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ロウバイのつぼみ
膨らんだ黄色いつぼみも美しい。 |
ロウバイの花
内側の花弁や雄しべ、雌しべの様子がどうなっているのかはのぞき込んでもよくわからない。 |
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ソシンロウバイの花
寒い時期のほっとする風景である。 |
ソシンロウバイの花
ロウバイより華やかな印象があり、並べるとロウバイが貧相に見えてしまう。 |
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ロウバイChimonanthus praecox は中国原産のロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。中国伝来であるいことから唐梅(カラウメ)ともいう。高さは4mに達する。1~2月に芳香のある黄色の花をつける。日本には17世紀初めに朝鮮半島を経由して渡来したとされる。ソシンロウバイはChimonanthus praecox f. concolor、C. praecox ‘Concolor’(品種名‘コンカラー’)、C. praecox var. concolor(変種 コンカラー)、C. praecox ‘Luteus’(品種名‘ルテウス’)、C. fragrans ‘'Luteus’ 等多くのシノニムの学名を目にし、一般に品種と見なされているが、変種としている場合もある。
なお、ウンナンロウバイ(雲南蝋梅)Chimonanthus yunnanensis の名も目にするが、ロウバイの異名とされ、中国植物誌でも独立種としては認知・掲載していない。
裸眼で花を観察した限りではよくわからない主な点を整理すると |
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① |
多数の花被片の形態とその構成がどうなっているのか |
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② |
雌性先熟といわれる花の形態的な変化と雄しべの葯の様子 |
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③ |
雄しべが閉じた状態で中心部が硬く感じる理由 |
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④ |
よく見えない雌しべの形態はどうなっているのか などである。 |
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1 |
ロウバイの花被片の形態 |
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花をのぞき見ると、内側の花被片だけは着生部が細いことは確認できる。また、改めで花全体を見ると、基部は淡褐色の小さな鱗片で構成されていて、これが次第に大きくなって淡黄色の花被片を構成し、さらに内側では暗紫色が混ざってまた小型化している。 |
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1つの花の花被片の構成例 (個体A)
こちらの花の中間の花被片は長めである。 |
1つの花の花被片の構成例 (個体B)
こちらの花の中間の花被片は短か目で、内側の花被片の紫色は左のものより薄い。 |
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内側の紫色の花被片の基部は他のものより細くなっているが、花被片の解体が少々下手なことと、細い部分が上向きに反っていることから、写真ではやや確認しにくい。なお、微細な鱗片はここには並べていない。内側の花被片は蜜を分泌し、ベタつく。 |
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蜜を分泌している内側の花被片 1 |
蜜を分泌している内側の花被片 2 |
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花被片は多数で、萼片から花弁へと連続して区別できない。内花被片は暗紫色、中片は黄色で外片は鱗片状。
【世界大百科事典】 |
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花は直径約2センチ、花被片は多数らせん状につく。内側の花被片は小さくて暗褐色、外側の花被片は黄色で光沢がある。【樹に咲く花】 |
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内層の花披は小型で、中層の花披は比較的大きく、黄色で薄く、少し光沢を帯びていて、外層は多数の細かい鱗片からなる。【中薬大辞典】 |
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2 |
雌性先熟とされる花の形態的な変化(特に雄しべの様子) |
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(1) |
ロウバイの雌しべ成熟期 |
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雌しべ成熟期のロウバイの花
この花では雄しべが5個ある。 |
雌しべ成熟期の雄しべ
この花では普通の雄しべが6個と、発育の悪い雄しべが2個見える。葯は下方を向いている。雌しべは先端だけが見えるが、花柱は仮雄しべに囲まれて全く見えない。 |
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雌しべの成熟期(厳密に成熟しているのかは見てもわからないが、そう信じている。)では雄しべは放射状に広がって平らになっている。この時点で、花粉をまだ放出していない葯は下を向いていているから、このままということはあり得ない。花糸が随分太めであることがよくわかる。 |
