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改めて調べてみると、この凹凸が反転して見える認知上の錯覚は「クレーター錯視(Crater Illusion)」と呼ばれている。錯視を招くクレーターの写真がネット上でも多数紹介されている。
そこで、鉄蓋の「こんなはずではない写真」は以下のとおりである。素材は別項で採り上げた「変造鉄蓋」である。 |
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都紋章の一部が削り取られた鉄蓋
地紋は東京市型であるが、明らかに模様の凸凹が逆に見える。いかに精神を統一しても、絶対に無理である。しかしこの写真を股の間からのぞき見れば次のように見えるのである。 |
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都紋章の一部が削り取られた鉄蓋(上の写真を180度回転)
この写真から受け止められる姿が、正解である。人間の認知機能にクセがあって、上方から光が当たった状態でないと、正しく認識できないのである。こうして全く違ったものに見えてしまうということは衝撃的である。 |
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こうした身近な例で学習すると、特に鉄蓋写真は下方から強い光が当たっている状態は、撮影条件としてはよろしくないことがわかる。
次は、比較用として、柔らかい光の下での様子である。 |
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柔らかな光の下での鉄蓋の様子
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同左写真を180度回転したもの
柔らかな光の下では、180回転しても変化はない。 |
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ついでなので、もう一つの「こんななずではない写真」である。 |
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電気ケーブルのメンテナンスハンドホールの鉄蓋の一部
この写真でも、滑り止め用の多数の突起であるはずのものが凹んで見えるため困っていたものである。そこで、これを180度回転すると・・・ |
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上記写真を180度回転したもの
こうしてみれば安心の風景である。微細な突起が本来の姿で認識できる。ロゴもくっきり本来の仕様どおりに浮き出て見え、わかりやすい。しかし、超能力のある者は、写真の向きにかかわらず真実を即座に認知できるのかも知れない。
現物をナマで見ればこんなことは起こり得ないのであるが、写真が引き起こすワンダーランドである。 |
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鉄蓋探索のついでに、大変いい勉強になった。
クレーター錯視に関しては、「上が明るくて下が暗い陰影があるとその物体は 出っ張っていると知覚し、上が暗くて下が明るいとその物体は凹んでいると知覚する強い傾向があります。そのために画像の上下を逆さにすると 奥行きの反転が起きるのです。」(自然科学研究機構・小松研究室)として 説明されている。詳しく説明すれば際限がないようである。 |
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