木の雑記帳
木のキャラクターたち
以下は、街角や道端、あるいは身近で生息している全身が木のキャラクターたち。 【2007.9】 |
新橋駅宝くじ売り場 大蛙様 新橋駅前の宝くじ売り場で鎮座する蛙である。体はケヤキ。昭和23年以来、売り場を管理する会社が、@一等的中続出、A商売繁盛、B開運招福を祈願して(もちろん自社のため))、事務所内で祀ってきたもの平成16年に公開したもの。 頭をなでで見たが、残念ながらくじはカスリもしなかった。造形的なセンスは今ひとつであるが、立派な座布団に鎮座しており、お洗米、塩、水(御神酒?)まで置かれている。 ■JR新橋駅SL広場宝くじショップ |
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有楽町駅 大黒天 有楽町駅前の大黒天である。頭を撫でるためなのか、手が入るくらいの丸い穴が開けてある。ここの宝くじ売り場は大安吉日ともなると、売る側のものすごいエネルギーが爆発して、とにかくにぎやかで、煽りに煽りまくることで知られる。大黒様はそうした大騒ぎをにこやかに見つめている。 ■有楽町「大黒天宝くじ」売り場 JR有楽町駅東口 |
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阿蘇の木豚 熊本県内の国道57号線沿いの新築中のレストランの玄関で見かけたもの。 極太の丸太(多分輸入材であろう。)の一刀彫(耳はもちろん別作り)で、大変な迫力である。玄関の内外に異なるポーズ、表情の豚君が2体ずつ配置されていた。 |
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信州のネズコたぬき 長野県生まれで、体は木曽五木のひとつであるネズコである。年輪が驚くほど密で、年輪を浮き出した仕上げが効果を発揮している。身長は約8センチほどのチビだぬきである。生誕地は訳があって松本少年刑務所であるらしい。 |
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柞原八幡宮南大門の「唐夫人」 この南大門には浮き彫りが多数配されていて、何だかさっぱりわからないながらも「フム、フム、これは中国の故事であるな」と感じた。そのうちの一枚である。ただ、これはおだやかではない。おやじが息子の嫁の乳を吸っているではないか! それに、母親のうしろにはすねる赤子までいる・・・・もしも子供に聞かれたら親は何と答えるか・・・と大いに気になっていたところ、後日これは中国の二十四人の孝行者の話「二十四孝」のひとり、「唐夫人」であることがわかった。歯のない姑(舅ではなかったのだ!!)に乳を与える感心な嫁の話であった。教養がないと、とんでもない誤解をするものだと反省しつつ、同時に何か拍子抜けしてしまった。 ■柞原八幡宮 大分県大分市大字八幡987 |
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柞原八幡宮南大門の「呉猛」 もう一つおまけ。 これも不思議な情景である。横たわる老人の前で、小さな女の子(それとも「稚児」?)が猫のような仕草で媚びているように見える。何かよろしくないエロティシズムを感じてしまう・・・・ ところが、実はこれも二十四孝のひとり呉猛であった。したがって男の子。 呉猛は、八歳であったが親孝行だった。貧しいため、夏になっても蚊帳もないほどであった。そこで呉猛は考え、自分の着物を脱いで親に着せ、毎日裸の自分を蚊に喰わせて、親が蚊に喰われないようにして仕えたという。 |
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蛸薬師の絵馬 都内目黒不動尊(瀧泉寺)の商店街の入り口に位置する成就院は別名の「蛸薬師(たこやくし)」の名の方が広く知られている。 ここの絵馬の絵柄と言葉あそびにはこの上ない郷愁を感じ、ついには陶酔状態になってしまう。古くからこの調子でやってきたのであろう。北斎の蛸もいいが、この手の蛸は心のふるさとの蛸である。 素材は米材のスプルースである。 ■蛸薬師 成就院 東京都目黒区下目黒3−11−11 |