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多数ある雌しべの花柱は糸状で非常に細い。柱頭部との形態的な違いはよくわからない。 |
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(2) |
ロウバイの雄しべ成熟期 |
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雄しべ成熟期のロウバイの花
雄しべが立ち上がって中心で寄り集まり、葯の先端が密着している。 |
雄しべ成熟期の花粉を出した葯
葯が円錐形の屋根状となって、花粉を放出している。 |
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雄しべの成熟期(雌しべは既に他の花粉をもらって受粉したはずである。)では、雄しべが立ち上がって先端が密着し、円錐状となって、外向きとなった葯から花粉を出している。花糸の太い雄しべがこうした形になっていることから、上から突いた場合に硬く感じるようである。なお、雌しべと仮雄しべは完全に雄しべに覆われていて見えない。 |
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注: |
雌しべ成熟期を雌性期、雄しべ成熟期を雄性期として表現している場合があるが、性転換するわけではないから好ましくない。 |
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3 |
ロウバイの雄しべと雌しべの様子 |
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花の形態的な説明に関しては中国の図鑑が詳しく、例えば「退化雄しべ」についても触れている。国内の図鑑類では「植物の世界」で、やっと「仮雄しべ」として触れていた。一方、雌しべに関する情報は少ない。 |
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ロウバイの雌しべ成熟期(上方から)
複数の糸状の雌しべの柱頭が見られる。柱頭は放射状に開くことはない。 |
ソシンロウバイの雌しべ成熟期
雌しべの花柱は仮雄しべに囲まれている。 |
ロウバイの雌しべ成熟期
柱頭には既に他の花の花粉が付着している。 |
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雄しべ花粉放出期
雄しべが花粉を放出している。以下花披片を剥がした状態で撮影。 |
雄しべ花粉放出後
葯が円錐状に寄り集まっている。雌しべは雄しべに隠れて見えない。 |
雄しべ成熟期の雌しべ
成熟した雄しべを取り去った状態で、仮雄しべに囲まれた受粉後の雌しべが見える。役割を終えたと思われる雌しべはすでに変色している。 |
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花後の雄しべ
花後の萎んだ花被片を剥がした状態(以下同様)の雄しべである。 |
花後の雄しべと仮雄しべと 雌しべ
雄しべを人為的に少し開いて撮影したもので、しぼんで変色した雌しべが見える。 |
花後の花床の断面
仮雄しべの内側にやや大きくなった複数の白い子房が見える。複数の糸状の花柱が中心で束状になっている。(雄しべは取り除いてある) |
同左
左の片割れで、3個の子房、糸状の花柱、奥に棒状の仮雄しべ、その奥に花粉を残した雄しべが見える。 |
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上の写真のとおり、雄しべを剥がすと仮雄しべ(退化雄しべ)をはっきり確認することができる。これを見た限りでは、細くて頼りない雌しべを取り囲んで、倒れないように支える役割を担っているように見える。 |
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雄しべは5-6本で、内側のものは仮雄しべである。【植物の世界】 |
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雄しべは8本で、不発育のものが1~2本混じる。葯は外に向き、白色の花粉を出す。【植物観察図鑑】 |
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雄しべは5~6個。雌しべは壺形の花床の中に多数つく。 【樹に咲く花】 |
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おしべはもともと8本ですが、ふつうは5~6本です。雌しべはたくさんあって、つぼ状をした花床中におさまっています。子房は一室で、中に一個ずつ胚珠が入っています。花が済むと、花床の部分が膨らんで、細長い卵状の果実となりますが、これは本当の果実とは言えないので偽果(偽の果実)といいます。【牧野富太郎植物記5】 |
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花径は約2cm前後である。花被は多数で多数で小形の内層片は暗紫色、大形の中層片は黄色で薄くやや光沢があり、下層片は多数の細鱗片となる。雄しべは5~6個、葯は外向きである。雌しべは多数で、つぼ状の花托の内にあり、花托の縁には不発育の雄しべがある。子房は1室で、中に胚珠が1個あり、柱頭は分岐しない。花がすむと、花托は成長増大し、長卵形の偽果となり、内部に1~4個の深紫褐色、長楕円形のそう果がある。【牧野新日本植物図鑑】 |
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雄しべは5~6個、長さ4mm、花糸は葯より長いか等長で、葯は内側に湾曲し、無毛。葯隔の頂端は短く尖り、退化雄しべは少数~多数、長さ3ミリ。心皮の基部に剛毛が疎生し、花柱の長さは子房の3倍となり、基部に毛がある。【中国植物誌・中国本草図録】 |
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心皮は多数で分離し、花托の内面に着生している。【中薬大辞典】 |
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4 |
