トップページへ 木あそび目次へ |
木あそび 香木 A 白檀(ビャクダン)
栴檀(せんだん)は双葉より芳し (栴檀は発芽の頃から早くも香気があるように,大成する人は子供の時から並はずれてすぐれている。【広辞苑】 この場合の栴檀は白檀の別名) 白檀は沈香に較べると価格も安いことからポピュラーで,沈香と同様に線香や焼香の原料となっているほか,仏像,扇などの工芸材料にも利用されている。また,白檀の根や材を細片として加圧水蒸気蒸留することで白檀油と呼ばれる精油が得られ,香料やアロマセラピーにも利用されている。 |
1 | 樹木 インドネシア原産のビャクダン科ビャクダン属の常緑小高木 Santalum album 。半寄生性で,発芽後しばらくは自力で生活できるが,やがて吸根を出し他の植物の根から養分を得る。古くから各地で栽培され,特にインドのマイソール〜マドラス地方はビャクダンの生産地として知られる。寄主を選ばないことから栽培しやすいという。特に南インドが産地として知られている。心材ははじめ淡黄色,やがて褐色を帯び,硬く緻密で芳香がある。芳香は樹脂分ではなく,精油分に由来する。 なお,近縁のムニンビャクダンが小笠原に特産する。 |
2 | 利用 仏像,扇,美術彫刻,小箱,櫛など小細工物,数珠などに賞用され,また薫香,抹香,線香の材料とする。精油のビャクダン油 sandal oil は,主成分としてサンタロール santalol を含有し,薬用やセッケンなど化粧品の賦香料とする。 中国名は、檀香科 壇香属 壇香(白銀香、黄英香) 材質堅実、辺材白色、無気味、心材黄褐色、香気馥郁、可製作扇骨及高級工芸美術品。蒸留木材、可得白檀油、主要成分為白檀精、可薬用及製香p。【中国樹木誌】 |
3 | 白檀油 白檀油(ビャクダン油)をかつては淋病の治療薬とされていたことがあったが,現在では香料,アロマテラピーで使われている。アロマテラピーでは精油(エセンシャルオイル)は白檀の英名である Sandal wood の名称が使われている。 なお,主成分のサンタロールの香りの近似物質の合成品もあって,商品化・販売されているという。 |
写真はビャクダンを割加工した製品(鳩居堂製)。価格は沈香に比べると、はるかにお手頃である。 | |
白檀の原木 【追記 2011.6】 | |
写真は財団法人 日本住宅・木材技術センターの「銘木館」に保管されている白檀の原木である。 樹皮は取り除いた状態なっている。 白檀は、加工の際の鋸屑も捨てないと言われているが、これだけの量の白檀が無造作に立てかけられているのを見ると、なにやら有難味が減少してしまう。 ■財団法人 日本住宅・木材技術センター 「銘木館」 東京都江東区新砂3−4−2 |
|