餌にもした。
コナラ属
ブナ科 コナラ 堅果は長さ1.5〜2センチの楕円形又は円柱状楕円形で,その年の秋に熟し,下部は小さな鱗片状の総苞片が瓦状にびっしりついた殻斗におおわれる。殻斗が屋根瓦風のタイプ
タンニンが多くて渋いが,昔はアク抜きして食べた。
コナラ属
ブナ科 シラカシ 堅果は秋に成熟し,長さ1.5センチの球形又は広楕円形で,その年の秋に熟す。殻斗は浅い椀形で6〜8個の総苞片の環があり,無毛。(殻斗が半分近くカバー?) 殻斗に輪があるタイプ
タンニンが多いので渋い。
コナラ属
ブナ科 シリブカガシ 堅果は長さ約2センチの楕円形で,翌年の秋に成熟する。堅果の底は少しへこむ。殻斗が屋根瓦風のタイプ
渋みが少なくて生でも食べられるので,昔は食料にした。
マテバシイ属
ブナ科 スダジイ 堅果は翌年の秋に成熟し,長さ1.5〜1.8センチの円錐状卵形で食べられる。殻斗が堅果全体を包んでいるが,成熟すると3裂する。殻斗が割れるタイプ
生で食べてもほのかに甘味があり,炒れば香ばしくておいしい。
シイノキ属
ブナ科 ツクバネガシ 堅果は翌年の秋に成熟し,長さ約1.5センチの楕円形で,下部は殻斗に包まれる。殻斗は椀型で,6〜7個の総苞片の環があり,褐色の星状毛が密生する。実は食べられる。殻斗に輪があるタイプ コナラ属
ブナ科 ツブラジイ 堅果は約1センチの球形で翌年の秋に成熟すると殻斗が裂けて露出する。実は食べられる。殻斗が割れるタイプ
スダジイと同様,古代は重要な食料で,一昔前までは子供のおやつだった。
シイノキ属
ブナ科 ナラカシワ 堅果は長さ約2センチの楕円形で,下部に三角状披針形の総苞片を瓦状につけた殻斗がある。(殻斗は浅くはみだしぎみ?) 殻斗が屋根瓦風のタイプ コナラ属
ブナ科 ハナガガシ 殻斗に輪があるタイプ。 コナラ属
ブナ科 マテバシイ 堅果は長さ2〜3センチの長楕円形で,翌年の秋に成熟し,食べられる。基部が少しへこんでいる。殻斗は皿状で総苞片が瓦状に並ぶ。殻斗が屋根瓦風のタイプ
渋みがなくて生食でき,炒ったり茹でたりして食べた。九州では酒を造る。
マテバシイ属
ブナ科 ミズナラ 堅果は長さ1.5〜2.5センチの卵状楕円形で,その年の秋に熟す。殻斗は椀型で,外側は小さな総苞片に瓦状におおわれる。リスやクマの好物。殻斗が屋根瓦風のタイプ
タンニンを大量に含んで渋いが,東北ではコナラやカシワ,ミズナラのドングリをシタミと呼び,保存食とした。アクを抜くには水を換えながら何回も灰汁で煮たり,砕いてから何度も水にさらしたりする。
コナラ属
【参考】カシ類のうち,アラカシ,シラカシ,イチイガシ等は開花した年の秋にどんぐりが成熟するが,翌年の秋に成熟するもの(上表で翌年の秋の文字を赤ゴシック)も多い。
【参考】
ブナ科
ブナ
(非ドングリ)
果実は3稜のある卵形の堅果で,2個がやわらかい棘のある殻斗の中に包まれている。成熟すると殻斗は4列する。実は食べられる。 ブナ属
*ナナカマド類 リストへ戻る
バラ科 ナナカマド ナナカマドの仲間では最も花序が大きく,また高木になる。葉は単鋸歯または重鋸歯。 ナナカマド属
バラ科 ウラジロナナカマド 葉裏は粉白色。葉の上半部に鋸歯があり,下半部は全縁。 ナナカマド属
バラ科 ナンキンナナカマド 幹は細くひょろひょろしている。葉の上半部に鈍い鋸歯があり,裏面は粉白色。名前のナンキンは小型の意。 ナナカマド属
