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津山檜(津山ヒノキ)
素性を調べたところ、これは八つ房性(やつぶさしょう)のヒノキで、昭和30年に岡山県津山市小田中笠松の遠藤健吉氏が盆栽素材の探索中に市内大谷の石山で10センチほどの実生苗を発見したことに由来するという。葉が細かく盆栽に適することからさし木による増殖で普及したものである。つまり、ヒノキの天然品種であり、また見るものはすべてクローンということになる。昭和57年2月11日には氏の地域における功績が認められ、津山市長から表彰されている。
津山檜の特性としては、以下の点が認められている。
@ 盆栽に非常に適した素材で、特に小品盆栽には最適である。
A 病害虫に強く、丈夫で作りやすい。
B 皮性(かわしょう)がよい。
【参考資料:雑誌記事「津山檜を訪ねて」。コピーが手元にあるが掲載誌不詳】
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普通のヒノキと比べることで、葉の特徴がよくわかる。石化檜よりもやや知名度は低いようである。 |
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【追記 2009.6】
大切に育てられている津山檜の盆栽を岡山県内のY氏邸で拝見させてもらった。経過年数は確認できなかったが、相当の樹齢と思われる。
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石化檜(石化ヒノキ、せっかひのき)
名前から来る印象は、ヒノキが化石と化した石化木といった感じである。しかし、そうではなくてナマの植物体である。葉が細かくて堅いイメージから来ているものと思われる。これは盆栽をやる人にとってはおなじみの素材のようである。
石化ヒノキは一般の八房ヒノキよりさらに葉が細かく縮れているものとして説明されている。盆栽用に選別されたものとされ、津山檜と同様に小品盆栽に向いた特性を持ったヒノキである。決して帯化現象が生じたものを指しているわけではないため、名前は少々わかりにくい。 |
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石化檜(日比谷花壇展示品)
葉をよく見ると、確かにヒノキ科ではあるが、樹種としてのヒノキは葉の先端が丸いのに対して、石化檜では葉の先端の尖っていて、まるで先祖返りしたような葉に見える。
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<用語解説> |
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