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街の鉄蓋
  都会の道路はマンホールの蓋や小蓋だらけだ!
  その2 下水の鉄蓋・・・後編


 下水道に関連する鉄蓋はとにかく種類が多が、ほとんどは旧下水道局マークや、現在のサクラマークが付されているから、機能の詳細は別にして、下水道関連の鉄蓋であることに確信が持てるのは都合がよい。しかし、時に素性が分かりにくい東京都紋章が付されたものがあったり、さらに都の施設やその周辺では変則的なものがあったりと、悩ましいものも見られる。引き続き学習である。 【2021.2】


 
      旧下水道局マーク・○×地紋・自動洗滌槽角型鉄蓋 
 右書きで「自動洗滌槽」とある。こうした謎めいた鉄蓋がまだ残っているのは喜ばしいことである。自動洗浄槽とは、サイフォンの原理で一定時間ごとに(自動的に)上水を流して下水道管を洗浄する装置とされる。通常は写真のように方形2枚組の小蓋で構成されている。この装置は、下水道局によれば、まだ下水道管の清掃技術が確立されていない時期(戦前)に、自動で清掃できる装置として活躍したものであるが、現在は、専用の機械で下水道管の清掃を行うため、自動洗浄槽は使用していないということである。ということは、本鉄蓋は下水道管(ここでは合流管)のひとつのメンテナンスホールの蓋として残っているということなのか。
 
 
       サクラマーク・菱格子地紋・自動洗浄槽角型鉄蓋
 自動洗浄槽は現在では作動していないとの話を聞いていたが、この自動洗浄槽と表示した鉄蓋は近年のサクラマークで、ピッカピカの状態に見える。ひょっとすると、旧来の機能が生きているのではないかとの期待を抱かせる外観である。
 この菱格子の地紋は、都水道局の鉄蓋で多く見られる地紋と共通する印象がある。 
 
     
 
  旧下水道局マーク・圧送空気弁角型鉄蓋
 菱格子地紋のこのデザインは、都水道局の鉄蓋と共通している。この空気弁は、下水管の通道を阻害する空気を抜くほか、管きょの管理のために中を空にする必要がある場合は空気を入れる役割を持つとされる。水道の空気弁であれば、橋の片側に必ず目にする。 
   空氣弇(くうきえん)角型鉄蓋
 「空氣弇(くうきえん)」とあり、一部が土に埋もれたこの姿から、てっきり下水道の古い空気弁の鉄蓋と思ったが、水道の空気弁らしいことから、ここでは参考掲載である。マーク、紋章が全く付されていない。地紋は東京都紋ベースの小紋風(仮称:都小紋)である。 
   
  サクラマーク・再生水空気弁鉄蓋
 
下水を高度処理して送配水する管の空気弁である。都下水道局のサクラマークがあるが、組亀甲模様(毘沙門亀甲模様)の地紋のデザインが変にかっこ良すぎてお役所の仕事とは思えない。調べてみると他の自治体でも見られるから、特定の製造者のデザインであろう。
  サクラマーク・再生空気弁角型鉄蓋
 これは角型の再生水空気弁が収まった鉄蓋である。
 先の鉄蓋に比べると、思いっきり無骨である。  
   
   下水道局・再生水空気弁鉄蓋
 
一般的なT-20のマンホール蓋を使用している。 
    左記の鉄蓋の文字座部分
 文字座には「再生・空」とある。多数見られる合流管等の鉄蓋と同じデザインのものを使用していると、つい見逃してしまう。
   
   
 旧下水道局マーク・伏せ越しマンホール鉄蓋
 蓋には「伏越(ふせこし)」の表記がある。下水管は自然流下が基本であるが、何らかの障害物があって、本来の勾配が設定できない場合は、その下にもぐって逆サイホンの原理を使用して(伏して)越えている管路のマンホールの蓋である。
 旧下水道局マーク・伏せ越しマンホール鉄蓋
 伏せ越しマンホール鉄蓋が設置された環境であるが、起点なのか終点なのかさっぱりわからない。赤矢印の2個の蓋に「伏越」の文字が見られた。(間にあるのは信号施設用の鉄蓋である。) 
   
  旧下水道局マーク・燈孔鉄蓋
 東京市型地紋のたぶん片開きの燈孔鉄蓋である。
 燈孔とは少々わかりにくいが、人孔(マンホール)より小型の点検用立坑で、「燈」の文字は燈火を下垂して中を目視したことによるものらしい。歴史を感じさせる遺物で、都内でわずかに残っている。 
  旧下水道局マーク・下水制水弁小鉄蓋
 制水弁といえば、水道関係しか頭に浮かばないが、これは下水の制水弁である。再生水の配水管(本管)の開閉バルブを収めている。 
   
