トップページへ   刃物あそび目次へ

刃物あそび
 
  爪切り その他編
             


 クリッパー式の爪切りはどう工夫しても大きな差はない。レバー部分の形状をちょっとおしゃれにするくらいのものである。素材も炭素鋼にクロムメッキ、レバー部分を亜鉛合金としたものが主体で、一部でオールステンレスの製品が見られるくらいである。総じてどれも似たり寄ったりであるため、ここではちょっとだけ違うものを紹介する。
【2008.2】   


甘皮切り その1
 正確には爪切りではないが、爪切りの仲間である。
マニキュア、ペディキュアの製品は数限りなくあって、甘皮のお手入れも「甘皮押し」、「甘皮カッター」とか、普段縁のない者にとってはどうでもいいものばかりである。ただ、手のささくれがきれいにピチッと切れる道具があればと思っていたところ、やはり需要に応える製品が供給されていた。甘皮のお手入れ用としては先が薄くて鋭いハサミもあるが、こちらの方がささくれ処理には都合がよく、一つは常備しておきたい製品である。
 刃渡りは短く、斜めの直刃で使いやすい。本体にヤスリはないが、プラケースにヤスリを装着している。刃物の出張販売の製品で、メーカー表示はなかったが、株式会社グリーンベルが全く同じ製品(MI-53、GB-026)を販売しているのを確認した。
甘皮切り その2  
 こちらは大手の貝印が発売元となっている甘皮切りである。リベットを除きオールステンレスである。貝印は都内に本社を構えているにもかかわらず、この製品は都内のどの店舗にも置いていない。地味な製品であまり知られていないのだろうか。ネット通販で数社が扱っている。刃の反対側は甘皮押しになっている。上の製品と価格的には同等であるが、こちらの方がやや丈夫そうである。ただし、製品本体の角の仕上げが鋭すぎで手に優しくないため、面取りが必要である。
 なお、百均でも似たデザインのものがあって、使用に耐えないことはないが、品質はこれら2製品に遠く及ばない。 
アイダ爪切り
 クリッパー式の爪切りは岐阜県関市の製品の独壇場のようであるが、かつては都内でも製造されていたのである。そのひとつが通称「アイダ爪切り」である。

 手持ちはこのひとつだけである。全盛期には大小いろいろの種類があったようであるが、1999年末で生産を終えた模様で、現在ではしばしば現品限りの製品を見るのみとなっており、やがて姿を消すであろう。
 写真の製品は全身槌目模様と変わり者である。レバー部には“AIDA”、裏側には小さい文字で“AIDA TOKYO”の刻印がある。刃部の仕上げは非常に丁寧できれいである。
超薄型爪切り
 たたんだ状態では爪切りとはわからない。ぴったりと納まっており、よく考えたものと感心する。実はこのタイプは従来からドイツの刃物メーカーが製造・販売していたことは知っていたが、小さいくせに値段が途方もなく高かった。
 写真は国産大手の貝印製で、名称は「リーフツメキリ」とある。素材はオールステンレスである。はっきり言ってドイツ製品の完全なパクリである。しかし、品質は多分同程度で、価格は輸入品の半額に近いから結果合格である。
 製品の厚さは4ミリ程度で、やはりこの薄さに由来して携行するのに都合がいいのが売りで、魅力となっている。内側には小さなヤスリもついている。ただし、日常使いとしては普通のタイプの方が使いやすいのはいうまでもない。

 薄いタイプの異なった機構の爪切りについて、別項で韓国産の製品を紹介したが、こちらは国産として表示されてるから、韓国産のOEM製品ではないことは確かである。