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木の雑記帳 木の感触を楽しむ 木材標本の話 その2
市販の標本、サンプル(見本)、素材について 木材の色、木目、質などの多様性は、それ自体が魅力であり、小物づくりの材料として使う楽しみはもちろんであるが、ついついコレクションを楽しんでしまうことにもなる。見かけた商品の例を以下に掲げる。 |
環境科学研究所 木材標本50種 標本のサイズは,100×100×10mm ,国産材50種で構成。タモ材の収納箱入りで,価格は52,500円。デザイナー,建築関係者向けか。教材にも適当といった印象である。なお、箱入りの木材標本は都内江東区新木場の「ウッドショップもくもく」でも取扱っているのを見かけた。 注:上記取扱事業者は行方不明で、他の事業者が継承しているかは不明。 |
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(株)ササキ工芸 北海道広葉樹典 ユニークな文庫本スタイルの標本で,棚から本を取り出して手にする感覚で鑑賞するもの。レーザー彫刻による文字が刻まれており,仕上がりも美しい。インテリア的な利用も考えられ好感が持てるが,価格が高く公共施設向きか。製造元は北海道旭川市できわめて多様な木製品を手がけていることで有名な株式会社ササキ工芸である。本製品は受注生産としている。(同社のカタログに掲載あり。) 10巻セットで25,000円,20巻セットは46,000円 *写真はある施設で見かけた20巻セット。 |
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東急ハンズ 木のハガキ 厚さ5mm のハガキサイズの板で国産材と外国産材の約40種ほどをバラ売りしているもの。ハガキとしての目的で購入する人はまずないと考えられる。色鮮やかな外国産材を含んでいるほか,バーズアイメープルや神代タモまで見られる。1枚あたりの価格は多くは100円から200円の範囲で,バラで購入できるため,コレクションもよし,工作材料にもよしといった風情で,また,このままで和菓子の皿にもなりそうである。購入に際してはお気に入りの木目と,反りのないものをじっくり選びたい。 *写真は一部の樹種を欠いている。欲しくないものを買ってないため。 製造元は常木教材株式会社(千葉県四街道市)で、各種の素材、加工品を通信販売している。) |
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道央ランバー 木の見本 北海道芦別市上芦別町56 北海道内陸部の小さな木材屋さんの余業といった風情。見本のサイズは約45×210×10mm で,種類は国産材,外国産材合わせて30種余(2005年)。価格は100円から200円程度で,お手頃であり,工作材料にもなりそう。ネット通販も扱っている。 |
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森の博物館 原物標本 オークヴィレッジ 国産の30種(竹を含む)の現物標本を台紙に貼り付けた書籍扱いの標本。解説付きで,楽しみながら基本種に接するのにはよいが,標本が非常に小さいため,少々イメージをつかみにくいかもしれない。初版はずいぶん昔であったと記憶しているが,改訂版となってまだ生き残っているとは驚き。写真は広葉樹20種が見開きで紹介されている部分。 2,100円。 |
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樹木鉛筆 株式会社ミネルバ 多様な材色の外国産材を主体として使用したおもしろ鉛筆。今はなきコーリン鉛筆(注:いつの間にか復活しているような・・・)がかつて同名の同様の商品を販売していたとの話もあり,ひょっとして倒産品か? 少なくとも12種12本のセットで,樹種構成の異なる2バージョンがあったようである。在庫僅少としており,怪しい雰囲気がまたいい。もったいなくて,とても削れそうにない。いずれ消え去ると思われ,記録としてとどめたい。 12本セット 3,800円 (2005.4) |
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その他の木材見本 「木材」、「見本」のキーワードで検索すれば、とんでもない高値の業務用の見本が多数販売されているのがわかる。取り扱っている樹種の数は多いが、安価な木材まで破格の高値で、個人レベルでは馬鹿馬鹿しくて単品でも購入する気にならない。あくまで必要とする事業者が、業務用として調達する製品と理解した方がよい。 もちろん、個人を対象にしたいろいろな形状のこれまた高価な木材コレクションも見られ、非常にきれいであるが、ただそれだけのことである。これだけの金を使うのであれば、気に入った樹種で製作された製品を選んで日常使いとする方が賢明であろう。 |
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実用品としての多段小引き出し 多様な色合い・質感の多くの種類の木材を生活の中の実用品として楽しめる製品がある。引き出しの表板をすべて異なる木材を使用した引き出しで,木の標本の性格も併せ持った製品である。毎日眺めて楽しみ,かつ実用性があるのは魅力的である。 事例を挙げれば,モリクラフト(新潟県津南町 山田和雄氏)の「森の引き出し」の最大のタイプは縦5段,横10列の小引き出しで,従って50種類の木材が使用されていることになる(このタイプで24万円(2005年)也。)。個々の引き出しの側板には樹種名がバーニングで記されているとのことで、仕上がりが美しい。 |