  旧下水道局マーク・下水仕切弁小鉄蓋 
 下水の仕切弁も(制水弁)は、再生水を供給する際に使用するもので、水道の仕切弁と同様に漏水等があった場合に一時的に止水するのに使用している。再生水の給水管に設置されている。
  旧下水道局マーク・下水仕切弁鉄小蓋
 左のものとほぼ同様で、少々仕様が異なっている。
   
 
  下水道局・再生水仕切弁小鉄蓋
 中水(再生水と同義)の文字入りで、わかりやすい。
  下水道局・再生水仕切弁小鉄蓋
 これは前3つの写真の鉄蓋よりも新しいタイプの鉄蓋と思われる。 
 
     
 
   下水道局・中水(再生水)量水器角型鉄蓋
 再生水の料金算定のための使用量を積算するメータである。ビルのトイレ洗浄用が主と思われ、料金は立法260円(税抜き)とされる。家庭用は立法100円とされるが、該当があるのかは未確認。再生水(中水)の送排水は下水道局が実施しているはずであるが、蓋のマークは都紋章のままで、「中水」の文字がある以外は水道局の量水器と全く同じである。単なる使い回しか?   
 
   下水道局・再生水(中水)・使途不明角型鉄蓋 
 上の鉄蓋と全く同じ仕様であるが、「下水 再生水」とあるだけで、使途が明示されていない。再生水の送配水施設であることは間違いなく、周囲の条件からは量水器と思われる。上と同様に文字部分を白ペンキでなぞっている。 
 
   下水道局・再生水・量水器角型鉄蓋
 こちらはちゃんと「量水器」と表示している。 
 
     
   次に登場するのは下水道の枡の鉄蓋である。

 このうち、一般に「公共枡」と呼んでいるのは、住宅や商店、会社の建物の私有地に設置される私設の汚水枡や雨水枡と区別するための呼称である。

 公共枡は一般に道路(公道)の歩道で普通に見られ、下水道が合流式の場合は(公共)合流枡分流式の場合は(公共)雨水枡(公共)汚水枡がと下水道局によって設置されている。これらの公共枡はそれぞれ取付管によって下水道本管に接続されている。(分流式の場合はもちろん、雨水枡は雨水の下水道管(雨水管)に、汚水枡は汚水の下水道管(汚水管)に分離して接続されている。)
 
     
  <公共枡蓋>   
     
 
   下水道局・汚水枡小型鉄蓋     下水道局・汚水枡中型鉄蓋 
   
   下水道局・雨水枡小型鉄蓋     下水道局・雨水中型鉄蓋 
   
   下水道局・合流枡小型鉄蓋     下水道局・合流中型鉄蓋 
   
  サクラマーク・合流枡中型コンクリート蓋
 現在は定番のサクラが全面を占めた鉄蓋以外に、こうして小さなサクラマークのコンクリート蓋も目にする。 
  都紋章・合流枡中型コンクリート蓋
 下水道局が管理する下水道の蓋でも、都紋章のみが付されたタイプがこうして存在する。これは古いタイプであるが、聞いてみなければわからない。普通に存在している。 
   
  サクラマーク、合流枡中型コンクリート蓋
 上の蓋と同類と思われるが、種別の表記のないタイプである。 
  都紋章・合流枡中型コンクリート蓋
 上の蓋と同類と思われるが、コンクリートの凹みだけの紋では表面劣化で不鮮明となり、白セメントか塗料でなぞっている。
   
   都紋章・格子地紋・合流枡中型鉄蓋 
 これも都紋章のみが付された下水道局が管理する鉄蓋で、これも古いタイプである。普通に存在している。
  都紋章・菱格子地紋・合流枡大型鉄蓋
 外径が75センチある大型の合流枡の鉄蓋で、二重丸の中に亀の子状に変形した都紋章がある。開東閣正門前にあるもので、ほかでは目にしていないから、数は少ないと思われる。 
   
 旧下水道局マーク・格子地紋合流枡鉄蓋か?
 文科省の玄関前にあるもので、かなり古いものと思われる。 
  都紋章・合流枡大型コンクリート蓋
 外径が75センチの大型コンクリート製合流枡蓋である。下水道台帳には記載がないため照会したところ、公共枡との回答を得た謎蓋である。  
   
 
 旧下水道局マーク・格子地紋合流枡鉄蓋か?
 