バラ科 ホザキナナカマド 北海道には普通にみられ,本州中北部にも生える。アジア大陸北東部にも分布する。葉の縁に重鋸歯があり,葉裏ははじめ長い軟毛と星状毛がある。雄しべは花弁より長く突き出る。 ホザキナナカマド属
バラ科 ニワナナカマド 中国北部原産。近年よく庭木として見かける。葉は先端が尾状に尖り,縁には内側に曲がった鋸歯がある。裏面は主脈の基部に毛があるほかは無毛。雄しべは花弁と同長または少し短い。 ホザキナナカマド属
*ナラ類(ブナ科コナラ属のうち) リストへ戻る
ブナ科 ミズナラ 葉柄はごく短い コナラ属
ブナ科 コナラ 葉は有柄。 コナラ属
ブナ科 ナラガシワ 葉はミズナラに似ているが,大きく,2〜3センチの葉柄あり。 コナラ属
ブナ科 カシワ 葉の縁に波状の鋸歯。 コナラ属
*ニシキギ属   ⇒ マユミは葉柄が長い リストへ戻る
ニシキギ科 ニシキギ 対生。縁に細かい鋸歯,両面とも無毛。葉柄は1〜3ミリ。枝に4稜があり,稜上に褐色の薄い板状の翼がある ニシキギ属
ニシキギ科 マユミ 対生。縁には細かい鋸歯,両面とも無毛。葉柄は5〜20ミリ淡紅色の果実は4裂する ニシキギ属
ニシキギ科 コマユミ ニシキギ様で枝に板状の翼ができないもの。葉柄は1〜3ミリ程度でほとんどない。 ニシキギ属
ニシキギ科 オオコマユミ ニシキギ様で翼がなく,葉が広楕円形で大きいもの。 ニシキギ属
ニシキギ科 ツリバナ 紅色の果実は5裂する ニシキギ属
*ニレ科 リストへ戻る
ニレ科 ムクノキ 葉の上面に毛がありざらつく。実は黒く熟し,可食。 ムクノキ属
ニレ科 エノキ 葉の上部3分の1ほどに小さな波状の鈍鋸歯があるものと,ほとんど全縁のものがある。幼木の葉は,葉身の上部3分の2ほどに鋸歯があるので注意。基部の左右不揃い。実は赤褐色で,可食。エゾエノキは4/5程度まで鋸歯がある。 エノキ属
ニレ科 エゾエノキ 北海道はもとより,その名前にかかわらず,九州まで分布する。葉身の3分の2以上に鋭い鋸歯がある エノキ属
ニレ科 ケヤキ 鋸歯は大きくて鋭い。公園樹として多数植栽されている。 ケヤキ属
ニレ科 ハルニレ 花が春に咲く。葉はアキニレより大きく,縁は重鋸歯。葉の上面は短毛が密生してややざらつく。北地では堂々とした大木がみられる。 ニレ属
ニレ科 アキニレ 別名イシゲヤキ・カワラゲヤキ。花が秋に咲く。葉はケヤキ,ハルニレより小さくて厚い。葉の基部は著しく不均等。鱗片状に剥がれる樹皮で一目でそれとわかる。 ニレ属
*ハクウンボクとコハクウンボク,ついでにエゴノキ リストへ戻る
エゴノキ科 ハクウンボク 葉は倒卵形,先端は短く尾状にとがり,縁は歯牙状の鋸歯,裏面星状毛密生。
枝先から垂れ下がる総状花序の白花が美しく,公園樹に植栽される。萼は杯状。名前は白い花が群がって咲く様子を白雲に見立てたもの。
エゴノキ属
エゴノキ科 コハクウンボク 葉は倒卵形,上半部に不規則な大型の歯牙,葉表・葉裏に星状毛散生。萼は広い筒状で上部は5浅裂し,裂片は三角形。名前はハクウンボクより全体に小さいことによる。 エゴノキ属
エゴノキ科 エゴノキ 葉は4〜8センチとハクウンボクやコハクウンボクより小型,卵形で浅い鋸歯があるか,又は全縁。公園にも植栽される。樹皮が黒っぽいのが特徴(老木では縦に浅く咲けて剥がれる。)。しばしば,エゴノネコアシと呼ばれる虫えいができる。種子はヤマガラの好物とされる。 エゴノキ属
*ハンノキ類 リストへ戻る
