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デビルの素顔(ヒシの実)
学名 trapa bicornis を指すという英語名は直感的である。Devil Pod(デビル・ポッド(ポッドはさやの意)),Devil nut(デビル・ナット), Bat Nut(バット・ナット(コウモリの実)), Bull Nut(ブル・ナット(雄牛の実)), Buffalo Nut(バッファロー・ナット(バッファローの実)),Goat Head(ゴート・ヘッド(ヤギの頭))等の名が見られる。 |
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乱舞するデビル(ヒシの実) |
鋭い逆トゲをもつデビルの角(つの)の先端部 |
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この正体は、菱形の「菱」、忍者の撒き菱(まきびし)の「菱」、「ヒシの実(菱の実)」である。 |
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(ヒシのあらまし)
Trapa japonica
ヒシ科ヒシ属の一年生の水生植物で、北海道から九州まで分布。
左右の2本のトゲ以外に、前後に突起が発達する型があり、イボビシと呼ばれるが、ヒシの種内変異とされ、中型果実で4本のトゲを持つものは、コオニビシと呼ばれる。【朝日百科 世界の植物】
ヒシ属は1属でユーラシアとアフリカの北部、東部に分布。
英語名に water chestnut(「水栗」の意)、water caltrop の呼称があるが、対象種が理解しにくい印象がある。(後述)
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ヒシの葉の様子
葉は完全な菱形ではないが、「広菱形」と表現されている。
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ヒシの株の裏側
太い柄につながった小さい果実が見られる。葉柄のふくらみは浮き袋となっている。
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ほどよく育ったヒシの果実
秋に熟す。完熟すると柄から離脱して沈んでしまう。
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冒頭で紹介したデビルは実は「しいな」で、池にぷかぷか浮かんでいたものである。外果皮が消失したしいなは暗褐色で、水に濡れた状態では黒く見える。 |
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ヒシの花の様子
花は小さく目立たないが、7月から10月にかけてタラタラと次々と開花する。
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茹でたヒシの果実
塩茹でしたら緑色が失われた。外果皮が付いたままの状態である。
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【牧野日本植物図鑑より】
一年生草本にして池沼に生じ、茎は泥中に在りし去年の実より萌出し、細長にして水の浅深に従ひ長短あり、節に羽状の水中根を具へ、本は泥中に根を下し、末は水面に達して梢頭に多数葉を繖出し、水面に浮かび、葉々相依て広く水面を蔽へり。葉は横径6cm許、菱状三角形にして鋸歯あれども下部は全縁なり。表面光沢、裏面は隆起脈ありて毛を帯び、葉柄には膨腫部ありて蛙股の如し。夏日葉間に白色の有梗花を開く。萼四片、花弁四片、雄蕊四、花柱一あり。花心に歯縁の黄色蜜槽あり、子房は半下位。後ち両棘刺ある硬き核果を結び、中に多肉子葉の一種子あり。
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<果実に関する補足説明> |
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白い小さな花が咲き終わると、柄が伸びて水中に没して秋に成熟する。 |
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前後の2枚の萼片は脱落し、左右の2枚が残って棘となる。 |
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果実は熟すと柄から離脱して水底に沈む。採取する場合は沈む前でなければならない。大きい株の果実は発育がよくて大きめである。 |
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外果皮が腐食・脱落すると棘の先端に平たい左右対称の逆トゲが現れる。この逆トゲは水底に固着するのに役に立っているとの見方がある。 |
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成熟少し前の内果皮はやや軟らかいが、成熟したものは生でも茹でても非常に硬い。食べられるのはこの硬い殻を持つ種子の中の白い子葉である。食べるにはこの点がやっかいである。 |
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水面に浮いた多数の黒い果実はすべて「しいな」で、空っぽである。 |
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水中に没した種子は冬を越して、春になると発根し、水深に応じて茎を上方に伸ばし、水面で葉を放射状に出して広げる。 |
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種子はデンプン質の貴重な食料として古くから各地で食べられていた。北海道のアイヌはかつては丸木舟に乗って採取したという。 |
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忍者がが使った、撒き菱(まきびし)には天然のヒシの実と鉄製の鉄びしがあったという。これを革袋や竹筒に入れて携行したという。ヒシの実の場合は、トゲの具合からすれば、ヒメビシ等の4本トゲの種類がふさわしいと思われる。 |
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(和名の由来)
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和名ヒシは緊(ひし)の意にして実の鋭刺より謂へるかと云われ、又ひしぐ(挫ぐ)の意にて其圧偏せられたる果実の状に基くとも謂へり。予は其葉の平布せる状即ちひしげたる状より云うに非ずやとも思ふ(下線部現代語版:私はこの植物の葉が幅広く平に広がった姿、すなわちヒシゲた状態からきたのではないかと思う。)。【牧野日本植物図鑑】 |
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果実が押しつぶされたような形なので「拉ぐ(ひしぐ)」からヒシと呼ぶようになったという説や、葉が「拉げた」ような形だからという説もある。ヒシの葉のような形から菱形という語ができた。【山渓
野に咲く花】 |
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(国内での栽培例)
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佐賀県神埼市千代田町では、この地域独特の堀割(クリーク)でヒシが栽培されていて、9中旬から10月下旬にかけて、「ハンギー」(「はんぎり」とも)と呼ぶたらい状の桶に乗ってヒシの実を摘む作業風景が見られ、季節の風物詩になっているという。栽培されているヒシは、ほとんどが在来種のヒシで、地域ではこれを保護しているという。一部のクリークのみで中国から導入されたトウビシ(唐菱)が栽培されているという。【神埼市への照会結果】
