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     木の雑記帳  木造建築用語のお勉強

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掃き出し窓 はきだしまど 敷居の上端面が床面と同じ高さの窓。ほこりを掃き出す窓の意味。
はしら ・建築や土木構造物において,上部の荷重を支えるために設けられる垂直部材。
・日本建築では,二階建ての場合など構造上,一,二階を1本で通す通(とおし)柱と,一階と二階を別々に立てる管(くだ)柱とに区別する。また柱と柱の間で,壁下地を取り付けるために立てた小柱を間(ま)柱という。使用する場所によって名称が異なり,外回りの側(かわ)柱と,それより1間内側の入側(いりかわ)柱,身舎(母屋)(もや)・庇(ひさし)の別があるときはそれぞれ身舎(母屋)柱・庇柱,そのほか裳階(もこし)柱,向拝柱,門や塀における本柱と控柱などといい,同じ側柱でも隅柱とそれ以外の平柱を区別する。【百科】
・長さは3mが一般的で,天井の高いときは4m(この場合は12センチ角以上であることが必要),通し柱用は6mを使用している。
柱2 はしら2 柱は,下部からの吸水を避けるため,元口を上,末口を下として保管する。(表示はこの状態で正立) しかし,建て方時には,末口を上,元口を下にして建て込む。
幅木 はばき 壁の下部の床と交差する部分に取り付けられる部材。壁の下部を保護するために6〜12cmほどの高さで設けられ,堅木の木材,石材,タイル,金属,プラスチックなど,汚染・損傷に強い材料が用いられる。壁の施工が行われる前に取り付けられることが多く,左官仕上げの壁の場合には施工時の定規として使われる。また交差部のゆがみを隠し,直線に見せる働きをもつ。壁の施工後に納まりをよくするために取り付けられる幅木もある。壁面の上に板を重ねることにより,壁部材の収縮・狂いなどに対するにげをもち,隙間ができることを防止している。和風の真壁の場合には幅木に相当するものとして,畳敷の床に対しては畳寄せを,板材の床に対してはぞうきんずりを設ける。【百科】
破風 はふ 切妻造や入母屋(いりもや)造などの屋根の妻側(棟の端)において合掌形に付けられた板,あるいは,その板を組んだ部分をいう。搏風とも書き,甍(いらか)ともいわれる。
破風板 はふいた @ 螻羽(けらば)に突き出した,棟木や母屋を保護する役割をする合掌部の厚板のことで,意匠的に眉をとり軽快に見せることもある。
A 切妻屋根の妻側の棟木,母屋,軒桁などを隠すための化粧材。合掌型に打ち付け,屋根の重厚さを見せる
梁1 はり2 ・ビームともいう。建物,橋などにおいて,屋根,床などの荷重を支持するため,あるいは柱,壁などの鉛直部材を相互に連結補強するために水平にかけ渡される部材の総称。狭義には,構造物の短辺方向にかけ渡したものをいい,梁に交叉する方向に配置されて梁を受ける部材は桁 girder と呼んで両者を区別していたが,現在では特別な場合以外,両者を区別することは少ない。
・木造建築においては,使用する部位,位置を冠して,小屋梁,陸梁などの呼名が用いられており,一般の建築では,材料によって鉄骨梁,鉄筋コンクリート梁などと,また力の伝達順序,規模によって大梁,小梁などと呼ばれている。【百科】
梁(例) はり(例) 五段構えのはりの場合:下から・・・・
@軒桁に架け渡された小屋ばり
A棟と平行に中敷きばりが直交(棟方向)
Bその上に投げ掛けばりと
C二重ばりが平行に重なる
D中引きばりが一番上に架かる(棟方向)
梁2 はり2 ・古名は「うつばり」で内張の意。柱頭位置あるいは柱上部の側面で主としてほぞ差しにしてある水平材で,小屋組を支えるもの。側柱上にあって垂木を受けるものは特に桁という。
・元来梁は棟と直角の梁方向のみにしか走っていなかったが,後世,構造が発展して桁方向にも渡されるようになった。【大辞典】
梁3 はり3 小屋ばりは組み方によって,敷きばり,中引きばり,天びんばり,二重ばり,三重ばり,投げ掛けばり,つなぎばり,飛びばりと変化する。【山田】
梁4 はり4 ・主材の小屋ばりは,軒桁上で,1.8〜2メートル間隔にかけ,小屋ばり上には約1メートル間隔に小屋束を立て,棟木,母屋などを支える。
・小屋ばりは,小屋束から集中荷重を受けるため,曲げに強いマツ丸太を使う。はり間が大きくなると太い断面の部材が必要となる。さらにはり間が大きくなると,小屋ばりは,はり間の中間に設けた柱または敷ばり上で接合する。
・横揺れに耐えるよう,小屋束は小屋貫によって互いに連結するとともに,小屋組同士は小屋筋違いによって連結する。
・屋根が大きくなり小屋束が高くなるときは,束上にもはりを架け,束頭をつなぐ二重ばり小屋とする。【山田】
