名 称 |
組 成 |
備 考 |
いのちのはは
命の母 |
(命の母A)
ダイオウ末、カノコソウ末、ケイヒ末、センキュウ末、ソウジュツ末、シャクヤク末、ブクリョウ末、トウキ末、コウブシ末、ゴシュユ、ハンゲ、ニンジン、コウカ、各種ビタミン |
婦人病全般
笹岡薬品(株)(大阪市)
小林製薬(株)(大阪市)
明治36年生まれ。命名者は創業者の笹岡昌三。強烈な印象を与えるネーミングである。平成17年に小林製薬(株)と独占販売契約を締結。 |
うづきゅうめいがん
宇津救命丸 |
ジャコウ、ゴオウ、レイヨウカク、ギュウタン(注:牛の舌ではなくて牛の胆嚢)、ニンジン、オウレン、カンゾウ、チョウジ |
小児薬
宇津救命丸(株)(東京都千代田区)
慶長2年(1597)に創業。宇津家の秘薬として口伝により代々造り続けられていた。大人用の万能薬であったが明治期に小児薬に転換。 |
おおたいさん
太田胃散 |
ケイヒ、ウイキョウ、ニクズク、チョウジ、チンピ、ゲンチアナ、ニガキ末、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ビオヂアスターゼ、エルメントール |
胃腸薬
(株)太田胃散(東京都文京区)
明治12年に官許を得て発売。オランダ人の医師ボードウイン博士の英国処方を譲り受けて作られた肉食を主体とするヨーロッパの食生活を主体とするヨーロッパの食生活に適した胃腸薬とされる。 |
じつぼさん
實母散
(実母散)
(喜谷) |
トウキ、センキュウ、センコツ、モッコウ、ケイヒ、ビンロウジ、ビャクジュツ、オウゴン、チョウジ、オウレン、カンゾウ |
婦人薬(ティータイプの煎じ薬)
喜谷實母散本舗(株)キタニ(東京都目黒区)
創業は正徳3年(1713)長崎の医師の処方に由来するという。實母散(実母散)は一般名で、大東亜戦争前は200種以上存在したといれたが、現在は数を減らしている。前記ほか、福地、全国、日野、三星、広貫堂、山本製薬等の名を見る。 |
ちゅうじょうとう
中将湯 |
シャクヤク、トウキ、センキュウ、ソウジュツ、ブクリョウ、ボタンピ、トウヒ、コウブシ、ジオウ、カンゾウ、トウニン、オウレン、ショウキョウ、チョウジ、ニンジン |
婦人薬
(株)ツムラ(東京都港区)
明治26年、津村重舎が津村順天堂を創業して中将湯を発売。ツムラの礎を築いたロングセラー製品とされる。
前掲の製品と関連した楽しい無理問答がある。
「陸軍大将の細君がのんでも中将湯(ちゅうじょうとう)とはこれいかに」 ⇒ 「継母(ままはは)がのんでも實母散(実母散
じつぼさん)というがごとし」 |
きゅうしん
救心 |
ジャコウ、ゴオウ、センソ(注:シナヒキガエルの腺)、レイヨウカク、ニンジン、真珠、龍脳、動物肝 |
強心剤
救心製薬(株)(東京都杉並区)
大正2年創業。昭和8年には商標登録。希少な動物性生薬を中心にした組成が印象的で、列記されたものを見ると魔女の秘薬を思わせるような何やら神秘的な雰囲気が漂い、ワクワクしてしまう。この製品名を聞くと、反射的に動悸、息切れの単語が思い浮かぶほどCMが浸透している。 |
きおうがん
奇應丸
(奇応丸)
(樋屋) |
ジャコウ、ニンジン、ユウタン、ジンコウ |
小児薬
樋屋製薬(株)(大阪市)
発売元:樋屋奇応丸(株)(大阪市)
創業は元和8年(1622)。奇應丸(奇応丸)は一般名。大人でも胃腸の調子を整え、二日酔いを防止するともいう。 |
ほしいちょうやく
ホシ胃腸薬 |
ゲンチアナ末、ケイヒ末、コロンボ末、ショウキョウ末、コショウ末、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム |
胃腸薬
星胃腸薬(株)(東京都品川区)
明治43年創業。星薬科大学の創立者であり、作家星新一の父、星 一(はじめ)が製造販売を手がけた薬。一時期、星新一が社長を務めた。赤い缶がよく目立つ。 |
はんごんたん
反魂丹
(越中) |
オウレン末、センブリ末、ショウキョウ末、牛肝末、、ウルソデオキシコール酸 |
胃腸薬
池田屋安兵衛商店(富山市)
この名の売薬は各地に見られたが、越中富山売薬が有名であった。死者の魂をよび返すとされた反魂香にあやかって、采死(ひんし)の病者を回復させる効能があるとして、中国でつけられた薬名である。〔平凡社世界大百科〕
歴史は江戸時代にさかのぼる。
「越中富山の反魂丹、鼻くそ丸めて萬金丹、それをのむやつぁあんぽんたん」の名調子は子供の頃に聞いた。 |
まんきんたん
萬金丹
(万金丹)
(小西) |
アセンヤク末、カンゾウ末、ケイヒ末、チョウジ末、モッコウ末、チンピ末、寒梅粉 |
胃腸薬
小西萬金丹本舗(伊勢市)
萬金丹(万金丹)は一般名。武士も印籠に収めて携行したという。 |
りゅうかくさん
龍角散 |
キキョウ末、カンゾウ末、キョウニン末、セネガ末 |
鎮咳去痰剤
(株)龍角散(東京都千代田区)
佐竹藩の藩薬として文政年間に創製。当時の処方の中にあった龍骨(古代哺乳動物の化石)、龍脳(龍脳樹の樹脂結晶)、鹿角霜(鹿の角を煮て乾燥させたもの)から「龍角散」と名付けたという。
龍の角(つの)とも読めるネーミングは、実に格調高く、いい名前である。 |
じんたん
仁丹 |
カンゾウ、アセンヤク、ケイヒ、ウイキョウ、ショウキョウ、チョウジ、ヤクチ、シュクシャ、モッコウ、ハッカ脳、アマチャ、各種芳香性精油類 |
口内清涼剤
森下仁丹(株)(大阪市)
明治26年に森下森下博が創業。明治38年に銀粒仁丹の前身に当たる「赤大粒仁丹」を発売。大正11年には主力商品の仁丹に次ぐ商品として「仁丹体温計」を発売。
クセのある銀粒仁丹のニオイは誰もが認知できる。なお、表面の銀色は本物の銀箔だという。 |
せいろがん
征露丸 |
クレオソート、ゲンノショウコ末、ケイヒ末、トウヒ末、カンゾウ末、グリセリン |
胃腸薬
日本医薬品製造(株)(奈良県御所市)
創業明治22年。この製品の場合は、「正露丸」ではなくて「征露丸」である。元祖は明治時代に陸軍が開発したとされる。歴史を物語るネーミングを残し、気骨のある姿勢を示していることでファンが多い。
なお、当局の圧力で歪められた正露丸の名称で複数の製品が知られているが、そもそもこれでは全く意味不明になってしまった。新たに「ロシアを正す」と解するのなら兎も角、間違っても「正しいロシア」では断固受け入れは困難である。 |
はちみじおうがん
八味地黄丸 |
ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、ブシ |
中高年者の老化予防の漢方薬
ツムラ、カネボウ、常磐等多くの製品が見られる。
漢方の古典といわれる中国の医書「金匱要略(きんきようりゃく)」に収載された薬方とされる。同じ組成のものが本家中国から「金匱腎気丸」の名で輸入されている。 |