ロウバイの果実と種子の様子 |
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ロウバイの肥大する前の花床(3月上旬)
古い花被片を剥ぎ取ったもので、仮雄しべや太かった花糸は萎んでいる。 |
ロウバイの偽果の先端部分(4月下旬)
萎んだ雄しべが残っており、一方で、仮雄しべの基部がとげ状に大きく成長したようである。 |
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ロウバイの偽果の先端部分(4月下旬)
雄しべの基部はあまり大きくなっていない。とげ状の突起の下方にある横長の白い筋は花被片が落ちた跡である。 |
ロウバイの偽果(5月上旬)
奇妙な形の偽果が完成である。 |
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ロウバイの偽果(7月上旬) |
そう果を見せたロウバイの偽果(12月上旬)
ロウバイのそう果はゴキブリの卵鞘に似ているとして、多くの人に親しまれている。 |
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偽果の先端部分のとげ状の突起は、一旦は萎んだ仮雄しべの基部が改めて成長して形成されたもののようである。
古い偽果はまるで魚を捕る竹製の筌(うえ、うけ) のようで、穴の開いた先端部からそう果がこぼれ出る状態になっていた。 |
そう果を見せたロウバイの偽果(12月上旬) |
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花が終わると花床が大きくなって、長さ3センチほどの長卵形の偽果になる。偽果の表面は木質化し、先端には雄しべなどが残り、中にそう果が5~20個入っている。【樹に咲く花】 |
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果実は花托の肥大したもので、花後に肥育する。即ち偽花である。【植物観察図鑑】 |
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注:花床と花托は同義で使用されている。 |
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<ロウバイの花と果実に関する説明例>【中国植物誌・中国本草図録(抄)】 |
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花は2年生の枝の葉腋に着生し、花は葉より先に咲き、芳香がある。直径2-4cm(注:国内では4センチもある花は見たことがない。せいぜい2.5センチほどである。)。花被片は15~20個、円形、長円形、倒卵形、楕円形、あるいはへら形で、長さは5~20mm、幅5~15mm、無毛で、内部の花被片は外部に比べ短く、基部に爪(注:着生部が細くなっていることを表現したもの。)がある。雄しべは5~6個、長さ4mm、花糸は葯より長いか等長で、葯は内側に湾曲し、無毛。葯隔の頂端は短く尖り、退化雄しべは少数~多数、長さ3ミリ。心皮の基部に剛毛が疎生し、花柱の長さは子房の3倍となり、基部に毛がある。果托はほぼ木質化し、つぼ状あるいは倒卵状楕円形、長さ2~5cm、直径1~2.5cm、口が狭くなっている。花期11月~翌年3月、果期4~11月。 |
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5 |
ロウバイの名前に関する講釈 |
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自生する中国でのロウバイの呼称には「蜡梅(蝋梅)」、「腊梅(臘梅)」等の表記があり、特にこの2つは日本にそのまま伝わってる。そのため、国内の書籍でもこれらの由来を講釈している例が見られるが、本家中国の書籍に任せた方がいいと思われる。Wikipedia
の中国語版でも紹介されている2つの文献の記述は以下のとおりである。 |
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① |
李時珍「本草綱目」:蜡梅:この物は、本来は梅の類ではない。その梅と時を同うし、香もまた相近く、色が蜜蝋(注:ビーワックス)に似ているところからこの名を呼ばれたのだ。(春陽堂版国訳) |
② |
陳 淏子「花鏡」:蝋梅は俗称が臘梅で、一名黄梅というが梅類ではなく、梅と同時に放つ香りが近く、色は蜜蝋に似て、かつ臘月(注:陰暦12月)に咲くことからその名がある。(自訳) |
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ただし、何れも色が蜜蝋に似るとしているが、この点に関しては個人的に不満がある。蜜蝋(ビーワックス)自体はくすんだ黄色で、美しい色ではないからである。この点を意識してかしないでか、国内の説明で、「蝋細工」のようであるからとしているのをしばしば見るが、そうした表現は見られない。本当は花被片の透明感があって、やや艶のある質感をまるで蝋が浸透したような(蝋質の)印象を表現したものと解釈した方が受け入れやすいと思われる。 |
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6 |
ロウバイの薬用利用 |
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ロウバイの花蕾を乾燥したものは「蝋梅花」の名があり、中国で薬用利用があって、日本でもこれに学んでいる。
ロウバイの芳香成分については興味深く、香水での利用例もあるとされ、例えばボルネオール Borneol (竜脳とも)、リナロール Linalool、カンファー Camphor などのお馴染みの各種芳香精油成分が含まれているという。ただし、そう果内の種子には強毒性のアルカロイドであるカリカンチン calycanthine が含まれるという。 |
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蝋梅花(ロウバイの花蕾を乾燥したもの)は解熱、鎮痛薬として熱病煩渇、咳嗽、小児麻疹、百日咳、火傷などに用いられる。【原色牧野和漢薬草大図鑑】 |
