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木の雑記帳

   北国の照葉樹といえば・・・・・・   


 常緑広葉樹がざわざわ繁茂する温暖な地域から北海道へ来ると,あたりは落葉広葉樹の王国で、常緑広葉樹はなかなか目に入らない。そもそも北海道に自生する常緑広葉樹には何があるのかを北海道生まれの人に聞いても,うなり声しか返ってこないのが普通である。
 そこで,道央地域でキョロキョロ見渡してみた。

まずは,よそ様のお庭拝見 

 よそ様の庭を拝見すると,やはり庭木の王者は他の北海道の地域と同じでオンコ(イチイ)となるが,常緑広葉樹としては以下の種類を見かけた。 

ハクサンシャクナゲ 庭木としては定番のようでごく普通に見られる。冬季は葉を細く丸めて雪に逆らわないように垂れ下がって,ひたすら耐えている。自生種でもある。
ユキツバキ たまたま,ある家の庭先で見かけた。北海道での自生はなく,日本海側の種である。
カルミア 北米原産の外来種で花がかわいく、九州から北海道まで植栽されている。

山でキョロキョロ

 付近の里山,藪を散歩して見かけたのは,エゾユズリハツルマサキハイイヌツゲヤドリギフッキソウくらいであった。そこで,図鑑類を調べてみると,例えば以下のようなものが北海道にも自生するとのことである。
 なお,雪解け直後に,今まで雪でぺちゃんこになっていたナニワズの緑色の葉も見たが,これは残念ながら夏に落葉する落葉低木ということになる。

アオキ 常緑低木。北海道では南部のみに分布。ヒメアオキも同様。
イソツツジ 常緑低木。北海道,本州(東北)に分布。
エゾムラサキツツジ 半落葉低木。北海道に分布。
エゾユズリハ 常緑低木。北海道,本州(中部以北の日本海側)に分布。
キヅタ 常緑つる性木本。北海道では南部のみに分布。
サカイツツジ 常緑低木。日本では根室市の落石岬にだけ自生するという。
ツルシキミ 常緑低木。全国に分布。
ツルマサキ 常緑つる性木本。全国に分布。
ハイイヌツゲ 北海道と本州日本海側の多雪地帯に分布。
ハクサンシャクナゲ 常緑低木。北海道,本州,四国に分布。
フッキソウ 常緑低木。全国に分布。漢字で「富貴草」と書くが,草ではない。都市部の緑化にさして,グランドカバーとして多用される。
マサキ 常緑低木。全国に分布。
ヤドリギ ほかの樹木(落葉広葉樹)に半寄生する常緑低木。全国に分布。冬の間は,葉を落とした落葉樹上でのびのび、いきいきしている。
ヤブコウジ 北海道では奥尻島に分布。
 


    ツルマサキ

 北海道の積雪期のツルマサキ。一見枯れ葉のようにも見えるが、こんな色になって寒さにじっと耐えていた。
  ハクサンシャクナゲ

 北海道では自生があることから、庭木として広く利用されている。
 冬期は葉を丸めて寒さに耐えている。
   
      ヤドリギ 

 赤い実をたっぷりつけたヤドリギである。ハルニレはすべての葉を落としているから、日当たりは良好で、気持ちよさそうである。