後日、上段の写真の蓋で、点字ブロックをかぶっていない蓋を確認した。やはり数は多くないようである。
(その1でも掲載)
  旧下水道局マーク・格子状合流枡化粧蓋
 これも生き残りは少ないと思われる。コンクリートを塗り込んでいて、黒いテープを貼った部分は損傷があるようである。 
 
     
 
           旧下水道局・雨水枡鉄格子蓋か?
 旧下水道局のマークのある石縁付きのゴージャスな鉄格子蓋で、初めて目にしたものであるが、たぶん公共雨水枡蓋と思われる。歩道でこうした鉄蓋が登場するとコーフンしてしまう。誰もが風情を感じるのか、大切にされているような印象がある。(外堀通り)
 
     
   次に登場するのも公共枡(合流)であるが、道路幅がやや狭い商店街の道路で、車道と歩道が構造的に分離されていない条件下で普通に見られた形式で、公道の雨水を集めるL字側溝の並びを借りて、沿線各店の汚水等を受け入れる合流枡が設置されている例である。いずれも区道で見られたものである。   
     
 
サクラマーク・L字側溝並びのコンクリート合流枡蓋
 サクラマークがついているから、都下水道局が設置・管理している合流枡であることが一目でわかる。 
 都紋章・L字側溝並びのコンクリート合流枡蓋
 こちらは、周りのデザインと同調した化粧蓋の例である。下水道局の管理下にあるにもかかわらず、都紋章が使われている事情はよくわからないが、同様のケースが丸形の枡蓋でも見られて、識別が難しいことがある。 
   
 都紋章・L字側溝並びの鉄製合流枡蓋 
 これは都紋章つきの方形鉄蓋の例である。
 都紋章・L字側溝並びのコンクリート合流枡蓋
 都紋章つきのシンプルなコンクリート蓋の例である。 
 
     
  <雨水浸透枡蓋>   
     
 
 
  雨水浸透枡・方形鉄蓋・皇居周り歩道
 菱格子のデザイン的は都水道局の鉄蓋と同じ印象である。都道であれば都紋章が入り、区道であれば各区の紋章が入っている。皇居周りの歩道はいずれでもないため、のっぺらぼうとなっているのであろうか。 
   雨水浸透枡・方形鉄蓋・都道 
 都道の歩道にあるから都紋章入りである。雨水浸透枡は穴あきの立坑で地中に雨水を浸透させて下水処理の負担を軽減するものである。雨水浸透枡は個人住宅でも奨励されている。 
   
  公共雨水浸透枡蓋・L字側溝並び(区道)
 下水道局のサクラマーク入りの雨水浸透枡コンクリート蓋である。 
   公共雨水浸透枡蓋・L字側溝並び(都道)
 単に「浸」の文字だけが入っているコンクリート蓋で、危うく見逃すところであった。サクラマークではないが、下水道局の公共雨水浸透枡である。
 
     
  <その他の丸形枡蓋など>   
     
   次は、その他の丸形枡蓋である。ときに、ややわかりにくいものがある。

 分かりにくい筆頭は都の設置した施設の敷地やその周辺で見られる変則的な仕様の枡蓋で、鉄蓋等の観察初心者にはミステリーゾーンとなっている。特に設置者や種別の表示が全くないものも見られるが、これらは別項に譲ることにする。 

 注:調べていく中で、区が布設した雨水管の人孔鉄蓋(人が出入りするマンホール鉄蓋)がまれに存在することが判明した。公共下水道本管はあくまで下水道局の管理下にあるが、こうなると、区の鉄蓋では枡蓋なのか人孔蓋なのか、見極めが非常にに難しいことになってしまう。都の他部局の施設関連でも同様の可能性があり、したがって、以下に掲げた中にも、人が出入りする人孔蓋(マンホール)が存在するかも知れない。
 
     
 
  都紋章・汚水枡鉄蓋(都営アパート)
 都営アパートの建設担当部局は都紋章を使用しているということか。におい防止のためかガス抜き孔がない。
     汚水枡鉄蓋(区公園)
 これだけ大きな文字で「汚」と表示してあると、汚さが強調されて迫力がある。これも孔なしである。下水道局とは異なる仕様の鉄蓋を使用している。 
   
     汚水枡鉄蓋(区公園)
 都の施設及びその周辺で、しばしばこうした紋章を入れる部分がのっぺらぼうとなったものを見かける。地紋は凹型亀甲模様である。せっかくだから、都紋章でも入れておけばと言いたくなる。 
    雨水枡鉄蓋(区公園) 
 こうして、種別が明示されていれば安心である。
   