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蝋梅の蕾は暑熱時のめまい、嘔吐、気の鬱滞と胃部の煩悶、はしか、百日咳、火傷に用いる。【中国本草図録】 |
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7 |
ロウバイの品種等 |
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お馴染みのソシンロウバイ以外の品種は現物で確認したことはないが、他にトウロウバイ(唐蝋梅)、カカバイ(荷花梅)、満月蝋梅、‘パルヴィフロルス’等の名を見る。 |
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① |
ソシンロウバイ(素心蝋梅)
中国名:素心蝋梅
ソシンロウバイは花全体が黄色のものを指す。一般にロウバイより花が大きく、ロウバイの実生台木に接ぎ木して増殖されている。学名については
Chimonanthus praecox ‘Concolor’(品種名‘コンカラー’)
Chimonanthus praecox f. concolor
Chimonanthus praecox var. concolor(変種名 コンカラー)
Chimonanthus praecox ‘Luteus’(品種名‘ルテウス’)
Chimonanthus fragrans ‘'Luteus’ 等多くのシノニムを目にし、一般に品種と見なされているが、変種としている場合もある。 |
② |
トウロウバイ(唐蝋梅)、‘グランディフロルス’、‘フランディフロラ’
オオロウバイ、ダンコウバイ(壇香梅)とも
注:壇香梅は中国名で、日本ではなぜかこの名をクスノキ科の樹種に充てて、それがダンコウバイになってしまった。クスノキ科のダンコウバイは中国にも自生があり、中国名は三桠乌药(三椏烏薬)である。
Chimonanthus praecox 'Grandiflorus'
Chimonanthus praecox 'Grandiflora'
Chimonanthus praecox var. grandiflora
・葉はロウバイより小さく、花は大、濃黄色、香気はやや劣る.外は黄色、花心は暗紫色。【樹木大図説】
・花弁が広く、花の姿の美しいものをトウロウバイ(唐蝋梅)という。【牧野新日本植物図鑑】
・大輪、こい黄色で径4.5cm 、内側に目立つ栗色の線が入る。【A-Z園芸植物百科事典】
・だんこうばい(壇香梅)は、トウロウバイ、シンノウロウバイともいう。花はロウバイより大きく花弁の幅が広い。花弁は外側のものが黄色で内側のものは小さく、あっさりとした紫褐色の斑点がある。【園芸植物図譜】 |
③ |
カカバイ(荷花梅)
Chimonanthus praecox var. intermedia Makino
・花は平開、鐘形、花被片は狭長楕円形、とがって長味のあるのを特徴とする。深黄色で、底は暗紫色。荷花梅で荷花とはハスの花である。磬口梅(注)というのは別名にあるが、真の磬口梅は渡来していないと思われる。【樹木大図説】
注:磬口梅は本草綱目(後出)にも登場している。
・花弁が普通品 var. praecox よりやや広くダンコウバイより狭いのをカカバイ(漢名 荷花梅より) var. intermedia Makino という。【牧野新日本植物図鑑】
・かかばい(荷花梅)は、花は大きくハスの花のように開き、外周の花弁は暗褐色を帯びた黄色、中心部の花弁は小さく暗紫褐色である。【園芸植物図譜】 |
④ |
マンゲツロウバイ(満月ロウバイ、満月蝋梅)
・ソシンロウバイにくらべ、色は濃黄。花弁は丸弁で抱え咲き、若木より開花する。ソシンロウバイの選抜種。【生物大図鑑 園芸植物Ⅱ】
*販売品の写真を見ると、ソシンロウバイ系で、総じて黄色味が強く、花被片の丸いタイプといった雰囲気があるが、ソシンロウバイとほとんど変わらないものも見られる。要は、単一の品種ではないことがわかる。実態は幅広で、ソシンロウバイの選抜種のグループとなっているようであるから、事業者の自由な判断による流通上のネーミングと理解される。このためなのか、特定の品種を指す学名表記は見られない。 一般的には安行で選抜されたものとされている。 |
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満月ロウバイの名で流通しているものの例 |
⑤ |
‘パルヴィフロルス’
Chimonanthus praecox 'Parviflorus'
花色は黄色で、径1cm【A-Z園芸植物百科事典】 |
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<参考:本草綱目(春陽堂版国訳)>
「蝋梅は、樹は葉小さく、枝が叢(むらが)り、葉が尖ったものだ。その種に凡そ三種あって、子を種(う)えて出たもので接いだことのないものは、臘月に小花を開いて香が浅い。狗蠅梅(くようばい)と名ける。接いだもので、花が疎でで開いたとき口を含むものをば磬口梅(けいこうばい)と名ける。花が密で香が濃く、色の深黄にして紫檀の如くなるものを壇香梅(だんこうばい)と名け、これが最も佳し。」 |
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<参考:中国産のロウバイ属のその他の樹種> (中国植物誌・抄)
山蜡梅(山蝋梅) Chimonanthus nitens Oliv.
常緑灌木。葉は紙質又はほぼ革質、楕円形から卵状披針形で、長さ2~13センチ、幅1.5~5.5センチ。花は小さく径7~10ミリで黄色又は黄白色、花被片は円形、卵形、倒卵形、卵状披針形又は長円形で、長さ3~15ミリ、幅2.5~10ミリ
柳叶蜡梅(柳葉蝋梅) Chimonanthus salicifolius Hu
灌木。葉はほぼ革質、線状披針形又は長円状披針形で、長さ2.5~13センチ、幅1~2.5センチ。小さな花を腋生する。花被片等は山蝋梅と同様。
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