学名の例 |
種 |
説明例 |
Brassica juncea |
カラシナ (アブラナ類とカラシナ類の雑種) |
・カラシナは栽培されるアブラナ科の越年草で、春先にとう立ちした茎葉を漬物にして食べ、また種子をからし油やマスタードの原料とする。種子は褐色から明褐色。日本では「本草和名」にすでに記載され、古くに導入されていることがわかる。【百科】 ・種子は和からしの原料となり、オリエンタルマスタード、ジャパニーズマスタードとも。
・カラシナ類は茎葉の基部が茎を抱かないのが特徴。【野に咲く花】 ・根生葉はへら形、長い葉柄をもち、しばしば多少羽状に裂け、鋸歯縁をもつ.茎上葉互生した短い柄があり、長楕円形、茎の上部につくものほど小さくなる。ふちは多少切れ込みがあり、また鋸歯もある。ふつう葉面にはややしわがよってちぢみ、白色をおびる。多少ざらざらしてやや毛がある。【牧野新日本植物図鑑】 |
Brassica juncea var. cernua |
セイヨウカラシナ (アブラナ類とカラシナ類の雑種) |
・ヨーロッパ原産。最近、関西地方の河川敷を中心に大繁殖をしている二年草で、栽培されるカラシナの基となった野生種。アブラナとクロガラシの雑種四倍体(複二倍体)で,種子は褐色。若葉や花序はカラシナ特有の辛みがあり、漬物にするとおいしい。【百科】
・セイヨウアブラナより花付きは少しまばら。途中の葉は楕円形、下の葉は大きく、左右から切れ込んだ羽根状。葉の基部はくさび形で、茎を抱くことはない。【野草の名前】
・在来のカラシナより全体にやせた感じ。花はやや小さい。【野に咲く花】 |
Brassica juncea var. integrifolia |
タカナ (アブラナ類とカラシナ類の雑種) |
・西アジア原産のカラシナから中国で育成された品種の一つ。日本へは奈良時代〜平安時代初期のころ中国から渡来したものらしい。おもに漬物にするが、油でいためてもよい。【百科】 ・葉は特に粗剛で大形。根生葉は広楕円形、あるいは倒卵形、基部は狭くなり、短柄がある。ふちには不ぞろいな鋸歯があり、全長60〜80cmぐらいになる.羽状に裂けない。 茎上葉は長楕円形披針形で全縁、あるいははっきりしない鋸歯がある。ほとんど無柄であるが、基部が茎を抱くことはない。葉面にはしわがあり、しばしば暗紫色をおびるものがある。【牧野新日本植物図鑑】 |
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チリメンナ(縮緬菜) |
タカナの栽培品種(大辞林) |
Brassica juncea var. tumida |
ザーサイ |
中国四川省を主産地とするカラシナの一種。また、これからつくる漬物をいう。栽培の歴史は新しく、記録にあらわれるのは清朝末期からである。【百科】 |
Brassica napus |
セイヨウアブラナ(西洋ナタネ、黒種)、ルタバガ、ナビコール rapeseed, canola, rutabaga (swede/Swedish turnip/swede
turnip) (アブラナ類とキャベツ類の雑種) |
・食用油の原料として一般的。
・セイヨウアブラナは葉が厚く濃緑色で、白い蝋質をかぶる。花はアブラナよりやや淡い緑色を帯び、花期も半月ほど遅い。明治以後に欧米から導入された。【百科】
・葉は厚くて黒っぽく茎や葉が粉白を帯びているのが特徴。葉の基部は茎を抱く。萼片は斜めに立つ。【野に咲く花】
*アブラナとは別種。「黒種」の名は、種子が濃黒褐色であることによる。 |
Brassica nigra |
クロガラシ(ブラックマスタードblack mustard) |
・カラシナと同様にマスタードの原料となる。ヨーロッパ原産の植物で、種子は黒褐色で、褐色から明褐色のカラシナからは区別できる。【百科】 ・かつては局所刺激薬(湿布薬)とされた。【都立薬用植物園】 |
Brassica oleracea |
野生キャベツ |
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Brassica oleracea var. capitata |