梁5 はり5 「桁行き梁」:屋根の骨組みの一つで,長辺方向に架け渡された太い丸太材。マツなどが使われ,短辺方向の丸太材と十文字になって,思い屋根の架構を支える。地棟木,中引き梁,牛梁などとも呼ばれている。
火打・燧 ひうち 直交する水平部材を補強するための斜材または板。火打材ともいう。
火打○○ ひうち○○ 火打袋の連想で三角形のものを一般に火打と呼び,建築用語に持ち込まれたとする説,火打ち木の形状からきたとする仮説(内田)がある。
@火打梁(ひうちばり):直行する水平部材を補強するための斜材。直交する梁と桁の隅に入れる。
A火打土台:矩(かね)の手に直交する土台の隅に入れる。
火打土台 ひうちどだい 土台の隅角部に斜め材として打ち付ける土台。土台のゆがみを防ぎ,建物の隅を固めるもので,耐震,耐風など水平耐力上有効である。断面寸法は90ミリ角の二つ割りが使われている。
火打梁 ひうちばり 胴差しのコーナー各部屋の床梁と桁などの隅角部に斜めに入れる90ミリ角の木材。二階床面の水平の剛性を高め,地震,風圧などに耐えるために木材の床組の接合部を固める。火打梁の接合部は,かたぎ大入れ(圧縮力に抵抗する)ボルト締めにする。
檜皮葺 ひわだぶき ・檜皮葺は神社建築で多く,寺院建築では少なくなっている。お寺の屋根はなんといっても瓦の甍によってその堂塔は象徴されているのであって,瓦は仏教文化とともに,檜皮は神道文化とともに栄えてきた。
・奈良時代の寺院建築では,中心的な建物は瓦葺,それ以外の建物は檜皮葺,附属的な建物は板葺や草葺との葺き分けが確立していたと思われる。
檜皮葺2 ひわだぶき2 ・屋根葺き材として代表される木の皮は,檜と杉に限られる。杉皮は燃やせば白い灰となるが,檜皮は消し炭のような形で燃え殻が残る。
・檜の皮を剥ぐ場合は,甘肌と絹皮(甘肌と樹皮の中間にあるピンクの絹のように薄い皮)を木に残しカナメモチで作った手製のヘラを入れて,立木から剥ぎ取る。木に対しては何らの影響もない。絹皮や甘肌を傷めないためには熟練を要する。従事者を原皮師(もとかわし)と呼ぶ。
・毎年厚みを増した檜皮は,10年もたつと約2ミリ程度の厚さとなり,最適の葺き材としてふたたび採取可能となる。この頃の一級品をわれわれは「黒背皮」と称している。(原田)
・普通は立木から採取するが,丸太から採取されるものも少量ある。木曽皮,桜井皮(奈良県桜井市)が代表的で,立木剥ぎの補助材として一部で使用されている。
檜皮葺3 ひわだぶき3 吉野では原木の微妙なピンク色が黄ばむことを恐れ,製材とは目的の異なる皮剥を避けるところもあるという。
檜皮葺4 ひわだぶき4 檜皮の単位で,一丸は30kg,馬に背負わせる一駄は五丸で150kg,取引は自動車時代の今でも駄単位で行われる。【中野達夫】
ピンコロ ぴんころ 名前の由来は不明。正式な名称は「小舗石」で,1辺が9〜10センチの立方体のものが多い。石畳の材料。御影石がよく使われる。
ファイバーボード ふぁいばーぼーど 木材繊維を圧縮成型したもの。
@軟質繊維板:0.35g/cm未満。インシュレーションボード。
A中質繊維板:0.35g/cm以上0.8g/cm未満。MDFとも。
B硬質繊維板:0.8g/cm以上。ハードボード。
フーチング ふーちんぐ 英語の footing より 。原音はもちろん「フティング」。
コンクリートの布基礎は荷重がかかるので,幅広く地盤に分散するように基礎の下部を広げる必要があり,この基礎の幅から広がった部分をフーチングという。
ふすま 襖の部材名称:上ぶち,下ぶち,たてぶち,(縦横の)力骨・平骨,(四隅の補強用)力板,引手板,下張り,中張り,上張り。
不陸 ふりく 陸は「ろく」とも「りく」とも読むが,建築では陸(ろく)に対しての反語として,不陸(ふりく)として慣習的に呼ばれている。陸は水平あるいは水平に近い状態をいう。具体的な例としては,床・下地・コンクリート面等の不陸直しといい,土木関係でも,道路のデコボコを直すことを不陸直しと称している。
ブレース ぶれーす 鋼製の筋交いに当たるもので X型に入れ,垂直水平の剛性を保つためのもの。
フローリング ふろーりんぐ ナラ,サクラ,ブナなどの堅木でつくった洋風の床板の総称。JASでは,@単層フローリングと合板・集成材を基材としたA複合フローリングに区分している。単層フローリングはさらにフローリング・ボードとフローリング・ブロックに区分されている。
フローリングボード ふろうりんぐぼーど 約10センチ幅の長尺小幅板。床仕上げ材の一。
フローリングブロック ふろうりんぐぶろっく ナラ,サクラなどを材料に,24〜30センチの正方形に組み合わせた床板。
方杖 ほうづえ 垂直材と水平材とが構成する鉛直構面の入隅部分において,材の中間から中間を斜めに結んで隅を固める短い部材。横力に対してこの部分の変形を防ぐ。
頬杖 ほおづえ 垂直面で直交する二材の間に斜めに入れる材。