トウビシは福岡県大木町でも栽培例が見られるという。【毎日新聞】 |
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(食べ方)
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【生食い】 |
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子葉は白く、生で食すと、やや甘くて梨に近い食感がある。若い実はやや水っぽい。 |
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【茹で食い】 |
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茹でる場合は実のまま投入する。塩茹でとするとしている例もある。 |
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茹でた直後であれば多少は皮をむきやすいと思われる。包丁よりも剪定鋏のほうが使い易いかも知れない。 |
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冷えた状態では硬くて包丁では切りにくかった。 |
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茹でた子葉は確かに栗に似た味がある。同僚に強制的に食べてもらったところ、クワイの味に似ているとの感想が2、3あった。 |
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【その他】 |
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ゆでるほか、蒸して食べたり、外皮をむいて油炒め、煮物などに。干して、粉に挽き、ヒシ粉で餅、団子を作る。【食べられる野生植物大事典:柏書房】 |
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産地の地元(佐賀県神埼市千代田地区)では飴煮、菱飯、菱豆腐、砂糖漬けに利用する。
【食材事典:小学館】 |
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(いろいろな種類のヒシ)
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ヒシ属は分類が混乱しているとされ、文献により学名はバラバラであった。そのため、同じものを指しているのかどうかもよくわからないが、参考事例として掲げる。 |
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オニビシ Trapa natans var.japonica |
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幅5〜7センチで4本のトゲのある大型の果実を付けるもの【朝日百科 世界の植物】 |
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オニビシの果実
オニビシとして入手したが、やや小振りで?である。 |
オニビシのトゲで見られる逆トゲ |
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メビシ ( Trapa japonica var.rubeola )T.natans var. rubeola |
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4個の萼片全部がトゲになり、葉柄が赤みを帯びるヒシの変種【山渓 野に咲く花】 |
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葉柄や葉全体が赤みがかるものをメビシと呼んで区別することもあるが、現在の分類ではオニビシの一型として扱う。【朝日百科 世界の植物】 |
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トラバ・ナタンス Trapa natans var.natans ヨーロッパに分布 |
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オニビシの基準変種。北アメリカに帰化して異常繁殖し、防除が課題となっている。
【朝日百科 世界の植物】 |
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ヒメビシ Trapa incisa |
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ヒシより全体に小型で、果実のトゲが4個あるものをヒメビシという。【山渓 野に咲く花】 |
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産地が急減している。【朝日百科 世界の植物】 |
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これも、オニビシと同様に天然の撒菱(まきびし)の資格十分である。
四方にトゲがあり、名前に反していかにも凶悪な印象がある。4個のトゲには逆トゲは見られない。こうしたトゲは、流れるのを防ぐ機能があると考えられているが、被食防止の機能もありそうである。 |
ヒメビシの果実
ヒメビシとして入手したが、やや大ぶりで?である。 |
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トウビシ Trapa bicornis 中国(やインド?)に分布 |
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トゲが2本で、幅5〜7.5センチの大型果実を付ける。日本にも導入されている。中国で栽培されているものは、食べやすいように大きくした改良品種と思われる。【朝日百科 世界の植物】 |
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東アジアで広く栽培されている。【Britannica】 |
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左の巨大なヒシは中国帰りの知り合いにもらったもので、トウビシ(唐菱)であろう。
右は比較用の日本のヒシ。いずれも茹でた状態。 |
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左はトウビシの食べられる子葉で、裏側は白い。
右は比較用の日本のヒシの子葉。
いずれも茹でたもの。 |
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トラパ・ビスピノサ Trapa bispinosa インド原産 |
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しばしば Singhara nut と呼ばれる。浮葉は5〜8センチの長さで、10〜15センチの毛の多い葉柄をもつ。果実の直径は約2センチ。【Britannica】 |
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ツノナシビシ Trapa acornis |
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中国で見られるトゲのない果実を付けるもの。【朝日百科 世界の植物】 |