カバノキ科 ハンノキ 葉は卵状長楕円形で不ぞろいの浅い鋸歯。湿った土地に生えるカバノキ科の落葉高木。葉は卵状長楕円形で,低い鋸歯があり,基部はくさび形で,長さ1〜3cmの葉柄がある。 ハンノキ属
カバノキ科 ミヤマハンノキ 葉は広卵形で重鋸歯。亜高山帯から高山帯に生える落葉小高木で,果実に広い翼を有し,基本変種は広く周北極地域に分布する。ハンノキの名が付くが,ハンノキよりヤシャブシに近縁である。 ハンノキ属
カバノキ科 ケヤマヤンノキ 葉は広卵形で,浅い欠刻状の重鋸歯。裏面の脈状にはビロード状の軟毛が密生。全体に毛のないものをヤマハンノキという。 ハンノキ属
*ヒイラギ,ヒラギモチ等 リストへ戻る
モクセイ科 ヒイラギ 雌雄別株。葉は十字対生。核果は紫黒色。老木は葉のトゲが消失する。 モクセイ属
モクセイ科 ヒイラギモクセイ 雌雄別株。ヒイラギとギンモクセイの雑種とみなされている。雄株だけが知られている。 モクセイ属
モチノキ科 ヒイラギモチ 中国原産。シナヒイラギ,ヒイラギモドキ,チャイニーズホリーとも。葉は四角状長楕円形になり,とくに先端の3個のとげが大きい。雄株にも少し結実する。果実は赤色 モチノキ属
モチノキ科 セイヨウヒイラギ (Ilex aquifolium)果実が赤色で葉が互生する。鋭くとがった歯牙のある硬い葉と赤い実をクリスマスの飾りとする。ときに高さ6mに達し,よく枝分れしてピラミッド形の樹形となる。葉は短い柄で互生,縁は波打ち数個の鋭くとがる三角形の歯牙がある。
園芸店でクリスマスホーリーとしているもの。
モチノキ属
モチノキ科 ホリー (Ilex opaca)アメリカヒイラギとも。英名 American holly 。北アメリカ原産で,北アメリカ東・中部でホリー holly と呼ばれる。セイヨウヒイラギより葉がやや薄く,花は当年枝の葉腋に単生し,果実は暗赤色に熟する。 モチノキ属
モチノキ科 アマミヒイラギモチ 雌雄別株。葉は互生,核果は赤色に熟す。 モチノキ属
*ピラカンサ(トキワサンザシ属) リストへ戻る
バラ科 タチバナモドキ 別名ホソバトキワサンザシ。中国原産。果実の形や色がミカン科のタチバナに似ているのでこの名が付いた。葉裏に灰白色の毛が密生するのが特徴。葉の縁は全縁または腺状の鋸歯がある。果実は燈黄色。 トキワサンザシ属
バラ科 ヒマラヤトキワサンザシ 別名カザンテマリ。ヒマラヤ原産。葉は両面とも無毛で,縁には細かい鋸歯。花序は無毛。果実は鮮紅色または橙紅色に熟す。花や実が美しいので庭や生垣によく植えられている。 トキワサンザシ属
バラ科 トキワサンザシ 西アジア原産。葉は幅が広く,先は丸く,ふちに細かい鋸歯,両面とも無毛。花序には細毛がある。果実は鮮紅色に熟す。 トキワサンザシ属
バラ科 サンザシ 中国原産。薬用木として渡来。果実はナシ状果で,直径1.5〜2センチの扁球形で赤熟。果実を健胃,消化,止血などの薬用とする。 サンザシ属
【注】キワサンザシ属 ⇒葉の変化した鋭いトゲがある。葉は互生。サンザシにもトゲあり。
*ビワの例(○○ビワ) リストへ戻る
バラ科 ビワ 枝,葉裏,花序等には褐色の綿毛を密生する。野生のものは偽果が小さく,種子は比較的大きく,食うに耐えない。 ビワ属
アワブキ科 ヤマビワ 葉はややビワの葉に似てくさび状狭倒卵長楕円形で下面の葉脈は著しく隆起している。 アワブキ属
クワ科 イヌビワ 葉は多くは倒卵形。基部は主として円形又は浅い心形で先は尖る。葉の形で識別しやすい。イチジク属だけに,果実の印象は小さいイチジクといった風情。 イチジク属