    汚水枡鉄蓋(旧東京水産大)
 旧東京水産大学の紋章入りである。星形のマークは「水産」の「水」をモチーフとしたものとされ、水産大学校や水産高校の校章として広く用いられている。 
   品川区・雨水枡コンクリート蓋
 品川区紋章入りの雨水枡コンクリート蓋である。区の施設関連で設置されていた。
   
    雨水枡鉄蓋・汎用品(区公園)
 先の組亀甲模様(毘沙門亀甲模様)の地紋のあった空気弁の製品と似た印象がある長島鋳物の製品。新しいデザインのようである。
  品川区・雨水枡鉄蓋(区公園) 
 品川区紋章入りの東京市型地紋の雨水枡鉄蓋である。 
   
   雨水枡コンクリート蓋(都公園)
 6個のガス抜き孔のあるこのタイプの蓋で、ほかに中心部が単に旧下水道局マークのもの(前編で紹介)や都紋章のものが見られ、その正体がわかりにくいものとなっている。 
  雨水枡コンクリート蓋(歩道敷地側)
 歩道上の設置であるが、下水道台帳には記載がないから、私設であろうか? 少々クセのある字体である。
   
   雨水枡鉄蓋・汎用品(区公園) 
 長谷川鋳工所製の石垣模様の製品で、2個の把手付きである。
  雨水枡鉄蓋・汎用品(愛育病院私設)
 細かいイボ状模様の比較的新しい製品で、滑り止め効果は良好であろう。滑り止め機能を高めた製品は近年のトレンドである。 
   
   都紋章・雨水枡鉄蓋(都公園) 
 大きなガス抜き孔が多数あるこの形態は、東京市型地紋にやや似るが、全く異質である。都公園、区公園のいずれも下水道局の管理下にはないかから、通常は下水道局関連のマークが登場しないのはわかるものの、これが雨水枡なのか汚水枡なのかは見ても断定しにくい。しかし、これだけ開放的な形態であれば、雨水枡である可能性が高いと思われる。
(注)この地紋については「名古屋市型」の呼称がある。
  汚水枡鉄蓋・汎用品(区公園ほか) 
 長谷川鋳工所製で、マンション等の私設鉄蓋としても広範に目にする。2個の把手があるこうした仕様の蓋では、この部分にどうしてもゴミがたまりやすい。そのため、メーカーによってはキャップが用意されている。
   
  排水枡鉄蓋・汎用品(ビル私道出入り口) 
 二崩し模様の製品で、珍しいことに、収納式の取っ手が2個ついている。ビルの汚水を下水道に放流するための私設枡であろう。辰巳工業製。
   汚水枡鉄蓋・汎用品(都公園) 
 長谷川鋳工所製である。
 汚水であるからウンチを含む概念である。
   
 先に「汚水蓋」「汚水枡」が登場したわけであるが、たまたま同じ製造者の製品である。
 蓋自体に着目すれば「汚水蓋」又は「汚水枡蓋」であり、立坑の構造体自体に着目すれば「汚水枡」 ということになるが、どうでもいいことである。製造者にとってもどうでもいいことであると思われるが、発注者がその時点でたまたま選定したに過ぎない。
   
 汚水枡鉄蓋・汎用品(マンション私道)
 オオタケファンドリー
製で、フックが2個ある。
 地紋は二本寄せ四ツ目編み模様である 
   亀の子都紋章・汚水枡鉄蓋
 「汚」の文字を囲むマルは、よく見れば都紋章のメタモルフォーゼの亀の子であるから、都の設置である。下水道局以外の他部局が設置したものか。 
   
  雨水枡鉄蓋・汎用品(マンション私道)
 オオタケファンドリー
製で、上の写真と同じメーカーである。 
   雨水枡鉄蓋・汎用品(公開歩道)
 ダイドレ株式会社
製である。
 上部のマークが気になったが、石灯籠由来のトーロー印と呼んでいるただの会社のマークであった。
   
    国土交通省・ 雨水枡鉄蓋
 国道の歩道で見られた国土交通省のシンボルマークのある雨水枡鉄蓋である。
  国土交通省・中型鉄蓋・汎用品
 左の鉄蓋に並んでいた同省の二本寄四ッ目編み模様の中型鉄蓋である。種別が明記されていない。第一機材の既製品である。なお、国土交通省の鉄蓋では、ほかに例えば「通信」、「情報」といった文字入りのものも見られるようである。
   
