トップページへ  木の雑記帳目次

木の雑記帳
 
  老舗にはやはり木製看板がふさわしい
             


 江戸時代に創業したような老舗であれば、建物が鉄筋コンクリートになろうともどっしりとした木製の看板があるのではないかと思いつつ徘徊してみた。取り巻く環境は変化しているが、木製の看板は大切にされていて安心した。やっぱりケヤキの貫禄のある看板がなけりゃあ老舗じゃない!   



 日本国民なら誰でも知っている老舗中の老舗である。看板は本来の居場所ではなく、店内で文化財的に大切にされている。さて、右横書きなのか左横書きなのかは「茶處」の字で左横書きとわかる。この店はお休み処の演出があって、店内ではお茶と和菓子で一服できる。

海苔とお茶 山本山(元禄3年(1690)創業)
東京都中央区日本橋2丁目5番地2号

 こちらも老舗で、ビルの軒下に設置されている。右横書き、ケヤキ製である。

山形屋海苔店(明和元年(1764)創業)
東京都中央区京橋2-6-21

 佃煮の老舗で、こちらも看板は店内保管である。看板には「梅ヶ枝でんぶ 鯛田麩(たいでんぶ)」とある。

新橋 玉木屋(天明2年(1782)創業)
東京都港区新橋1-8-5

 建物も看板も文化財的な存在である。屋根付き右横書きで、素材はケヤキである。

刃物専門店 うぶけや( 天明3年(1783)創業
東京都中央区日本橋人形町3-9-2

 建物はRC造であるが木製の屋根付き看板を設置している。右横書きで、素材はケヤキである。看板の「柚餅」は商品の一つで「ゆうもち」と読ませている。

京菓匠 鶴屋吉信(享和三年(1803)創業)
東京都中央区日本橋室町1-8-8

 こちらも著名な老舗である。店名の文字を見ると山本陽子の顔が思い浮かぶ。看板は店内に鎮座している。右横書きケヤキ製で、下地に刀痕を残している。

山本海苔店(嘉永2年(1849)創業)
東京都中央区日本橋室町1丁目6番3号

 建物はRC造であるが、屋根付きの木製看板を設置している。左横書きで、素材はケヤキである。

御菓子店舗三原堂本店(明治10年創業)
東京都中央区日本橋人形町1-14-10

 軒下に納めたタイプで、左横書き、素材は3枚継ぎのケヤキ製のエコタイプである。

うなぎ 伊勢定(昭和21年創業)
東京都中央区日本橋室町1丁目5−17

 名前は老舗風であるが、新参組である。数店舗を有していた中で、2007年に誇り高き日本橋に進出・開業を果たしたようである。看板は屋根付き右横書きで、鎌倉彫のように下地に刀痕を残す仕上げとしている。

御菓子司 日本橋屋長兵衛(2007年6月に日本橋本店開業
東京都中央区日本橋室町1-6-2