*フウ 2種 リストへ戻る
マンサク科 フウ 葉が掌状に3裂する中国原産のマンサク科の落葉高木。英名Chinese sweet gum, 幹の樹脂(楓香脂(ふうこうし))は漢方で解毒,止痛,止血あるいは結核などの薬として用いられる。樹脂は独特の芳香がある。新芽は赤味がある。 フウ属
マンサク科 モミジバフウ 北アメリカ原産。アメリカフウとも。英名 sweetgum,街路樹として植えられ,東京上野公園には大木がある。葉が掌状に5〜7裂し,秋の紅葉が美しい。若枝は淡褐色でコルク質の稜ができる。フウよりあとに渡来したが,フウよりもよく植えられている。 フウ属
【注1】学名の属名はLiquidambarで,ラテン語Liquidus(溶けた)+アラビア語 ambar(琥珀)に由来し,樹幹から採れる芳香性の樹脂に因む。
【注2】sweet gum はモミジバフウ,blue gum ,red gum はユーカリ類のうちの特定の種。
【注3】ユーカリ類:樹幹上にキノ kino と呼ばれる赤褐色の樹脂状物質を出すことが多く,そのためこの属の樹木を gum または gum‐tree と総称することがある。
*ブナとイヌブナ リストへ戻る
ブナ科 ブナ はじめ葉の両面に長い軟毛があるが,成葉になると毛はほとんど落ちる。樹皮は灰白色でなめらか。刺のある殻につつまれた2個の堅果は熟すと殻が割れて顔を出す。 ブナ属
ブナ科 イヌブナ 若葉は両面とも長い軟毛がある。表面はやがて無毛になるが,裏面脈上の毛は黄葉の頃まで残る。葉はブナより長めでぺらぺらして薄い。測脈がブナより多い。樹皮は暗灰褐色(ブナより黒い。)で,いぼ状の皮目が多くざらざらしているが、のちに縦に裂ける。ブナより標高が低いところに生える。堅果は長い果柄で下に垂れる。幹の周囲にひこばえが出て株立ちになる。 ブナ属
*細長常緑葉 リストへ戻る
ヤブコウジ科 タイミンタチバナ 葉は全縁,細長くキョウチクトウに似ている。主脈が隆起する。葉柄は短く暗紫色。果実は球形,黒熟。 タイミンタチバナ属
ハイノキ科 ミミズバイ 葉は全縁または先の方にだけ不明瞭な浅い鋸歯がある。裏面は灰白色を帯びる。若枝は鈍い稜がある。果実は卵状長楕円形で紫黒色に熟す。小枝を縦に切ると階段状の髄が見える。伊勢神宮では供え物の下敷きにミミズバイの葉を使う。 ハイノキ属
ハイノキ科 カンザブロウノキ 縁に浅い鋸歯。葉柄は紫褐色。若枝を縦に切ると階段状の髄が見える。果実は球形黒熟。 ハイノキ属
クスノキ科 バリバリノキ 縁は全縁で波打つ。果実は楕円形で紫黒色に熟す。葉はホソバタブによく似ているが,本種は葉脈が裏面に隆起するのが特徴。 ハマビワ属
クスノキ科 ホソバタブ 別名アオガシ。葉の縁は緩やかに波打ち,バリバリノキに似ているが葉裏の葉脈は隆起しない。葉裏は網目が見える。タブノキと違って若葉は赤みを帯びない。果実は球形,黒紫色に熟す。花や果実はタブノキにそっくり。花柄と花軸は紅色を帯びることが多い。 タブノキ属
*ミズキとクマノミズキ   リストへ戻る
ミズキ科 ミズキ ミズキの葉は互生しているがクマノミズキは対生である。
若い枝は紫紅色,丸くて稜はない。はじめ毛があるが,のちに無毛。
階段状に輪生枝を出し,それが水平に展開して独特の樹形をあらわす。
ミズキ属
ミズキ科 クマノミズキ クマノミズキの葉はミズキより幅が狭く先が尖り,対生
若い枝は稜があり緑色または赤褐色で無毛。
ミズキ属
