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雌雄異株で、葉状体(茎と葉の区別のない植物体)には雌株と雄株がある。葉状体は2叉状に分岐する。白い点状のものは肉眼ではよくわからない。
ゴミにまみれていないゼニゴケはこのように美しく、緑色がみずみずしい。
*最下欄の注を参照 |
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葉状体を顕微鏡で見たものである。上面(「背面」の呼称がある。)には気室が六角形の網目模様として見え、その中央には一つの気室孔が口を開けている。これを通じてガス交換をしている。これが肉眼で白い点状に見えたものである。気孔との違いは開閉しない点にある。
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杯状体(無性生殖の器官)が葉状体の上面中央の各所にでき、無性芽(栄養繁殖器官)がこの中に形成される。 |
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杯状体の縁には鋸歯があり、外面に小乳頭がある。円盤状に見える無性芽は雨水などで外に流れ出て無性的に繁殖する。条件がよいところではこれによらず有性生殖を行う。
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雄器は雄株の葉状体の先端にでき、柄は短く、精子をつくる雄器床は浅い水盤状、波状縁で、上に水が溜まるようになっている。
右に示した雌器床と隣接して存在すると、その柄の長さが異なることから、冒頭の写真でも見られるように、あたかも複層林の様相を呈することになる。 |
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雌器は雌株の葉状体の先端にでき、柄は長く、仮根溝は2条、傘状の雌器床は6〜10深裂し、裂片は指状。俗に「破れ傘」の名がある。この下面に卵子をつくる造卵器がある。受精してできた胞子と弾糸は1細胞層の壁に包まれ、凾フ先端が不規則に裂開することで分散する。
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左は密林の上空から撮影したいわば空中写真である。
上に掲げた写真はすべて温室内にはびこっていたものであるが、このゼニゴケは道端の休耕地の全面をびっしりと均質に覆っていたものである。
長期にわたる除草剤の使用等、一定の条件下でこのような現象がみられる場合があるそうである。これを見たときにはびっくりするよりも異様な印象を持った。
ゼニゴケは局所的なものを観察すると興味深いが、園芸家にとっては厄介者で、退治しにくいものとして知られ、ゼニゴケ専用の除草剤まで販売されている。
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