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木あそび
 
  芳しい炭焼きの煙
   「スミヤケール」で簡単炭焼き
          


 炭の様々な効用が評価されて、炊飯器の中に放り込んだり、床下に敷き詰めたり、壁に塗り込んだり、食品に練り込んだりと、伝統的な用途以外に広く活用されて、それが定着している。一方、イベント等での演出としても炭焼きがメニューとして多用されている状況がある。こうした需要に応え、簡単に組み立て・運搬可能な炭化炉(炭焼き窯)岡山県林業試験場が開発している。 【2008.10】   


 本格的な炭焼き窯は作るのも大変、維持も大変で、素人が手を出せるものではない。このため、ドラム缶を利用した簡便な炭焼きが広く普及しているが、決して気楽にというわけにはいかず、場所も固定され、ドラム缶自体の耐久性も低いなどの難点が認識されていた。

 こうした中で、岡山県林業試験場(現 岡山県森林研究所)が開発した炭化炉(炭焼き窯)はステンレス製の組み立て式で、分解すれば簡単に持ち運びできる優れものである。耐久性に優れ、自由に設置場所を選択でき、短時間で組み立て可能で、適量の炭を焼くことができる。

 名称は、簡易軽量炭化炉「スミヤケール」としている。

 炭化炉は側面と上面を構成するステンレスの板5枚で構成されている。底はない。これらを割りピン状の接続金具で固定している。

 上面に土が載っているのは、板の接合面のわずかな隙間を念のために塞ぐためである。

 手前下部の土を少し堀込んだ隙間が空気孔である。
     スミヤケールによる炭焼き風景 1  
   
 反対側から見た炭化炉で、細長い隙間が排煙孔である。煙が青みがかった状態になったときにこの孔をステンレス製の蓋でふさぐ。
    スミヤケールによる炭焼き風景 2   
 簡単な要領を身につければ、割った木材を詰め込んで、マッチ1本と枯れ草のみで点火できるという。基本構造はステンレスの板5枚をピンで接合しているだけであるため、使い終わればぺちゃんこになり、収納の場所もとらない。コツさえ身につければ気軽に使えそうである。

 以上のとおりで、イベントの主催者の負担も軽減できそうな製品である。現在、特許出願中とのことである。
(平成20年10月現在)

 【追記】 平成25年に特許を取得している。(特許第5354769号)

   〜 炭やきの 煙たなびく 秋の空 〜

製造・販売:株式会社ファインテクノ・タケダ http://www.finetakeda.co.jp/
〔真備工場〕倉敷市真備町有井141−7 TEL;0866-98-5312
               
製品名 シングル煙突  ダブル煙突 
簡単スミヤケール 簡単スミヤケール・ミニ 簡単スミヤケール
・ミニミニ
簡単スミヤケールL  簡単スミヤケールW 簡単スミヤケール・ミニW 簡単スミヤケール・ミニミニW
容量(m3) 0.20 0.12 0.09  0.66 0.20 0.12 0.10
重量(kg) 6.78 5.16 4.38  15.40 7.20 5.36 4.86
寸法
(内寸)
(mm)
770 630 518  1,141 770 644 581
奥行 539 448 434  1,141 539 448 441
高さ 490 420 392  504 490 413 392
価格(円) 24,360 21,525 18,900  33,250 29,900 29,400 28,350
(2009年10月末現在)