*ミズキのいろいろ(トサミズキ属) リストへ戻る
マンサク科 トサミズキ 四国(高知県)に分布。花序の軸には毛が密生葯は赤褐色 トサミズキ属
マンサク科 コウヤミズキ 全国。花序の軸や萼は無毛。葯は赤褐色。 トサミズキ属
マンサク科 キリシマミズキ 四国・九州。花序の軸は無毛。葯は黄色。 トサミズキ属
マンサク科 ヒュウガミズキ 本州(石川県〜兵庫県の日本海側),台湾。同属中で最も小型の花。(花序は約1〜2センチ) 葯は黄色。公園での植栽が多い。その名前にも関わらず,日向(宮崎県)はもとより九州には自生しないとも,自生が発見されたとも言う。 トサミズキ属
*ムラサキシキブ,コムラサキ,ヤブムラサキ リストへ戻る
クマツヅラ科 ムラサキシキブ 果実の集まりをつける柄が葉柄とくっついて,その上から出る。また実の房がやや離れていて,固まっているという感じではない。  ムラサキシキブ属
クマツヅラ科 コムラサキ  果実の集まりが葉の腋から離れて出るのが特徴。また節ごとに固まってたくさんの実をつける。コムラサキシキブ,コシキブの別名があるように,全体に小型で,葉の鋸歯が上半分にしかない。
 株が小さくてもすぐに花が咲き,実がなる。
★俗にムラサキシキブの名で呼ばれる。庭木としてよく植えられ,園芸店で鉢植えなどで「ムラサキシキブ」の名札がついているのは,ほとんどがこのコムラサキであるという。
ムラサキシキブ属
クマツヅラ科 シラタマコシキブ コムラサキの白実の変種。
☆シロシキブと誤称されることが多い。
ムラサキシキブ属
クマツヅラ科 ヤブムラサキ ムラサキシキブに似ているが,葉に毛が多く手触りが柔らかい。また実の萼が長くはっきりしている。 ムラサキシキブ属
*メタセコイアとラクウショウ    リストへ戻る
スギ科 メタセコイア 1945年に中国四川省で見つかり,生きている化石として広く知られる。やや湿り気のある場所で旺盛に成長する。樹皮は赤褐色、縦に粗くはがれ落ち,ややスギに似る。幹の断面はややいびつな形状になる。葉は扁平な線形で長さ2〜3センチ,幅1ミリほど。鳥の羽のように「対生」する。球果はラクウショウより小さい。 メタセコイア属
スギ科 ラクウショウ アメリカ東部〜メキシコの水湿地。樹皮は赤褐色で,濡れると黒褐色。縦に粗くはがれ落ちる。葉は扁平な線形で,長さ1〜2センチ,幅1ミリほど。「互生」につく。庭園樹として植えられる。おくに水湿地でよく育つ特徴がある。このような場所では,膝根(しつこん)と呼ばれる呼吸根が幹の周りに地面から出て,独特な風景となる。 ヌマスギ属
*モクレン科モクレン リストへ戻る
モクレン科 コブシ 開花と同時に小型の葉が1個顔を出す。葉を揉むと強い香りがする。葉の網状脈がモクレンより細かく見える。花被片6枚に見える。(外側の3枚が小さいため) モクレン属
モクレン科 タムシバ 葉はコブシと似ているが,コブシより薄く,裏面が白っぽい。 モクレン属
モクレン科 シデコブシ 葉の先端は鈍形または円形で,基部は狭いくさび形。花被片12から18枚。 モクレン属
モクレン科 オオヤマレンゲ 葉は倒卵形〜広倒卵形で,先端は短く尖る。 モクレン属
モクレン科 ハクモクレン 葉の先端は短く尖る。花被片9枚。(3萼片+6花弁)。つぼみは北を向く。 モクレン属
モクレン科 モクレン 大木にならない。多くは主幹がなく,根元から株立ち状になる。葉の先端が急に尖る。花被片6枚に見える。(外側の3枚が小さいため)。つぼみは北を向く。 モクレン属
