トップページへ   木あそび目次へ 

木あそび
 三角楊枝の使い心地 


 そこそこの年になると、食後に爪楊枝を手にしてシーハーシーハーするのは普通の風景で、見た目にどうかは関係なく、特に意識もしない日常生活の一場面と化すことになる。
 ということから、中年オヤジに不可欠な楊枝は街中の食堂、レストランでは必ず備えなければならないものとなっている。少し気取った和食の店では、うまくすると「クロモジ」の楊枝を置いていて、感動してしまって少しポケットに入れることもある。
 普段使いの楊枝は大抵中国産のシラカバ製の丸棒タイプである。しかし、この世に
三角楊枝(三角ようじ)なるものがあることを、大阪河内長野市の楊枝会社の社長さんの本で初めて知った(稲葉 修著:「楊枝から世界が見える」1998.9.25,株式会社 冬青社)。
 国内での普及はこれからといった風情であるが、ヨーロッパには輸出しているとのことである。たまたま、ある薬局で見かけたことから、早速購入して体験してみた。 



三角楊枝(三角ようじ)その1

 10本単位で根元を分離せず少し残しているので、1本ずつパキッとはがして使用する。
 長さは50ミリで、材料は北海道産のシラカバを使用しているという。
 商品名は、「デンタルピック 三角楊枝」とある。

 200本入り420円、携帯用の薄型プラスチックケース(写真左)とセットになったタイプである。



株式会社 広栄社
本社所在地 大阪府河内長野市
http://www.cleardent.co.jp/index.htm

<追記> 
 いつの間にか、紙製のブックマッチのような仕様の携帯タイプの三角ようじが同社から販売されていた。和風柄のケースに20本連結型楊枝納まっている。【2009.11】


三角楊枝(三角ようじ)その2
 
上記の製品と同じ会社の製品で、シリーズ第2弾である。(平成15年発売)

 この製品はふつうの楊枝のようにバラになっている。長さ66ミリで、丸棒の先端の24ミリほどだけを2面削って断面を三角形に近い形状としている。正確に言うと底辺は円弧を描き、頂点は鋭角ではなく面取りしたような形状で、断面は台形に近い。したがって、先行して発売されたデンタルピックに比べると三角の形状の精度がやや低い印象で、価格も少し安くなっている。
 
 商品名は「歯間ようじ ドクターピック(Doctor Pick)」で150本入りは240円。
 包装袋裏面の説明書きである。イラストで形状が理解しやすい。
 なお、本製品の生産に当たっては龍谷(大学)エクステンションセンターの技術指導を受けて製造機械を開発したという。


 結論は、なかなかよろしいということである。

 結果として丸棒タイプの使い心地にイライラするほどである。断面が二等辺三角形で先細りとなっており、上の二辺で歯の汚れを除去、底辺で歯茎をマッサージするとの講釈である。要は歯の隙間の形状に合っていることから、当たりがスムーズであることが理解できる。
 
 しかし、持ち歩くのも面倒である。そこで、外食の場合は、キーホルダーに付けたミニナイフを取り出し、店の楊枝を手に取り、チョイチョイと削って「三角楊枝もどき」を作って利用することもある。本物には及ばないものの、実用上はまあまである。多少の木屑を散らかしても、店であれば全く気楽なものである。【2005年】

<追記 2007.6>
2007年6月19日のNHKのお昼番組「ふるさと一番」で、この爪楊枝の工場と付属の「つまようじ資料室」、そして本命の三角楊枝が紹介されていた。社長自らにこやかに説明をしていた。なお、最新鋭の三角楊枝製造器は企業秘密で、撮影はお断りとしていたのが印象的であった。

<追記 2014.2>
企業秘密であったはずの三角楊枝製造器が、2014年2月3日放送のワールドビジネスサテライトでしっかり映像で紹介されていた。
しかも、丁寧にもそのメカニズムがアニメーション付きで説明されていたから、会社の全面的協力があったということである。PR効果を狙っての方針変更か?