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続・樹の散歩道 ツタウルシが美しく輝くとき
ツタウルシは葉の様子がちっともウルシらしくないため、それと知らずに触れてひどい目に遭う事例が繰り返されている。漆が採取できるわけでもなく、何の利用もできない嫌われ者であるが、ある時期に実に美しい姿となって目を楽しませてくれる。他の樹木を締め上げて枯らすこともないから、管理された空間でも案外放置されている場合もあり、お陰で季節を感じさせる最上の景観を提供してくれる。 【2013.11】 |
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1 | ツタウルシの様子 ツタウルシはその名のとおりつる性で、「気根」で太い樹木の幹にしがみついてビッシリ樹皮を覆い尽くす。樹木を管理し、あるいは森林を調査する者にとっては厄介者であるが、通りすがりの見物人にとっては、この紅葉時期に出会うことができれば幸いである。 |
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2 | ツタウルシの紅葉による赤い円柱 カエデなどの紅葉とは一風異なる森の赤い円柱が織りなす美しい風景は、また格別のものである。 以下の写真でツタウルシがしがみついているのはいずれも人工植栽されたカラマツである。樹皮に亀裂があるため気根が取り付きやすいのかも知れない。さらに、すくすくと伸びた大きな木に沿ってつるを伸ばせば、確実に陽光が確保できる。 |
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3 | ためになるウルシかぶれの話 その1: ヤマウルシやツタウルシなどのウルシ科の樹々を目にしたら、努めて慎重に行動しているため、これらに起因してかぶれた経験はないものの、「漆液」でかぶれたことがある。チューブに入って市販されている漆を白木の箸に塗ることを企て、その際、漆を節約するために右手人差し指と親指に直接漆液をとって箸に塗り込んでみた。皮の厚い手のひらや指先がかぶれるなどあり得ないことは承知していた。作業が終了して、指先を石けんを使って入念に洗った ・・・ つもりであった。悲劇はこれからである。これは、全くの突然に降って湧いた災害にも等しいもので、最もデリケートな部分(男にもデリケートな部分がある!)が何の非もないのに受災し、何とも情けない状態になってしまったのである。(具体的な描写は割愛する。) (注)ウルシのかぶれ成分はウルシオールによることが知られている。 ウルシ成分は実にしつこいことを身をもって知った。 その2: 先程も触れたとおり、ウルシ科の植物体により直接かぶれたことはないが、ツタウルシに起因して知り合いが気の毒な状態となっていたのを目撃したことがある。病院で診てもらった後の姿であったが、両手が上腕部から手首まで、包帯でぐるぐる巻きとなっていたのである。実は、ツタウルシはウルシ属最強のかぶれ植物ともいわれていて、これは恐ろしいゾッとする事例であった。 (注)ツタウルシのかぶれ成分はラッコールによることが知られている。 |
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4 | 比較参考: つるの織りなすその他の風景 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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