モクレン科 トウモクレン 全体にモクレンより小型で,葉の幅が狭い。花被片の内側が白い。 モクレン属
*モチノキ,ネズミモチ,クロキ等   リストへ戻る
モチノキ科 モチノキ 葉は倒卵状楕円形で全縁。互生。前年の枝に花が咲く。赤い実は大きく1センチ内外。果実はそれぞれが葉の腋についている。大木になる。幼木のときは葉にかなり鋸歯がある。 モチノキ属
モチノキ科 ソヨゴ 葉は長楕円形で小鋸歯がある。全縁でねじれ縮む感じ。 モチノキ属
モチノキ科 ナナミノキ 葉は長楕円形で大きく(7〜13センチ)まばらに低い鋸歯がある。赤実。花は淡紫色。 モチノキ属
モチノキ科 クロガネモチ 葉は楕円形で中形,全縁,葉柄・中肋は暗紫色。葉面が内側に曲がる。今年の枝に花が咲く。果実は赤実で1本の柄の先に数個集まってつく。実はモチノキより小さい。 モチノキ属
モクセイ科 ネズミモチ 葉は対生。果実はネズミの糞に似て,黒紫色。 イボタノキ属
モクセイ科 トウネズミモチ 葉は対生。ネズミモチより葉が大きく,下ぶくれで,脈が透けて見えるので区別できる。また,ネズミモチより花序が大きい。実は黒紫色で,びっしり付き,白粉をかぶる。ネズミモチと同様に大気汚染に強いとされ,そのためにやたら植栽されている。 イボタノキ属
ハイノキ科 クロキ 「黒木」の意で、樹皮が黒灰色。果実は核果で倒長卵形をなし、紫黒色に熟し,果実の先端に萼片が残る。つぶすと紫汁を出し悪臭がある。黄緑色の枝に楕円形の葉をつけるところがモチノキ科のモチノキに似ているが,クロキの枝には顕著な稜があることで区別できる。葉は全縁または先の方に波状の浅い鋸歯がある。 ハイノキ属
ハイノキ科 ハイノキ 葉は互生,縁に低い鋸歯があり,先端が長くのびる。葉の縁が細かく波打つ。果実は核果で紫黒色に熟す。
シロバイは葉柄が短く2〜4ミリ。
ハイノキ属
*「モドキ」の例 リストへ戻る
モチノキ科 イヌウメモドキ   モチノキ属
モチノキ科 ウメモドキ   モチノキ属
ニシキギ科 ツルウメモドキ   ツルウメモドキ属
ウルシ科 チャンチンモドキ   チャンチンモドキ属
*ヤシャブシ類   ⇒  ヒメ(姫)はおじぎ リストへ戻る
カバノキ科 ヤシャブシ 果穂は立ち上がった柄の上に1〜3個(上向きに)つく。葉は狭卵形で,葉脈は多数がまっすぐに平行して走り,鋭い重鋸歯のある縁に達する。砂防樹としても利用される。ヤシャブシは生長はおそいが,根が深いという。雄花序は無柄で枝先から垂れ下がる。葉や葉柄に毛が多いものをミヤマヤシャブシといい,関東地方や中部地方に多い。 ハンノキ属
カバノキ科 ヒメヤシャブシ 重鋸歯。果穂は3〜6個集まり,垂れ下がる。砂防用として各地に植えられる。葉が細長い。ヒメヤシャブシは幼時よりよく萌芽し,急速に裸地をおおうが,浅根性で急傾斜地には不適。 ハンノキ属
カバノキ科 オオバヤシャブシ 重鋸歯。果穂は普通1個ずつ(上向きに)つく。砂防用に植えられる。ヤシャブシより葉が大きくて幅広く,卵形で,果実も大きい。ヤシャブシの仲間のほとんどは枝先に雄花序がつくが,オオバヤシャブシだけは葉,雌花序,雄花序の順序で枝につく。 ハンノキ属
【注】ヤシャブシ類は菌根を有し,根粒ができ,空中窒素の固定を行うので,やせ地にも生育する。砂防緑化樹としてよく利用される。
*ヤシ類 リストへ戻る
ヤシ科 シュロ 日本産。葉は直径50〜80センチで掌状に多数深裂し,裂片は折れ曲がる。 シュロ属
