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街の鉄蓋
  都会の道路はマンホールの蓋や小蓋だらけだ!
  その4 ガスの鉄蓋


 ガスのマンホール鉄蓋や鉄小蓋(路面表示器、維持管理用路上施設)はガス事業が地域独占事業で推移した歴史があることから、都内区部では基本的には東京ガスの鉄蓋ばかりである。大きなマンホールの中を覗く機会はないし、いろいろな記号を付した鉄小蓋についても、東京ガスが基本的な情報さえほとんど提供する気ががないことから、謎が多い世界となっている。街中でこれほど多く見られる鉄蓋の情報提供を拒むのは、表向きは保安上の理由を掲げている。つまり、各種鉄蓋の機能が何なのかを問い合わせてくる者は基本的にテロリストと見なすような対応である。
 東京ガスといえば、都内の各事業所で有害物質を意図的にか、ずさんな施設管理に起因してか、大量に垂れ流してきたことで、長きにわたって土壌汚染を拡大してきたことが広く知られているが、未だ深く反省しているような気配がない。企業姿勢として非常に問題があるが、鉄蓋の分野として外すことはできないため、目にしたものを掲げることにする。【2021.4】


  <東京ガスのマンホール鉄蓋>   
     
 
   旧マークの東京ガス人孔鉄蓋 
 東京ガスの旧シンボルマークの入った鉄蓋で、現在でも多数見ることができる。古典的菱格子模様である。
  旧マークの東京ガス角型人孔鉄蓋 
 こちらは、旧シンボルマークの入った角蓋で、2枚構成となっている。
   
   現行の東京ガス人孔鉄蓋 
 これとは凹凸が逆転した凸型の亀甲模様は下水道局の角型人孔鉄蓋、東京都の共同溝鉄蓋、メトロ鉄蓋等で見る。凸型の亀甲模様は、下水道局の角型鉄蓋でおなじみである。
  現行の東京ガス人孔鉄蓋 
 連結円模様の鉄蓋で、左の写真の鉄蓋とは模様が異なっている。これは径がやや小さく、鉄枠の幅も狭いタイプである。
 
   
   現行の東京ガス人孔鉄蓋 
 連結円模様の鉄蓋で、上段左の鉄蓋と模様違いで、鉄枠も同じである。模様の違いは、単に製造者の違いによるものと思われる。 
    現行の東京ガス人孔化粧蓋
 歩道の仕上げ材と合わせる必要があるときのために、タイル貼りできる仕様の蓋があり、ここでは歩道と同一の御影石が貼ってある。
   
  現行の東京ガスの角型人孔鉄蓋
 
  東京ガスのシンボルマーク
 これが何を意味するのかについては、どうでもいいことなので触れない。会社ではコーポレートシンボルと呼んでいる。 
 
     
  <東京ガスの鉄小蓋(ハンドホール鉄蓋、ボックス鉄蓋)>   
     
   東京ガスのハンドホール鉄蓋は街中の歩道で数多く見ることができる。特徴的なのはアルファベットを付したものがほとんどであることで、本来的にはそれぞれ異なる機能を有するものとして設置されたと思われる。ただし、これらのすべてが現在でもその機能を維持しているのかは不明である。なぜなら、会社自身が情報開示を拒んでいるからである。たぶん、既に無用の長物もあって、明らかにしたくない事情があるのかも知れない。   
     
 
 
   右書きの瓦斯(ガス)鉄小蓋 1
 いかにも古い鉄蓋で、既に機能は喪失していると思われる。国内各地で見られる模様で、汎用品である。 
   右書きの瓦斯(ガス)鉄小蓋 2
 左のタイプと違って、これは右開きである。 
   
   右書きの瓦斯(ガス)鉄小蓋 3 
 長きにわたる試練を受けて、いい色艶となっている。  基本的に、路上の鉄蓋では、この菱格子模様はかなり古いタイプのものであることを示している。
   記号なしのガス鉄小蓋
 左の鉄蓋は力強いが、「ガス」となった途端に弱々しい印象となってしまった。 
   
   記号なしのガス鉄小蓋 
 上段右側の鉄蓋よりも、一回り大きいタイプである。
   記号なしのガス鉄小蓋
 中央の凹型亀甲模様は現在のマンホール鉄蓋と共通しており、比較的新しいタイプと思われるが、記号がないのは奇妙である。  
   
   ガスハンドホール鉄蓋 C 
 周囲の歩道が格調高い御影石で整備された際に、景観を損なう無粋な鉄蓋が石材と同色で滑り止め塗装されたものと思われる。連結円模様である。 
   ガスハンドホール鉄蓋 F 
   
   ガスハンドホール鉄蓋 F 
 左と同じ鉄蓋であるが、鍵穴に手を加えている。
   ガスハンドホール鉄蓋 F 
 上の写真と同様の連結円模様の蓋で、比較的新しいタイプと思われる。
   
   ガスハンドホール鉄蓋 K(小型) 
 最小のK印の鉄蓋で、多くは住戸や店舗単位に設置されている。引込管ガス遮断弁であろうか?
   ガスハンドホール鉄蓋 K(小型)
 小さな十字が踊ったような模様で、左のものより新しいバージョンの引込管ガス遮断弁であろうか?
   
