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街の鉄蓋
  都会の道路はマンホールの蓋や小蓋だらけだ!
  【番外編】 公園の鉄蓋でケーススタディ 都立日比谷公園の巻


 都内の都立公園や区立公園の園内では多数の鉄蓋、コンクリート蓋を目にすることができる。共通して目立つのは園内の照明施設の電力を供給する電気ケーブルのメンテナンスのためと思われる電気蓋である。さらに汚水処理のための汚水枡蓋や雨水処理のための雨水枡蓋が多数見られるのも園内の管理上からは当然の成り行きである。これらの枡類は東京都や区の管理下にあるとはいえ、下水道局の管理下にはないから、一般の汎用品が使用されていることが多くて面白くないが、一部に都の紋章のみが付された蓋があったり、何やら怪しい雰囲気が漂う蓋も見られ、鉄蓋の学習をするにはよいフィールドになるのではとの淡い期待を持った。
 そこで、歴史の長い都立日比谷公園を教材として採り上げ、園内の鉄蓋探索をして見ることにした。
【2021.2】


 
 
                立派な石縁をもった雨水枡鉄蓋
 日比谷公園では最も風格を感じる(たぶん)雨水枡鉄蓋である。御影石の石縁が重厚で、7個の石で構成されているのは意外である。雨水枡様様といった扱いに見える。中央に現在でいう都紋章が配されている。設置当時はおそらく周辺が土のままで、安定性に欠けることからこうした仕様が一般に採用されたものと思われる。穴が大きいため、のぞき込むと水面がかろうじて見える。このデザインの鉄蓋は園内に複数見られるが、道路では目にしたことがない。
 なお、この蓋のデザインについては「名古屋市型」の呼称があって、名古屋市では広く採用されていたらしい。なかなかワイルドで、力強いデザインである。
 
     
   日比谷公園の園内をざっと見て、早々に壁に突き当たってしまった。目にする鉄蓋が雨水枡鉄蓋なのか、雨水管マンホールの鉄蓋なのか、汚水枡鉄蓋なのか、汚水管マンホールの鉄蓋なのか、見ても判別が困難なのである。
 そこで、うなっていても仕方がないため、東京都建設局(担当は東部公園緑地事務所管理課)に写真を添付して照会してみたところ、次のことが判明した。

 ① 園内の蓋は雨水枡蓋と汚水枡蓋が主であるが、マンホール蓋も存在する

 ② 現地でも、蓋のみで種別を判断することは難しい。


 公園自体が長い歴史があって、現在に至っている上に、下水道局が専門で行っているような詳細な台帳、マップがなさそうで、実際に蓋を開けてみなければ識別の確認が難しいようである。残念であるが仕方がない。
 
 なお、園内の雨水管、汚水管は園外の隣接道路地下に設置された都下水道局の公共下水道管(合流管)に接続されているはずである。  
 
     
 
  都紋章名古屋市型地紋雨水枡鉄蓋
 冒頭で紹介した鉄蓋で、都内では多くないと思われる名古屋市型地紋の鉄蓋である。古い縁石のある仕様から、東京市時代のものかも知れない。
   都紋章東京市型地紋鉄蓋
 このデザインの鉄蓋は都下水道局ものとしては見たことがないが、ほかに区公園鉄蓋都営住宅鉄蓋都道路部局人孔鉄蓋としてはわずかに目にする。外径は64.5センチ。 
   
   無紋章東京市型地紋鉄蓋
 2個のカギ穴を持つタイプで、ほかに区公園、都営アパートでも同様のものを見る。これらの部局では紋章に関しては特段の仕様が定められていないことによるものと思われる。 
   無紋章東京市型地紋鉄蓋
 こちらはカギ穴が一つで、下方に文字を入れるスペースがある。要は注文次第でいかようにも仕上げてもらえるはずである。 
   
    鉄板方形蓋 
 把手が脱落しているが、蓋のレベルを遙かに上回る立派な縁石があり、古い時代のものと思われる。
  把手痕跡のある菱格子模様鉄蓋 
 これも把手が脱落している。こうした手で掻いたような菱格子模様のある鉄蓋は総じて古いものと思われる。。外径は57.5センチ。
   
   鉄板把手付き方形蓋
 上の鉄蓋同様に、小さな鉄工所の手作り風の蓋で、2枚組となっている。把手は健在である。 
    鉄板丸蓋
 これ以上シンプルなものはないと思われる鉄蓋で、ほとんど素人の工作レベルの簡便な蓋である。 
   