キャベツ |
カンラン(甘藍)、タマナとも。ヨーロッパ原産で、13世紀頃に軟結球型のものがヨーロッパに広がり、日本には観賞用のものが古くに導入され、野菜としてのキャベツが本格的に導入されたのは明治初期。品種は基本形として17の品種群に分けられる。【百科】 |
Brassica oleracea var. gemmifera |
メキャベツ |
コモチカンラン(子持甘藍)、ヒメカンラン、コモチハボタンとも。キャベツから分化したもので、ベルギーのブリュッセル地方で古くから栽培されていた。国内では暖地型の栽培として静岡県遠州地方の冬出しと、高冷地型の長野県茅野市付近の夏秋出し栽培があり主産地となっている。【百科】 |
Brassica oleracea var. acephala |
ケール |
ハゴロモカンラン(羽衣甘藍)、リョクヨウカンラン(緑葉甘藍)とも。キャベツとはちがい、結球せず、茎が立ち、上部に密生した葉を形成する。原産地はイタリアの海岸から山地にかけてで、ケルト人によりヨーロッパに広められた。日本へは古く伝わったとされ、明治初年に改めて導入されたが、野菜としての発達は遅れている。【百科】 |
Brassica oleracea var. acephala |
ハボタン(葉牡丹) |
冬、花壇の唯一の材料として広くつくられているアブラナ科の草本(イラスト)。原種は江戸時代に日本に渡来し、オランダ菜と呼ばれていた不結球の緑葉のキャベツで、その後冬を迎えて着色するものに改良された。自家不稔のため種子を採るには2本以上植えることが必要。ハボタンはふつう一年草として取り扱われるが、結実させなければ多年草として育つ。【百科】 |
Brassica oleracea var. batrytis |
カリフラワー |
ハナヤサイ(花野菜)とも。花序とつぼみの集合体が肥大したものを食用とする野菜。東部地中海沿岸のシリア地方の野生カンラン B.cretica から栽培分化したものとされている。日本へは明治初年にアメリカから導入された。【百科】 |
Brassica oleracea var. batrytis |
ブロッコリー |
メハナヤサイ、ミドリハナヤサイとも。カリフラワーの原種と考えられている。日本には明治初年に導入され、昭和40年代から50年代になって本格的に普及するようになった。【百科】 |
Brassica rapa |
野生アブラナ、ブラッシカ・ラパ( field mustard) |
アブラナ科アブラナ属の野草で、多様な栽培植物の原種と考えられている。特に命名されておらず、学名をそのまま読んで表記される。古代から西アジアから北ヨーロッパの大麦畑に生える雑草で、古代、農耕文化が伝播すると共に、作物の種子に紛れて移動したと考えられている。【ウィキペディア】 |
Brassica rapa var. nippo-oleifera
Brassica rapa var. nippoleifera |
アブラナ(在来ナタネ、在来アブラナ、和種ナタネ、赤種) |
・アブラナの名は種子から油を搾り、行灯や灯明の灯油として広く用いられたことから名付けられた。現在油を搾っているのは別種のセイヨウアブラナだが、「油菜」の名はそのまま使われている。【植物の世界】
・葉は淡緑色で柔らかく、白い蝋質がなくて、若い葉は食用になる。【百科】
・全体が平滑で上部では分枝する。葉はかなり大きく、茎の基部の葉は有柄で先太り形で、少数の裂片を持った羽状に裂け、時には裂けないものもある.ふちには鈍状の歯牙がある。上面は鮮緑色、下面は白色をおび、葉柄はときにはわずかに紫色をおびることがある。上部の葉は基部は耳状になって茎を抱き、無柄、広披針形、先端は鋭形、羽裂することはない。【牧野新日本植物図鑑】
・花序は開花時には散房花序であるが、後に総状花序となる。すなわち、初めのうちは水平に開花し、つぼみがきれいに行儀よく並んでいる。【植物観察事典】 ・在来のナタネは島根県の菜種島などごく一部で残るに過ぎない。【植物ごよみ】
*「赤種」の名は、種子の色が黄褐色で赤っぽいことに由来する。
