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220本の内訳
銘柄は32種。同じ銘柄でも全く姿形が異なるものがあり、細分すると60種。うち、「肥後守」を名乗ったもの31本。 |
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属性
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価 格:価格幅は60円から450円で、平均189円。
硬 度:ヴィッカース硬度550HV未満は5本のみで、硬度テストはほとんど合格。
切れ味:Aよく切れる 12本(6%)、 Bまあまあ 38本、Cにぶい 49本、Dよく切れない
94本、E切れない 27本。A、B併せて、まあまあ合格といえるのは、220本中、わずか50本、23%。総じて安いものほど切れ味が悪い結果。 |
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チキリ加工:チキリ(ストッパーの役割をする。「尾」とも。)部分が、打ち抜いたままで手当たり部が平になっていない製品や、これがないものもある。
ワッシャー:回転部の軸にワッシャー(座金)を使っていない製品が多い。
刃付け:安いもので、刃にはっきりした小刃(段刃ともいう、いわゆる二段刃)があ
って、切れ味の悪いものが88本ある。 |
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(管理者注)切れ味のテストは刃物の専門家2人、小学校の先生2人、出版社研究室の男女3人ずつの6人、全10人が実際に鉛筆とスギの角棒を削って判定したものとしている。経験則でわかるが、この手の刃物は出荷時の刃の研ぎ状態に差があり、また考え方として、例えば刃の鋭さを多少犠牲にして2段刃とし、刃こぼれしにくくするとともに、研ぎの頻度を少なくするという考え方もある。通常はよほどひどいナマクラ以外は、キッチリ研げば鉛筆程度のものは問題なくサクサク削れる。しかし出荷時の刃の研ぎの精度を考慮しては簡便な比較が難しくなるため、販売されている状態での切れ味として割り切ったものと思われる。したがって、本テストの切れ味の評価に関しては、あくまですぐ使いの状態を評価するものとなっていて、必ずしも刃物の質に由来する切れ味を公平・客観的に評価する内容にはなっていない。では、例えば研いで刃を付けやすいのか、長切れするのかとかいった硬度以外の特性の評価を数値的に測定する適切な方法があるのかとなると、これまた困難なことである。
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評価
@よかったもの
肥後守利光 360円、肥後守トップマン印割込 380円、秋水肥後守 200円
Aこれに次ぐもの
白鷹肥後守 200円、肥後守 定(さだ) 200円、観龍肥後守 200円、肥後守トップマン印鍛造 250円、ハリマ肥後 300円、(ただし、刃渡り8センチもの)、宗近肥後 200円(ただし、刃渡り7センチで、黒塗りのサヤのもの)
(注)ただし書きは、同じ名前でも品質の異なるいろいろな種類のものが存在していたため、これらを区別する必要があって記述されているもの。
以上9種のうち、登録商標たる「肥後守」が7つを占めた。
「肥後守」とはっきり名乗っているのは、大体がよい成績だったが、紛らわしい名前のものは、ダメなものが多かった。 |