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木あそび
  ダイソーの木製品 恐るべし!!
             


 ここ数年の間に、ダイソーの商品群に広葉樹材を素材にした小物等が加わってきた。例えばキッチン小物、トレー、雑貨等々かなりの品数となる。説明書きによると、例えばドイツのブナを中国で加工したものとする商品群も見られる。いわゆるヨーロッパブナF. sylvatica)である。国内では、かつては天然のブナが供給されていたが、資源量が急速に細ってしまって、ほとんど供給されていないと思われる。 一方、現在、国内で流通しているブナ材はほとんどがヨーロッパ産であるといわれ、ヨーロッパトウヒやヨーロッパアカマツといった針葉樹材や広葉樹材の家具類ならともかく、広葉樹の製材品がヨーロッパから輸入されていること自体が驚きである。【2007】 


 写真はダイソーでお値段200円也のヨーロッパブナ材のペンシルケースである。構造は接着剤で部材を接合したものであるが、短辺の側の木口面もきれいに仕上がっている。蝶番はコスト抑制気味であることはわかるが、実用上は全く支障なさそうである。ブナの素材の魅力は表現されているし、造りも特に不満はない。
 ただし、店頭品を仔細に観察したところでは、仕上がりのばらつき、歪みの出ているものもみられたことから、選ぶ際には注意が必要である。
 現在は耳かき入れとして重宝している。
   
 <比較用として>
 次は旭川のササキ工芸のナラのペンシルケースである。かなり昔に購入したものであるが、現在でも同じデザインで健在である。現在の価格は2,625円。構造は刳(く)りもので、接着剤は使用されていない。資源的に言えば彫った部分は廃棄されているわけでもったいない感じはある。ただ、これを言ってしまうと、木製の椀も盆も残った以上の木材が木くずと化しているわけなので、このことは横に置くこととする。

 二つを並べると、ダイソーは善戦している、というより、日本の産業が心配になる。漆塗りの木製のお椀が、中国製に押されっぱなしであるのと同じ構造である。