      私設大型雨水枡鉄蓋
 ビル私道の出入り口に設置された私設の雨水枡鉄蓋で、外径が95センチと大型である。比較的新しいビルであるが、古くさい蓋を採用しているのは意外である。 
   公団住宅前の私設汚水枡鉄蓋
 東京市型地紋の鉄蓋は、あちこちで未だ健在である。
 IGSの文字は小型の私設枡をよく見かける伊藤鉄工のロゴである。   
   
    角型雨水枡鉄格子蓋 1 
    角型雨水枡鉄格子蓋 2 
 
     
  <道路の雨水を処理する雨水枡の蓋>   
     
   道路の雨水を処理するL字側溝で、一定の間隔で設置されている方形の雨水枡を見ると、道路管理者が雨水枡の設置をしていることがわかる。つまり、国道では国土交通省、都道では東京都、区道では区役所がそれぞれの設置・管理の主体である。したがって、雨水枡のマークを見ただけでも逆にその道路が国道か、都道か、区道なのかもわかる。   
     
 
   国土交通省・雨水枡蓋(国道) 
 中心に国土交通省の奇妙なシンボルマークが入っている。時にマークなしのデザインも見る。
  同左シンボルマーク部分の様子
   
 
   国土交通省・雨水枡蓋(国道)
 国土交通省の小さなマーク(鋳出不良で不鮮明)のあるグレーチングの雨水枡蓋に隣接した歩道側に建設省の方形の鉄蓋(「建」の文字入り)が常にセットで存在していた。この構成の詳細はわからないが、グレーチング部は、落葉で水平面が覆われても奥の孔が縦方向に立ち上がっているので、冠水しないというのがウリの製品である。 
   国土交通省・雨水枡蓋(国道)
 この製品ではシンボルマークがはっきりしている。  
   
    旧建設省・雨水枡蓋(国道)
 旧建設省のシンボルマーク付きのもので、国道の歩道ではこのマークの謎の鉄丸蓋も多数目にする。 
  サクラマーク・雨水枡蓋(都道) 
 都下水道局とわかるマークである。
   
   港区・雨水枡蓋(区道) 
 港区の紋章入りで、普通に見られる。
   港区・雨水枡蓋(区道) 
 これはたぶん古いタイプであろう。
   
  大田区・雨水枡蓋(区道) 
 大田区の化粧蓋バージョンである。
   文京区・雨水枡蓋(区道)
 写真では少々見にくいが、文京区の紋章入りである。 区ではみんな勝手に仕様を決めているようである。 
 
     
  【参考】  
     
 
            L字側溝の風景 1(区道)
 区道で見られたL字側溝における例である。公共合流枡は当然下水道局のサクラマークであるが、雨水枡は区道であるから、ここでは品川区が管理しており、品川区紋章となっている。
 それぞれの枡から別系統の取付管で合流下水道管に接続されている。
 
           L字側溝の風景 2(都道)
 都道
で見られたL字側溝における例である。公共合流枡も雨水枡も同じ下水道局の管理下にあるから、いずれもサクラマークがついている。ここでもそれぞれの枡から別系統の取付管で合流下水道管に接続されている。 
 
     
 
   L字側溝と雨水枡の例(区道)
 歩道と車道の境の縁石が高い例で、歩道側の雨水も縁石部の穴からL字側溝に流れて、雨水枡に収まる構造である。
 区道の雨水枡の中の様子(区の雨水枡)
 雨水枡の蓋をコンクリートもろとも剥がした状態である。シンプルな方形の立坑があるだけである。下方で取付管によって合流下水道管に接続されているはずである。深さは背丈ほどもあるらしい。
 
     
  <ビルの個性的な私設枡の蓋>   
     
 
 下水道が整備された地域で、ビルの地下にし尿や雑排水の排水槽(ビルピット)を有する場合、これを自然流下で外に排出できないため、一旦排水槽からポンプアップして、これを私設汚水枡公共汚水(合流)枡取付管を経由して下水道局の(公共)下水道管に排出している。

 ビル街では、ビルの周りに無表記の目立たない方形の化粧蓋を普通に見かけるが、これらに私設の汚水枡が含まれていると思われる。

 たまたま個性的な汚水枡の鉄蓋を見かけたので、ここに掲げる。  
   帝国ホテルの汚水枡鉄蓋の行列
 多数の鉄蓋がズラリと設置されている。ホテル敷地の公開歩道である。
 
   
    帝国ホテルの汚水枡鉄蓋 1
 いやでも目立つデザインで、株式会社西原ネオの製品である。外径約65センチ。  
    帝国ホテルの汚水枡鉄蓋 2 
 こちらは環状の把手がついている。誇らしげなNのマークはメーカーのイニシャルであろう。