ヤシ科 トウジュロ 中国原産。葉はシュロよりやや小さく,直径30〜50センチでかたく,裂片は折れ曲がらない。葉柄もシュロより短い。 シュロ属
ヤシ科 ビロウ 海岸近くに生える。葉は直径1〜2メートルで,掌状に多数中〜深裂し,さらに2中裂して先は折れ曲がる。 ビロウ属
ヤシ科 カナリーヤシ カナリア諸島原産。フェニックスとも。葉は長さ4.5〜6メートルの羽状複葉。宮崎市内の街路樹が有名。 ナツメヤシ属
ヤシ科 オキナヤシモドキ メキシコ原産。ワシントンヤシとも。直立して大きくなるヤシで,高さ30メートル,径30センチとなる。葉は幹の先に密生し,長さ1メートル,幅1.5メートル。葉の柄1.5メートル。枯葉がいつまでも幹に着いている。葉は掌状に裂け,裂片のへりには白い糸が垂れ下がる。この様子から名がある。 ワシントンヤシ属
ヤシ科 オキナヤシ 米国南部原産。幹がずんぐりと太く。乾燥地を好む。日本にはほとんどない。 ワシントンヤシ属
*ヤマナラシ    ⇒ ドロでも丸い(実)ココロ(ハート形) リストへ戻る
ヤナギ科 ヤマナラシ ハコヤナギとも。葉は広卵形で波状の鋸歯あり,葉表の基部に腺があり,葉柄は3〜7センチで左右から押しつぶした形で扁平。これにより,微風でも葉がゆれてさわさわ音を立てることが名前の由来。樹皮は灰色でなめらかで,菱形(そろばん玉を縦にしたようなかたちの)皮目が目立つ。各地でドロと呼ばれることが多いが,ドロノキのようには大きくならない。別名のハコヤナギは材を箱に使ったことによる。 ヤマナラシ属
ヤナギ科 エゾヤマナラシ 北海道で見られる。葉の鋸歯が非常に粗く,葉身の基部に腺のないものが多い。 ヤマナラシ属
ヤナギ科 ドロノキ 水湿地を好む。葉の基部は普通浅いハート形になる。葉はヤマナラシとよく似ているが,ヤマナラシは基部がハート形にならず(まれに浅いハート形になるものがある。),葉柄が扁平で長い。ドロノキの果実は丸いが,ヤマナラシは先が尖る。(雌花序が)成熟した果実からは白い綿毛を持つ種子をさかんに飛散させる。名前は材が泥のように柔らかいからとも言われる。 ヤマナラシ属
ヤナギ科 セイヨウハコヤナギ 栽培品。ホーキ状の細長い樹形が特徴。葉は三角形で鋸歯があり,枝先のものほど少しずつ大きい。運動場,学校などによく植えられており,北大のこの並木は有名
(Populus nigra cv. Italica)イタリアヤマナラシ,イタリアポプラ,単にポプラとも。
Lombardy poplar ,Italian poplar
ヤマナラシ属
ヤナギ科 改良ポプラ
カロリナポプラ
交配種。枝には著しい稜角があり,これは他のヤマナラシ属にはない。暑さに強いため西日本では街路樹などにされる。
*ヨーロッパ原産のヨーロッパクロヤマナラシとアメリカ原産のアメリカクロヤマナラシとの雑種が代表的。
ヤマナラシ属
ヤナギ科 ギンドロ ユーラシア産。葉裏は真っ白。ウラジロハコヤナギ,ハクヨウ(白楊)とも。公園樹として植栽されている。
(Populus alba) white poplar ,silver poplar ,abele
ヤマナラシ属
【参考】
ヤナギ科 ヨーロッパヤマナラシ (Populus tremula)ユーラシア,北アフリカ産
aspen , European aspen , trembling poplar
ヤマナラシ属
ヤナギ科 アメリカヤマナラシ (Populus tremuloides)北米産
