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フィリップスシェーバーの古典的な機種の内刃である。外刃が網目の製品では、回転式でも、往復式でも内刃が情けないほどぺらぺらで、刃物という印象がないが、フィリップスの内刃は、先端部が鑿(のみ)のような形態で、鋭さと輝きがあって、いかにも刃物らしくてよい。実にシンプルで、好きな感触である。 |
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フィリップスの刃は、切れ味と深剃りを追求する中で、次第に精密部品のように複雑な形態となってきている。 左の内刃も一昔前の製品であるが、二枚刃方式となっている。いわゆる、リフトアンドカット方式の刃である。
フィリップスシェーバーの刃のウリは、回転しながら自動的に研磨されるという点で、セルフシャープニング(self-sharpening)、自動研磨と呼んでいる。
刃部を堅いものに当てたりしなければ、相当長持ちする。
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充交両用の意味合いは、もちろん、充電池が切れても交流電源で利用できますということである。家庭で使う分には交流専用で全くかまわないわけで、旅行に際しても鏡とコンセントがセットになった環境はどこでも満たされているから、充電池(或いは乾電池でも)が生きるのは小型タイプのシェーバーを鞄から取り出して、必要がある場合にチョイ剃りできるメリットだけと感じる。
さて、充交両用の製品の実態上の問題の所在は、この製品が決して充電でも交流でもどちらでもOKというものではない点である。正確に言えば、実質的に充電池寿命が製品寿命で、充電池が劣化すれば交流単独での利用も不可能となる致命的な弱点が存在する。こうしたものを充交両用とは言って欲しくない。
そこで、当たり前の注文であるが、
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充電池がアウトになっても、交流での使用が可能な仕様とすべきである。
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充電池は永遠の開発途上製品で、さらなる進化を期待できるものの、寿命がそれほど長くない実態はとりあえずは仕方がない。そうであれば、充電池を市販品に取り替えられる仕様とすべきである。 |
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ある国内メーカーに様子を聞いたことがあるが、残念ながら全くその気はないようである。
手持ちの充交両用のシェーバーは次々とアウトになるため、意を決してナショナル(今のパナソニック)製 ES712 とフィリップス製の Philishave 5890 それぞれのふたを開けて内蔵の電池を検分してみた。 いずれも概ね単3タイプの大きさの充電池2本が格納されていた。もちろん電極をハンダ付けしていたが、これらを市販の単3型充電池に取り替えてみた。
すると、眠っていた製品が蘇ったのである!!
つまり、シェーバーの充電池はその気になれば自分で交換が可能ということである!!
消費者にこんな手間を掛けさせて腹立たしいが、これで刃が持つ限り使用できそうである。シェーバーは決して安い製品ではないわけで、この件に関しては、メーカーは意図してか普通感覚が完全に欠落している。
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注 |
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これを真似して問題があっても関知しません。あくまで自己責任でやっているもの。 |
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内蔵充電池の仕様はメーカー、製品により異なっている可能性がある。 |
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販売店に持ち込んで、充電池交換を受け付けているかは確認していない。充電式の各種製品では、メーカーは充電池の交換には熱心でないのが普通で、可能な場合にあっても、買い換えざるを得ない気持ちにさせるほどの高い料金設定となっていることは間違いない。また、一般に内蔵の充電池をハンダ付けした仕様としているのは、単体の市販の充電池の利用を阻止しようとする悪意を感じる。 |
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なお、その後に死蔵状態にあった次の製品の電池交換にも成功した。 |
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カシオネームランド KL-1200
これは単3型充電池5本を投入して蘇った。 |
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ソニーバッテリーチェッカーBC-330D
コンパクトで非常に使いやすい製品であったが、残念なことに電池交換を予定していないボタン電池 内蔵タイプであった。何とかこじ開けて、百均の CR2016
(2個セット)に替えて無事に蘇った。 |
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努力により、製品寿命を延長できると、この上ない喜びを感じる。 |
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