*アブラナ(在来ナタネ)は弥生時代に中国経由で渡来したものとされる。 |
Brassica rapa var. nipposinica |
ミズナ(京菜 キョウナ、千筋菜 センスジナ、千本菜 センボンナ、糸菜 イトナ) |
関西ではおもに煮食用にするが、関東では漬物用とする。【百科】 |
Brassica rapa var. lanciniifolia |
ミブナ(壬生菜) |
ミズナの一種で、葉に欠刻のないものを特にミブナという。京都の特産。【百科】 |
Brassica rapa var. rapa |
カブ(西欧系品種群) |
東北地方を中心として東日本一帯に分布するカブは西欧系品種群に属する。【百科】 |
Brassica rapa var. glabra |
カブ(在来品種群、東洋系、アフガニスタン系) |
・関西地方や全国的に分布しているカブは、在来種群に属する。在来種群と西欧系品種群の栽培地帯の境界(関東付近)では両者の中間的な形質をもった小カブや長カブがみられる。【百科】
・根生葉は大形で束生し、長さ40〜60cmぐらい。先太りのへら形で先端は鈍形、ふちは羽裂しないで不ぞろいの低い歯牙状の鋸歯がある。葉面にわずかに剛毛がある。茎上葉は倒披針形、茎の頂部の葉は披針形、時には白色をおび、基部では耳状になって茎を抱く。【牧野新日本植物図鑑】 |
Brassica rapa var. hakabura |
ノザワナ |
長野県の特産野菜で、漬物として独特の風味が好まれる。草丈は1mくらいにもなり、直立性で葉柄が長く、葉形は長円形で葉のふちには刻みがある。地下部のカブのふくらみはあまり大きくならず、上部は紫紅色になるが、下部は白色である。【百科】 |
Brassica rapa var. perviridis |
コマツナ |
・漬菜類の一種でカブと近縁であるが、カブのようには根部が肥大しない。フユナ(冬菜)、ウグイスナ、カサイナ(損西菜)などともよばれる。小松菜の名称は東京の小松川(現在の江戸川区)で発達した菜であることに由来する。在来カブのククタチからでてきたものと思われる。関西ではほとんど栽培されず、関東での栽培が多い。【百科】 ・根生葉は長楕円形、長さ40〜60cm、葉柄は細長く、葉の表裏とも濃緑色。葉縁に細かい欠刻がある。【APG牧野】 |
Brassica rapa var. chinensis |
チンゲンサイ |
中国野菜のパクチョイ(白菜)には白軸と青軸とがあり、青軸の方はチンゲンサイ(青梗菜)と呼ばれる。【百科】 |
Brassica rapa var. pekinensis |
ハクサイ |
ハクサイ類は結球型、半結球型、不結球型の3群に分けられる。これらのハクサイは、中国北部でカブと漬菜類との交雑後代から選択されて成立したことが明らかにされている。日本に適合したハクサイ品種の開発と採種技術が確立したのは明治末期である。栄養的にはほぼキャベツに匹敵する。【百科】 |
Brassica rapa var. glabra |
チリメンハクサイ |
南支那より輸入された白菜の一品種。葉面の小網脈の間は上面に凸出して縮緬状の皺をなす。結球しない。【新牧野日本植物図鑑】??? |
Brassica rapa var. glabra |
チョクレイハクサイ |
北中国の河北省保定付近に栽培の中心があった白菜の1品種で、現在では日本の重要な野菜の一つ。【牧野新日本植物図鑑】 |
(Brassica napus)
(Brassica rapa ) |
食用菜花 |
若い葉・茎・蕾を食用とする。 |
Brassica rapa など |
花菜 |
切り花、観賞用のほか、食用ともなる。 |
Brassica rupestris |
ブラウンマスタード(brown mustard ) |
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Sinapis alba
(Brassica alba) |
シロカラシ(シロカラシ属) |
地中海沿岸原産で、野菜、ハーブとされるほか、淡褐色の種子はマスタード(洋からし、イエローマスタード)の原料とされる。 |