 
   ガスハンドホール鉄蓋 K
 古典的な滑り止め鉄板(縞鋼板)を手作りで切り抜いたような、あまり出来のよくない蓋である。  
   ガスハンドホール鉄蓋 K 
   
    ガスハンドホール鉄蓋 K 
    ガスハンドホール鉄蓋 K 
 目にしたK印の鉄蓋では最大級のもので、外径は65.3センチもあり、ハンドホールの域を超えている。ところが、デザインは左の小型鉄蓋と全く同じで、いかにも無骨でセンスに欠けている。これらの遮断弁がどのような単位で設置されているのかは不明。
   
  ガスハンドホール鉄蓋 K  
  ガスハンドホール鉄蓋 K(化粧蓋)
 全く化粧になっておらず、かえって薄汚いものとなっているのは残念である。
   
   ガスハンドホール鉄蓋 N 
   ガスハンドホール鉄蓋 N 
 鍵穴に後付けで手を加えている。  
   
   ガスハンドホール鉄蓋 P 
   ガスハンドホール鉄蓋 P 
 鍵穴に後付けで手を加えている。
   
   ガスハンドホール鉄蓋 S 
 Sのマークは沈下棒ボックスと呼ぶらしい。
   ガスハンドホール鉄蓋 TB 
 TBのマークはターミナルボックスと呼んでいる。
 鉄の素材感がしっかりと表現されている。
   
   ガスハンドホール鉄蓋 TB 
   ガスハンドホール鉄蓋 TB 
 連結円模様の蓋は、丸形人孔鉄蓋でも存在するから、各種ガス蓋で広く採用されているデザインかも知れない。
   
   
   ガスハンドホール鉄蓋 W 
 QRコード風の模様に見えるが、よく見れば東京ガスのシンボルマークのミニチュアで構成した模様である。
Wのマークは水取り器か? 
 
 
     
   アルファベットが付された蓋に関しては、東京ガスがユーザーに対する情報提供をかたくなに拒んでいるため、街の歩道には溢れるほど存在するにもかかわらず、よくわからない存在となっている。そのため、断片的な情報のみを暫定的に以下に掲げる。なお、蓋の大きさの違いはガス管の径、弁箱の大きさの違いに由来するものと思われる。   
     
 
 C 機能未確認。 
 F 機能未確認。 
 K 小さなものは引込管ガス遮断弁(引込管遮断装置)と思われる。大きさの幅が広く、大きなものは外径が約65センチのものもある。 
 M 現物未確認。ある書籍で写真が掲載されていた。 
 N 天然ガス転換用:かつては石炭や石油から製造していた有毒成分を含んでいたガスを、天然ガスに切替える作業に使用したもので、現在は大きな地震等の際の復旧作業に使うこととして存置している。
★個人HP「日本マンホール蓋学会」による会社情報による。一部修正。 
 P 機能未確認。 
 S 沈下棒ボックス: 輸送幹線パイプラインの沈下を測定する。沈下応力測定管検査用。
★子会社の東京ガスパイプライン株式会社HPより。 
 TB ターミナルボックス:防食状況を測定する。微弱電流機能検査用。大きさの幅が広い。
★子会社の東京ガスパイプライン株式会社HPより。  
 W 水取り器と思われる:導管内にたまった水を除去する装置。ただの水抜きバルブか?
★工事約款に説明あり。 
 
     
    ※ 会社の協力が得られず、表が完成しないため、ご存じの方の情報提供をお願いします。    
     
  <東京ガス参考>   
     
 
   
 中圧ガス鋼管の展示品(ガスの科学館)
 小径ポリエチレンガス管の例(ガスの科学館)
   
   
 ポリエチレンガス管の展示品(ガスの科学館)
 児童用の展示施設であるが多少の参考になる。 
 
 
     
  <その他>   
     
 
   ガス輸送管電気防食機器鉄蓋
 地下に埋設されたガス管の保全を図るために、犠牲電極を利用した防食技術が採用されているようであるが、中の仕組みはわからない。会社名は現在は新日本石油化学株式会社となっている。 
   ガス輸送管電気防食機器鉄蓋
 電話番号までキッチリ書いているのは、所有者を明示するためなのか、とんでもないことが生じた場合は連絡してほしいという趣旨なのかは不明。こうしたものが突然歩道に出現すると驚く。 
   
   ガス輸送管電気防食機器鉄蓋
 上記企業の一連の鉄蓋と思われる。 
     私設ガス施設鉄蓋か?
 第一機材の汎用品で、単に「ガス」とした表記のみがある。何が入っているのかは不明。 
   
 
   都営住宅ガス鉄蓋 K 
 
東京ガスの遮断弁(K印)とはデザインが全く異なり、建物付属の元栓となっているのであろうか?
CHUBU. FOUNDRY とあり、中部コーポレーションの製品のようである。