刃物あそび 簡単にできる切り出し小刀 その1
切り出し小刀は机の引き出しに入れて、あるいは家庭の居間で小引き出しに入れて日常使いとするには至極便利な刃物である。しかし、オフィスの事務用品、家庭の小引き出しの中は、カッターナイフが勝ったー!という現実である。そこで、巻き返しを図るために、がんばって切り出し小刀のメリットを掲げてみたい。 |
1. | 刃渡りが短いため、研ぎやすく、しかも早く研げる。 |
2. | 刃裏にハガネが付いている限り、とことん研いで永く使える。ナイフでは研げば身が細くなってしまう宿命がある。 |
3. | 好みの木で柄を付ければ、愛着の持てる一品となる。 |
4. | カッターナイフのようにポキポキ折って捨てないので、環境に優しく、教育上もよろしい。 |
と、いうことになる。 市販の切り出し小刀は、柄鞘なしと柄鞘付きがあり、一般に鞘なしのものはハガネがたっぷり長く付いていて、また、高級品は柄鞘がないのが普通で、価格は青天井となって美術品の世界に限りなく近づいてしまう。柄鞘付きは刃物との相性のいいホオノキの材を使用するのが普通で、刃物本体は短く、柄には中子で差し込んでいる。このタイプで千数百円のものであれば実用上は十分である。 |
市販品 |
次に手作りの切り出し小刀であるが、素人に鍛造などできるわけがないので、金切鋸を使う。幅2.5センチほどの金鋸を金物屋で手に入れて、適当な長さに折って刃を付けるだけである。もちろんギザギザの刃は邪魔となるからグラインダーかディスクグラインダーで落とせばよい。 鋼材の種類は普通2種類見かけます。横腹に「SKS7」とか、「SKH9」といった刻印がある。前者は合金工具鋼で、後者は高速度工具鋼(ハイス)です。気のせいか、後者の方が仕上げ砥をかけた場合の輝きがよく、多少長く切れるかなといった感じがする。 仕上がったら、好きな木の柄を付ければまた楽しみが増すことになる。 |
鋼材はSKH9 |