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<参考1>雑件 |
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ヒシは北海道では古くからアイヌ民族の重要な食料で、「ペカンペ」と呼ばれ、収穫に感謝するペカンぺ祭りが9月に釧路支庁上川郡の標茶町で催される。【朝日百科 世界の植物】
近辺には別寒辺川(べかんべがわ)があるほか、別寒辺牛湿原(べかんべうししつげん)があって、この「ベカンベ」は「ペカンペ」に由来する呼称である。
(注)ヒシの実は一般にベカンベと呼んでいるが、アイヌ語では「ペ・カ・ウン・ペ」で、水の上にあるものという意である。【コタン生物記】 |
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随分前に佐賀県産の「菱娘」の名の菱の実焼酎(ひし焼酎)を飲んだことがある。現在でも生産していることを確認した。製造販売しているのは田中酒造(佐賀市)で、昭和57年の発売当初は神埼産のヒシを使っていたが、現在は原料確保の問題などから輸入物を使用しているという。 |
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ヒシの実の殻はしばしばロザリオの材料として使われた。ヒシの実は有毒な物質が含まれており生食できず、加熱することによって無害化できる。【カラー版世界食材事典:株式会社柴田書店】
(注)日本では昔は腹を空かした野生児たちがヒシの実を生食いする風景があったという。上記の翻訳本で毒性があるとしているヒシの種類は不明。 |
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<参考2>英語名等について |
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water chestnut の語は、ヒシ科のいくつかの種(Trapa natans 、Trapa bicornis など)及びカヤツリグサ科ハリイ属の球茎を付ける Eleocharis dulcis(オオクログワイ、中国野菜)を指している。 |
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オオクログワイは球茎が栗のような形をしているから、ヒシよりもこちらの方が
chestnut の語にふさわしい。 |
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中国に産するトウビシの学名を、Trapa natans としている例のほか、Trapa bispinosa 又は Trapa bicornis(ling nut)としている例がある。 |
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Trapa natans と Trapa bispinosa を別物として取扱っている例が見られる。 |
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Trapa natans と Trapa bicornis を別物として取扱っている例が見られる。 |
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Chinese water chestnut の語は、カヤツリグサ科ハリイ属の Eleocharis dulcis を指すとしている例と Eleocharis tuberosus を指すとしている例【Britannica】が見られる。 |
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Eleocharis dulcis は中国南部原産といわれる。中国、日本、ベトナムにおいて料理の大事な素材として古代から食べ継がれている。湖沼、川、湿地など浅い水の中で育つ。2.5〜4.5センチくらいの直径の、ふつうのクリと似た形をしており、少し平たくなったほうは穂で覆われて、そこからまた芽が出る。塊茎は栗殻色の殻で覆われており、その中の白い肉はさらにベージュ色の薄皮で覆われていて、(生食が可能で)シャキシャキしてみずみずしく、甘味があり、芳香を持つ。加熱したものの香りは、トウモロコシとよく似ている。(以下具体的な調理方法が記述されているが省略。)
【カラー版世界食材事典:株式会社柴田書店】 |
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先にオオクログワイの名が登場したが、「クワイ」自体はオモダカ科の多年草。日本ではかつてはカヤツリグサ科ハリイ属のクログワイ(Eleocharis kuroguwai)をクワイと呼んでいたが、中国からオモダカの変種の Sagittaria triforia var.edulis が渡来して以降はこれをクワイと呼んだという。 |
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【追記 2015.8】 |
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空から舞い降りたデビル!! |
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深夜に窓ガラスに張り付き、こちらを不気味ににらんでいた謎のデビルである。いかにも恐ろしげな形態で、ぞっとする。トリバガ科のブドウトリバか? |
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【追記 2018.9】 |
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皇居のお濠でヒシが大繁殖し この葉を食うハムシが大発生!! |
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皇居のお濠は、周辺環境の変化等で水の補給が停止されて以降、水質がが悪化して恥ずかしいほどの状態となっていたが、近年、環境省が水質浄化のためのささやかな取組をしてきたようである。
これが関係しているのかははっきりしないが、たまたま「大手濠」をのぞき込んだところ、今度はヒシが大繁殖して水面をビッシリ覆っていた。このヒシの葉を見るとすべてが虫食いだらけで、聞くところによると、ハムシの一種であるジュンサイハムシの幼虫がむさぼり食っている状態にあるとのことであった。
後日、再びお濠の様子を見ると、今度は大量のジュンサイハムシの成虫が乱舞していていて、東御苑を訪れる観光客を襲ってまとわりつき、ひどい状態となっていた。しかも、水面は茶褐色となったヒシが覆って、実に美しくない景観となっていた。さて、環境省はどうするつもりであろうか?
これを嘆いていても仕方がないため、ジュンサイハムシの姿を観察してみた。 |
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ジュンサイハムシ(背面)
ハムシ科の甲虫で、名前は食用とされるジュンサイを食害することにより、ヒシの葉も大好きである。 |
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ジュンサイハムシ(腹面) |
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ジュンサイハムシの口器の様子
胸部の腹面の一部が透けていて、何やら丸いものが数粒見える。はて、この内臓部位は何であろうか。 |
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