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北海道から九州、千島・樺太・朝鮮・中国に分布。 |
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この植物に接した猫は興奮のあまり半狂乱状ともなり、陶酔状ともなる。これはマタタビ酸という揮発性有機酸の作用によるもので猫の大脳を麻痺させ、次いで脊髄、延髄を麻痺させるからだという。マタタビに対して猫以外の猫族動物皆同じ反応がある。一時に多量を与えると呼吸系麻痺で死ぬことがある。【樹木大図説(上原敬二)】 |
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マタタビの効果はイエネコだけではなくライオン、トラ、ヒョウのようなネコ科の動物にも見られる。しかし、ネコ科の動物全部がマタタビを好むかどうかは確かめられていない。イリオモテヤマネコの成獣は反応しなかったという。【朝日百科
世界の植物】 |
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茎、葉、果実ともに辛味があり、果実は食用にもなる。果実にマタタビアブラムシが入ると虫えいができ塊状になる。これを熱湯で処理して乾燥したものを木天蓼(もくてんりょう)と呼び、漢方で体を温めるとして仙気の鎮痛薬にする。またこれを浸けた酒が木天酒で体が暖まるといって飲用される。またネコの万病薬としてよく用いられる。ネコだけでなく、他のネコ科の動物もこれを好み、これを食べて一種の酩酊状態になる。成分は果実と葉に27種のイリドイド化合物などが知られている。【原色日本薬用植物図鑑(保育社)】 |
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虫こぶにならない正常な実は、塩漬けなどにして食用にするが、薬効はない。【薬草カラー図鑑:伊沢一男(主婦の友社)】 |
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ネコ及びネコ科の動物が好む。果実には辛味があり、塩漬けや果実酒にする。マタタビバエが果実に産卵してできた虫えいは木天寥(もくてんりょう)と呼ばれ、体を温める効果があり、漢方薬にされる。【山渓ハンディ図鑑】 |
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ネコを恍惚状態にさせるのは、マタタビラクトンという混合成分を含むから。【湯浅】 |
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葉、茎、果実に含まれる精油は、ネコ科動物を特異的に興奮させる物資、イリドミルメシンほか、数種のイリドイド、および塩基性物質、アクチニディンを含む。従来、マタタビラクトンと称されていた成分は、イリドミルメシンとイソイリドミルメシンの混合物である。果実はまた、生食または塩蔵して食用とし、新芽は山菜とする。ネコ科の動物はこの植物をひじょうに好み、これをかじって酔ったようになる。漢方では体を温めたり、鎮痛薬とする。【世界有用植物事典(平凡社)】 |
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マタタビの名は、アイヌ語のマタタムブから由来した名前で、マタは冬、タムブはカメの甲の意味である。果実を食べて元気を快復し、また旅をするという意味の語源は信用できない。漢名を「木天蓼」というがちがっている。【牧野新日本植物図鑑】
(注)漢字変換では「またたび」を変換すると「木天蓼」とでる。
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虫えいの原因の昆虫として、上記ではマタタビアブラムシとマタタビバエが掲げられているが、最近の出版の「虫こぶハンドブック」では「マタタビミタマバエ」の名を掲げている。これでは酩酊状態だ!!
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