trembling aspen , American aspen , quaking aspen
ヤマナラシ属
ヤナギ科 ヨーロッパクロヤマナラシ (Populus nigra)ユーラシア,アフリカ北部産
black poplar
*これにアメリカヤマナラシの和名を当てていることがあり,適当でないとされる。
ヤマナラシ属
ヤナギ科 アメリカクロヤマナラシ (Populus deltoides)アメリカ東部・中部産
ヒロハハコヤナギ,ナミキドロ,モニリフェラヤマナラシ
cottonwood , eastern cottonwood , American poplar
ヤマナラシ属
*ヤマモモとホルトノキ リストへ戻る
ヤマモモ科 ヤマモモ 葉は全縁と浅い鋸歯のあるものがある。葉を透かしてみると細かい網の目まで見える。実は赤く多汁質の粒状突起があり食べられる。 ヤマモモ属
ホルトノキ科 ホルトノキ あるかないかの浅い鋸歯がある。葉を透かして見ても大きい網の目しか透視できない。実は黒青色で楕円形。街路樹,緑化木として多用されているが,庭木としてはヤママモモの方が評価が高く好まれる。 ホルトノキ属
*ユズリハ,ヒメユズリハ,エゾユズリハ リストへ戻る
ユズリハ科 ユズリハ 葉が大きく,普通垂れる。葉脈がやや少なく隆起しない。葉裏の網状脈が目立たない。葉柄の上面が赤い。(ときに緑のこともある。)花序は下垂する。深い山に生える。正月元日の門飾り,又は三宝の飾りに使用する。 ユズリハ属
ユズリハ科 ヒメユズリハ 葉はユズリハより小さい。葉脈がやや多くしばしば網状に隆起する。葉裏の網状脈がはっきり見える。雄花に萼片があり,花序は下垂しない。沿海地や低山に生える。大木となる。正月には使用しない。 ユズリハ属
ユズリハ科 エゾユズリハ 北海道及び本州(中部以北の日本海側)に分布。樹高は1〜3メートルで小さい。 ユズリハ属
*レンギョウ類(モクセイ科レンギョウ属) リストへ戻る
モクセイ科 レンギョウ 中国原産。雌雄異株。葉は卵形で対生。若枝の葉はしばしば3出葉状に分裂する。雌雄別株。若枝の葉はしばしば3出葉状に分裂する。葉の展開前に鮮黄色の花を展開。枝の節のところにしきりがあるが,枝の縦断面は中空である。枝が中空なのでレンギョウウツギの別名もある。 レンギョウ属
モクセイ科 シナレンギョウ 中国原産。雌雄異株。葉は対生。枝は直立する。花はやや緑がかっている。花の列片はレンギョウより細く,幅約5ミリ。レンギョウ類では一番多く植えられている
葉が楕円形〜長楕円形で,枝に薄板状の髄がある。(枝の縦断面は節のところにしきりがなく,全体に紙のような薄板がある。)
レンギョウ属
モクセイ科 チョウセンレンギョウ 朝鮮半島原産。雌雄異株。葉は対生。花はわずかに赤みがかった黄色。枝が弓なりに長くのびるのが特徴。シナレンギョウより葉の幅が広く,鋸歯が鋭くて多い。
葉が楕円形〜長楕円形で,枝に薄板状の髄がある。(枝の節にしきりがあって,全体に紙のような薄板もある。)
レンギョウ属
モクセイ科 ヤマトレンギョウ 本州(中国地方)に分布。日本固有。雌雄異株。花は葉の展開と同時に開花する。葉は対生。岩場に生え細い枝を長く伸ばす。 レンギョウ属
モクセイ科 ショウドシマレンギョウ 四国(香川県小豆島)に分布。日本固有。雌雄異株。ほかのレンギョウにくらべて,花の色は黄色みが薄い。葉の展開と同時に開花する。葉は対生。果実には皮目が多い。 レンギョウ属