   都紋章6穴鉄筋コンクリート蓋
 6穴のコンクリート蓋では、ガス抜き孔の縁のデザインの違いで2種見られる。都紋章のあるこの仕様は都下水道局の蓋ではごくまれであるが、区公園、都道路部局の蓋としてはしばしば目にする。外径は65センチ。 
   都紋章6穴鉄筋コンクリート蓋
 下水道局の6穴コンクリート蓋の場合は、一般に中央に旧下水道局マーク又はサクラマークが入っている。 
   
  2カギ穴鉄筋コンクリ-ト蓋(雨水用)
 外径が75センチの大型で、「雨」の文字が入っている。 
  2カギ穴鉄筋コンクリート蓋
 これも外径が75センチである。 
   
  都紋章中型鉄筋コンクリート蓋
 この蓋は下水道局の枡蓋として定められた古い仕様と同一であるから、使い回しの可能性がある。 
 旧日本道路公団の紋章入り鉄蓋(枡蓋)
 突然、日比谷公園に旧日本道路公団の蓋が登場するとはビックリであるが、鉄蓋の設置については現在の東日本高速道路株式会社が占用許可を得ている模様である。公園地下にある同社の「日比谷自動車駐車場」の関係と思われる。 
   
   止水弇(しすいえん)鉄小蓋
 地紋は石積み模様で、長谷川鋳工所の製品。
 「弇(えん)」 の文字は「弁」とは異なるが、止水弇の語は止水弁と同じ意味で使用されている。
         止水弁鉄小蓋
 地紋は菱格子で、伊藤鉄工製である。
   
   東京消防庁防火水槽
 防火水槽は水道施設と一体的に整備されている。
 利用の便を考えてか、出入り口に近い広い空間に設置されている。 
     矢絣模様鉄蓋
 西部機材の製品である。なにも表示のない蓋は迷惑であるが、少しばかりの発注で文字を入れたら高くつくから、その辺の事情もわからないわけではない。 
   
     汚水枡鉄蓋 
 石積み模様の鉄蓋で、長谷川鋳工所の製品である。
       汚水枡鉄蓋
 変り菱格子模様の鉄蓋で、伊藤鉄工の製品であるが、「汚」の字がずいぶんへたくそである。
   
 
    4把手付き鉄蓋 
 二本寄四つ目編み模様の鉄蓋で、第一機材の製品である。
     電話鉄蓋(亀話)
 菱格子模様の鉄蓋である。都紋章の中に「話」の文字があり、この仕様の蓋が他にどんな場所で使用されているのかはわからない。
   
   都立公園用高圧電気設備鉄蓋 
 現在の下水道局の蓋デザインと同様に都の花ソメイヨシノ、都の木イチョウ、都民の鳥ユリカモメを配したデザインとなっているが、ごちゃごちゃしていて、よく見なければ、そんなことはわからない。
   都立公園用弱電設備鉄蓋 
 都立公園では共通して利用されているが、電気設備のメンテナス用のハンドホール鉄蓋としての利用率はそれほど高くない。むしろ次に示す「亀電」又は「丸電」が普通である。
   
      鱗模様高圧亀電鉄蓋
 都紋章の中に「電」の文字を入れたマークで、東京都仕様である。都紋章が亀の子状態であるため、便宜上「亀電」と呼ぶことにする。製造会社それぞれが選んだ和柄のデザインが多い。 
    菱格子模様高圧亀電鉄蓋 
 前出の「亀話」と同じ会社の製品と思われ、よく目にする模様であるが、会社名の表示がない。。
 電気蓋は表示の業界の慣行による種別として、高圧、低圧、強電、弱電の表記を見るが、この公園では強電は確認していない。
   
    格子模様弱電亀電鉄蓋
 格子模様の鉄蓋である。 
    多重円模様低圧亀電鉄蓋
 多重円模様の鉄蓋である。
   
      アミダ模様亀電鉄蓋
 長島鋳物製か? 
    菱格子模様亀電鉄
 クラシックな印象である。 
   
 多数の電気設備用鉄蓋(電気鉄蓋)が見られたが、ほとんどは都紋章に「電」の文字の入った特別仕様の亀電鉄蓋で、わずかに丸の中に「電」の文字が入った汎用品の丸電鉄蓋が見られた。
    石積み模様丸電鉄蓋
 ニムラの製品である。亀電丸電の鉄蓋は道路の歩道でもよく見かける。  
 
   
  旧電電公社の角型鉄蓋 
 公園の中であるが、レストランが多数あるからこうした風景となるのであろう。お決まりのT字紋である。
   現在のNTTの鉄蓋