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樹の散歩道
  デントコーンを食する


 「スイートコーン」については、単に草丈に負けないであろうということだけで、気まぐれにつくることはあるが、残念ながら、牛さんの餌になる「デントコーン」については口にしたことがない。食用は品種の呼称として「スイート」とか「ハニー」を冠しているから、逆に飼料用は甘さがほとんどないことを予想させるも、人が食べるには耐えられない代物なのか否かもわからない。そこで、獣医さんを目指し、あるいは酪農経営を学ぶ某大学の広大な農場で栽培されていたデントコーンを遠慮がちに2本だけ頂いて、初めての試食をしてみることとした。【2012.9】 


 
デントコーン  【比較用】スイートコーン 
 以下はデントコーンの植栽状況をざっと観察しての気づきの点である。
 @ 茎はやや細いが、草丈が高い。
 A 葉の広がりが少なく、上方を向いている。
 B 植栽の株間が狭い。
 C 雑草がほとんど見られない。
 以上のことから、これが地上部の単位収量を稼ぐための品種で、そのための株間として、除草剤をキッチリ使用していることがわかった。 
 こちらは気まぐれにつくったスイートコーンで、ワイルドな粗放栽培である。
 タネの説明書きには、畦幅70センチ、株間30センチとした指示があり、概ねこれに従っている。
 デントコーンより茎がやや太めで、葉が横にゆったりと開く傾向がある。 
 タネの生産地はアメリカとなっていた。 
 
   
 完熟前のデントコーン(ナマ) 茹でたスイートコーン 
 
 熟しすぎて硬くなるのを恐れたため、若干早めに採取した。ゆで時間は適当である。
 形状はやや細長く、24センチ鍋にはそのままでは収まらなかった。  
 出来は決して優秀ではないが、自家用としては上々である。
 味は普通のスイートコーンであり、正に安心の味である。  
   
  (デントコーン試食の感想)

 
味は 食用に較べたら、やはり甘さにおいてかなり劣るものの、適度な甘さがあることを確認した。

 食感は 食用に較べると、粒皮がわずかに丈夫(剛性ではなく靱性を感じる。)で、若い粒は歯でもぎ取るとブチブチと音がするが、食べにくいということはない。ただし、入れ歯のお年寄りには少しだけ厳しいかも知れない。  
   
  (総括的講評)

 意外や、決して食べられないものではないことがわかった。普段、慎ましやかなものを食べていて、さらに空腹感が加われば、間違いなく十分美味しくいただけるものである。ちなみに試食用の2本は残さず平らげることができた。

 できれば醤油を付けて焼いたら、もっと美味しくいただけるのではないかとの思いもあり、気になるところであるが、次の機会に試してみたいものである。 
   
 トウモロコシ(スイートコーン)を食い荒らした犯人は何者か!! 
   
   真心込めて粗放栽培したスイートコーンであるが、これを食い荒らした不届き者がいた。以下は被害に遭ったスイートコーンのサンプル写真である。 
   
 
        被害その1
 しっかり皮を剥いてきれいに完食している。
         被害その2
 荒っぽく茎が折られた食害である。
 クソったれめ!!
         被害その3
 だらしのない半端な食べ方で、変な言い方であるが、こうした食べ方は余計に腹が立つ。
   
   以上のような形態のほかに、茎からもぎ取って、まるで両手(両足)で支えてきれいに食べたような残骸も転がっていた。

 一般に、スイートコーンを食害する動物として、カラス、クマ、シカ、キツネ、アライグマ等が挙げられるという。これらをウォッチングしている者であれば、食い跡でいろいろわかるようで、例えば、タヌキやテンは口を使って餌をとるのに対して、アライグマやサルは手をよく使うため、トウモロコシの皮や果実袋の剥がし方でこれらの区別ができる(長崎県農林部農政課)という。

 当方は修行不足で、さっぱり見当がつかない。犯人が全くわからないのはシャクであるが、きっと「ああ・・・ スイートコーンはやっぱうめえべや!!」と、目を細めながら舌鼓を打った堕落した野生動物がいたのは間違いない。  
   
   なお、最近耳に入る情報としては、スイートコーンに甚大な被害を及ぼしているアライグマが多数捕獲されているとの新聞情報があった。また、知り合いの証言として、何とキツネトウモロコシをくわえている姿を目撃したという。また、別の者は、畑から遠く離れたところにトウモロコシをかじった後の穂軸が転がっているのをしばしば見かけるという。 
   
 
 鳥取県の大山寺下山観音堂のお狐様である。まるでトウモロコシをくわえているようであるが、残念ながらくわえているのは巻物である。稲荷神社でよく見る像である。

 キツネは本来的には肉食のはずであるが、生きるためなのか、それとも堕落しきってしまったのか、農作物にも手(口)を出す癖がついて、雑食化している模様である。

 実は、畑付近で、様子をうかがうようにして徘徊しているキツネを以前に目撃している。さらに少し離れたところでは子ギツネ2匹を目撃した。

 噂によると,近辺にはキツネが2家族生息しているという。やはり、キツネが犯人に違いないと思えてきた。


 
 
   
  (その後の経過) 
   スイートコーンは,出来のいいものから3回にわたって収穫した。寸足らず等の出来のあまり良くないものは(エキノコックスも怖くなって)放棄し、犯人の行動を観察することとした。キツネ君がコソ泥をするとなると、やはり夜であろうから、犯行現場を目撃することはきなかったが、残りのスイートコーンはほとんど食い尽くされてしまった。しかも100メートルほど離れたところには、ピクニックをしたのか食後の穂軸が5本ほど転がっていて、廻りにはむしり取った皮が散らかっていた。
 
 この風景は、きっとキツネの両親と先に目撃した2匹の子ギツネが、スイートコーンを銘々がくわえて運び、一家で仲良くお食事したとしか思えない。こう考えると、次のようなキツネ一家の会話風景が目に浮かんだ。 
 
子ギツネ弟   「パパ! スイートコーンって、デントコーンなんかよりずっとあまくておいしいよね!」
お父さん    「そうだね。よーくわかっただろう。それに、見ただけでも区別できるようになったよね。」 
子ギツネ兄弟 「コン!(はい!という意味。) 
子ギツネ兄   「でも、こんなにいっぱいたべちゃってもいいのかなあ・・・」
お母さん    「お前たちがそんなこと心配しなくてもいいんだよ。いっぱい食べて大きくならなくちゃあ。」 
子ギツネ兄弟 「コンコン!(はいはい!という意味。)」 
子ギツネ兄  「そだてていたひとにはまえにあったことがあるけど、やさしいかおしてたからだいじょうぶだよね!」
お父さん   「あの人たちは、スイートコーンがなくても、いつも好きなものばかり食べてるようだから、全然心配することはないんだよ。」 
子ギツネ兄弟 「(ニコニコして)コーン!(わかった!という意味で、何と Corn に掛けている。)」 
   
  (あちこちで見かけるキツネ君)
 
子ギツネちゃん  子ギツネ2兄弟  ご両親のどちらか